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人事におけるオンボーディングの意味とは?OJTとの違いや実施目的・メリット、事例などを紹介

社員育成

「オンボーディングとは」

「オンボーディングとOJTの違いは?」

「オンボーディングの目的は?」

最近、「オンボーディング」という言葉を耳にする機会が増えました。オンボーディングは人事領域だけでなく、ビジネスやサービス領域でも利用される言葉です。利用シーンによって意味が若干異なるため、それぞれについて理解しておかなくてはいけません。

そこで今回は、人事におけるオンボーディングの意味やOJTとの違い、実施目的・メリット、具体的な実施企業の事例などを紹介します。

オンボーディングとは

オンボーディングとは、もともと英語の「on-boarding」という言葉で、日本語では飛行機や船に乗るという意味です。本章では、人事におけるオンボーディングの意味をメインで紹介しつつ、顧客向けサービスにおけるオンボーディングについても簡単に解説します。

オンボーディングとは

人事におけるオンボーディングとは、新入社員が戦力として働けるように、組織全体でサポートする施策の総称です。仕事のやり方をOJTやOFF-JTなどで覚えてもらえるように各種教育、育成プログラムを準備することも、オンボーディングの一環といえるでしょう。

また、新入社員が新しい職場に馴染めるように、既存のスタッフが相談に乗ったり、社風やビジョンなどを共有したりする施策もオンボーディングに含まれます。オンボーディングの実施により、新入社員が早期に戦力化して活躍できるようになり、また新しい職場に馴染めるようになることで離職率を抑制する効果が期待できるでしょう。

一方、顧客向けのサービスなどにおけるオンボーディングは、人事領域で使われるときとは若干違った意味を持ちます。

顧客向けのサービスにおけるオンボーディングとは、新規顧客にサービスを有効活用してもらえるように、使い方やメリットなどを紹介するサポートやチュートリアルなどのことです。例えば「〇〇機能の使い方がわからない……」「無料トライアル期間の使い方を知りたい」といったお客様にオンボーディング施策を実施することによって、サービスの継続利用を促せます。

企業の収益増加のためには、長期的に安定したサービスの利用を顧客へ促進することが欠かせないため、オンボーディング施策の実施は非常に重要です。

オンボーディングが注目されている背景

オンボーディングが注目される背景には、少子高齢化による労働人口の減少があります。

近年、多くの企業において、若手新入社員が早期離職することによる、採用コストの高騰化とROIの悪化が顕著です。一方、即戦力として中途採用した人材が、会社の雰囲気に馴染めなかったり、期待したパフォーマンスを発揮できなかったりすることで、早期退職につながるケースも増えているようです。

さらに2020年以降は、テレワークを導入する企業が増えたことにより、スタッフ間のコミュニケーションが希薄になっていることから、新入社員のエンゲージメント強化が困難になっています。

そのため、オンボーディングを実施して、新入社員の離職率を下げようと試みる企業が増えているのです。
日本経済

OJTとの違い

オンボーディングはOITと混同されることが多い言葉です。

OJTとは英語「On The Job Training」の略語で、実務を通じて仕事のやり方を教える人材育成方法です。つまり、OJTはオンボーディング施策のひとつだといえます。

オンボーディングにはOJT以外にも、外部での研修を受講するOFF-JTや、他のスタッフとの懇親をかねたランチ会など、さまざまな施策が含まれる点が特徴です。

オンボーディングの実施目的・メリットは5つ

オンボーディングを実施することで、企業は多くのメリットが得られます。代表的なオンボーディングの実施メリットを5つ紹介します。

新入社員の即戦力化

オンボーディングを実施することで、新入社員の即戦力化が期待できます。

通常、新入社員が仕事に慣れて、高い成果を上げるまでには1年程度の期間が必要になることが一般的です。しかし、1年間で自身に求められるパフォーマンスが発揮できなかったり、会社に馴染めなかったりする場合には、そのまま辞めてしまうリスクが高くなります。

しかし、オンボーディングを実施して、仕事のやり方を丁寧に教えることで、新入社員が早期に高いパフォーマンスを発揮しやすくなるでしょう。また、小さな課題を与えて、達成の手応えを感じてもらうことで、新入社員を早く即戦力化できます。

新入社員の離職率を抑制

新入社員の離職率抑制が期待できる点も、オンボーディングの実施メリットです。

組織全体でオンボーディングを実施することで、新入社員が感じる採用前後のミスマッチを減らし、高いパフォーマンスを出せるようにサポートできます。また、仕事の成果に対して、適正な評価を与えることにより、新入社員の腹落ち感を高め、突然退職するといった事態も抑制できるでしょう。

チームの生産性向上を実現

新入社員に対してオンボーディングを実施することによって、チーム全体の生産性向上が実現できます。

オンボーディングには組織のメンバー全員で取り組む必要があるため、教育する側のスタッフも、ビジョンや自分たちの仕事の目的を再確認することが可能です。オンボーディングによって、新入社員が即戦力化することは、もちろんチームの生産性向上に寄与します。

また、オンボーディングを実施するスタッフの生産性向上にもつながるため、チーム全体の生産性向上を実現できる点が大きなメリットだといえるでしょう。

会社へのエンゲージメント強化

新入社員と会社のエンゲージメント強化を実現できる点も、オンボーディングの実施メリットです。

オンボーディングの実施によって、新入社員が早く会社に馴染んで、仕事で成果を上げられるようになれば、働きがいが生まれ会社へのエンゲージメントが高まる効果が期待できます。また、1on1などを実施することで、新入社員の悩みや課題をこまめにキャッチアップしてフォローすることで、さらにオンボーディングの効果を高められるでしょう。

採用コストの抑制

多くの企業がオンボーディングを実施する理由は、採用コストの抑制につながるメリットも大きいでしょう。

オンボーディングを実施することで、新入社員が会社に馴染んで、仕事で成果を上げられるようになれば、エンゲージメント強化につながります。その結果、離職率が下がるため、採用コストも抑制できるというわけです。

また、通常は1年程度必要な育成期間を短縮できますので、新入社員の育成コストも大幅に削減できます。

オンボーディング実施における5つの注意点

オンボーディングを導入したメリットを存分に得るためには、以下5つの注意点を押さえて実施することが重要です。それぞれについて解説します。

1. 受け入れ準備は念入りに

オンボーディングを実施する際には、受け入れ準備を念入りに実施しましょう。

新入社員が安心して業務に臨めるように、入社日に渡すマニュアルや資料、当面のタスクなどを説明できるように準備しておくことが必須です。準備する資料は、人事マターのものと、現場マターのもので異なるため、それぞれ連携して過不足なく準備できるように調整しておかなくてはいけません。

さらに可能であれば、事前にチームメンバーと新入社員の顔合わせや、簡単な面談などを実施できるとベストでしょう。

2. 期待値をすり合わせておくこと

新入社員が入社後「どのように活躍して欲しいか」「どのような成果を期待するか」といった、期待値のすり合わせを行っておくことも、オンボーディングの実施時には欠かせません。

企業側の期待値と、新入社員のパフォーマンスがミスマッチな場合、どちらにとっても不幸な結果となります。入社後、どのような人材に成長して、どのような成果を上げてほしいのか、できるだけ具体的にすり合わせておきましょう。

また、新入社員のキャリアプランやビジョンも共有してもらい、組織全体でその実現をサポートすることで、良好な関係を構築していくこともオンボーディングの実施目的です。

3. チーム全体で新入社員を受け入れる雰囲気を作ること

オンボーディングを実施する際には、チーム全体で取り組むことが必須です。

新たな職場に臨む新入社員の不安を払拭するためには、チームメンバー全員がウェルカムな雰囲気づくりを行うことが非常に重要でしょう。そのため、教育の担当者だけに丸投げすることは厳禁です。

組織全体が新入社員を受け入れる姿勢を作ることで、離職率の抑制につながるだけでなく、教育担当者の負担軽減を実現できます。

4. 細かな目標設定とフィードバックを実施すること

オンボーディングを成功させるためには、細かな目標設定とフィードバックの実施が欠かせません。

前述した通り、新入社員に小さな課題を設定し、クリアさせることで達成感を味わってもらうことがマストです。そのため。細かな目標設定を行い、新入社員が小さな成功を積みあげられるような工夫が、組織側には求められます。

また、組織のマネージャーはメンバーから積極的にフィードバックを集め、1on1などでコーチングを実施し、一緒に成長していく姿勢を見せることもオンボーディングを成功させる重要なポイントです。

5. テレワークの場合はリアルとは違う準備が必要になる

テレワークがメインの会社の場合は、通常のオフィス業務とは違った準備が必要です。

テレワークでもスムーズに業務を遂行できるように、各種マニュアルやQAの準備はもちろん、ノートPCや各種クラウドツール、ネット環境の準備も視野に入れる必要があるでしょう。また、テレワークでは新入社員が孤立しやすいので、周囲のスタッフが積極的にコミュニケーションをとれるような体制やツールの準備も欠かせません。

テレワーク

オンボーディングを実施している3つの企業事例

オンボーディングを実施している企業は多いですが、今回は大手企業の事例を3つ紹介します。

Google

Googleはオンボーディングに注力しており、世界的大企業になった現在でも、社員全員がスタートアップ当時のような和気あいあいとした雰囲気で働けるような取り組みを実施している点が特徴です。

同社のオンボーディングでは企業文化やハイレベルなテクノロジーの講義が受講できるほか、チームメンバーと懇親できる場が準備されています。また、新入社員を受け入れる部署のリーダーにはオンボーディングで実施すべきタスクが与えられるため、企業として均一のクオリティで実施できる点も特徴といえるでしょう。

メルカリ

メルカリは2020年より社内全体のオンボーディングを統一化するため、入社オンボーディングチェックリストと呼ばれるのものを作成しています。新入社員が入社時にするべきことや、聞くべきことをリスト化したことで、オンボーディングの質を平準化することに成功。

テレワークがスタートした後は、定期的に課題の棚卸を実施し、改善やフォローアップを行っています。また、テレワークにおけるオンボーディング施策として、オンライン同期飲みを実施している点も特徴です。

GMOぺパボ

ハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」やレンタルサーバー事業を手掛けるGMOペパボは「ペパボカクテル」と呼ばれる独自のオンボーディングを実施しています。

ペパボカクテルとは、約3か月の実施期間中に新入社員が自分のやりたいことを決めて、それをメンターやほかのスタッフがサポートすることで、会社・事業部・エンジニア組織という3つの帰属を意識できるオンボーディング施策の総称です。また、ランチの相手をランダムに振り分けたり、チャットで何でも質問できる部屋を準備したりするなど、会社に慣れるための工夫が随所に施されている点が特徴です。

オンボーディングの実施で新入社員の即戦力化と離職率抑制を実現

オンボーディングは新卒、中途に限らず、新入社員を即戦力化し、離職率を抑制できる手段です。そのため、すべての企業が取り組むべき施策といえるでしょう。

今回紹介したポイントを押さえつつ、貴社に最適なオンボーディング施策を検討し、実施してみてはいかがでしょう。

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