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経理部門のDXは急務!?事例で学ぶ経理のDX推進ポイント

経理部門の仕事は、企業のお金の流れを正確に管理・報告することです。
この報告をもとにして、社内外のステークホルダーは経営に関する判断を行うため、数値に正確さが求められることは言うまでもありません。

経理や人事などはバックオフィスとも呼ばれ、会社の利益に直結する部門ではないため、業務に生じている問題の解決を先送りにされたり、問題を提起しにくい環境であったりすることも多いようです。

経理の仕事は高い精度が求められるほか、締め切りに追われることもあり、スピードと正確さの両立が重要になります。
それゆえ、担当者にかかる業務の負担は大きいものです。

経理部門のDX(以下、経理DX)を推進していくことは担当者の業務負担を軽くするだけでなく、有事の際やイレギュラーの発生に関係なく、お金の流れを把握しやすくなるというメリットもあります。

※経理DX
経理・財務管理の業務にデジタルツールを導入することによって業務を自動化させる取り組み全般を指して使われます。

DX全般の概念・考え方については、以下の記事を参考にしてください。
「DXとは何?デジタル化の先にあるDXを詳しく解説」

経理部門でDXが必要である理由

経理部門でDXが必要であるケースは主に次の4つです。
・法律(改正電子帳簿保存法)による規制
・属人化の防止のため
・2025年の崖問題への対策
・リモートワークが進まないから

法律(改正電子帳簿保存法)による規制

従来は領収書などの原本は紙で印刷して保管することができましたが、改正電子帳簿保存法によって、電子データのままの保管が義務付けられるようになりました。

請求書や領収書を紙で保管するには場所もとりますし、管理がしにくいというデメリットがあります。
法律が電子データでの保管を義務付けたことは経理DXを推し進める強い動機となり得ます。

属人化の防止のため

経理の業務は専門知識・スキルが必要なものが多いです。
簿記の知識だけでなく、締め切りを意識したタイムマネジメント能力、数値の扱いにおける正確さなど、資格だけでは測れないこともあります。

すると、経理の仕事を任せられる人は社内でも限られた人になってきます。
これがいわゆる、業務が「属人化」すると言われる理由です。
経理を担当する人を見つけるために採用活動をしている企業も珍しくありません。

個人に業務が依存してしまうことは、担当者の「やりがい」につながる大事なものであることもありますが、その人がいないときに業務が滞るリスクを組織が抱えることでもあります。
属人化されてしまう業務をなるべく減らし、仕組化することが仕事を考えるうえでは大切です。

2025年の崖問題への対策

既存のシステムが古くなっており、そのシステムメンテナンスを行うことができる人材が不足していることも経理DXが求められる理由の一つです。

古いシステムの改修は、扱える人材を確保するのが年々難しくなってきています。
システム開発者、システムを扱える多くの人たちが2025年には退職することが予想されているからです。

このままの仕組みを維持していく場合には莫大なコストがかかると言われており、経済産業省が発表したレポートによると、年間で最大12兆円もの経済損失を伴う可能性があると指摘されています。

リモートワークが進まないから

業務・仕事の「属人化」と問題の本質は同じです。
経理部門は組織内で最もリモートワークが進まない部署であると言われています。

データ入力をするにしても、入力元になる書類が社内にしかないので、経理担当者は出社しないと仕事にならないのです。
経理に関わるデータは社内でしか扱うことが許可されていないものもあり、
・紙ベースでの管理(ペーパーレス文化がない)
・ハンコ文化
・個々のエクセル管理の煩雑さ
などがリモートワークの障壁になっています。

2020年に大流行した新型コロナウイルスの影響を受けて、リモートワークを推進する企業が多くなっていても、そこに経理担当者の視点は欠如していました。

今なお、企業として働き方改革を推進していても、経理には浸透していないケースもあります。

経理DXが組織に与えるメリット5選

経理DXが進むと、組織には大きなメリットがあります。
具体的には
・売上業務に集中できる
・コスト削減ができる
・労働時間の削減ができる
・地球環境によい
・経営数値の可視化
などがあげられます。

メリット

売上業務に集中できる

経理部門が関わる売上業務とは、数値の分析のことです。
経営数値の分析を行い、実際の経営判断を下すのは経営者の仕事ですが、その判断のために多くの見解を求めることは選択の幅を広げることになります。

※売上に直結する業務を「コア業務」と言うことがあります。

経理担当者の視点から多くの意見を取り入れることで、新しい制度の導入や適切な人員配置などのヒントが得られるかもしれません。
具体的には、経理担当者の仕事は次のように移っているとの見方もあります。

①キャッシュフローの改善ポイントの指摘
②経営者への資金調達に関する助言
③コスト削減案の作成

これらは、売上はつくらないとはいえ、企業内では重要な仕事です。
人にしかできない仕事に人的リソースを回す判断は合理的だと言えるでしょう。

コスト削減ができる

クラウドサービスなどを新しく導入する際に、コストの問題は必ずと言っていいほど浮上します。
しかし、クラウドサービスの導入によって、「経理部門を置く必要がなくなった」、「人件費やオフィス用品にかかっていた費用が削れた」という声も多く聞きます。

新システム導入によってかかる費用がそのまま企業のコストに計上されるのではなく、削減される費用があるということも踏まえると、トータルではメリットの方が多いと言えそうです。
さらに、レガシーシステムの維持費用が追加で発生することを考えれば、経理DXを推進しない理由はありません。

労働時間の削減ができる

人件費の削減は、担当者の労働時間の削減と同義です。
ツールを使うことによって、有給休暇を取得しやすい労働環境を整えることや、社員満足度の向上にも寄与します。
また、リモートワークが推進できれば、移動時間の削減にもつながります。

地球環境によい

ペーパーレス文化が確立すれば、年間で使用していた紙、インク、コピー代などの諸費用が浮きます。
導入コスト、諸費用や人件費を考えれば、十分に割安です。

日本国内での紙の使用量は、国民一人当たり年間で185.7kgというデータもあります。
世界平均では55.1kgですから、いかに日本が紙をベースにした文化になっているかがうかがえる数字です。
もちろん、一般家庭でここまでの紙を使用することはありませんので、この数字の大部分は国内企業(個人事業主)が消費している紙の使用量と置き換えられます。

企業内でのペーパーレス文化が醸成されれば、社内だけでなく、地球環境にも配慮した企業と言うことができます。

数値の可視化

経営者と現場の社員では必要としている数値、データが違う場合があります。
経理DXが推進されれば、リアルタイムで数値の共有ができ、問題解決のスピードが速くなります。

また、数字にも、
・前年実績
・今年の予算比
・部門ごとの売上・利益
など、さまざまです。
これらの数値を参照したいと思ったときに、探す手間・時間をかけるのではなく、データを参照するときには「ここ」を見れば大丈夫というような仕組みを確立させておくことも、業務の効率化につながります。

経理DXで効率化ができること

経理DXが進むと、今まで人が行っていた作業時間が大幅に短縮されます。
それと同時に、数字の処理は基本的にツールが自動で行ってくれるようになることが多いため、入力ミスをはじめとしたヒューマンエラーも劇的に減少することが期待できます。

経理DXで効率化できる業務の一例を紹介します。

勤怠処理・給与計算

経理の最も大きな負担の一つが従業員の勤怠処理と給与支払いの計算です。
給与は社員の勤務時間、役職によって異なり、各種手当などは従業員それぞれの状況に応じて毎月変動します。

それに加えて、所得税・控除など多くの要素が経理の業務を圧迫します。
経理DXが進み、勤務時間と給与計算が連動するようになれば、手動で計算する必要もなくなります。
毎月の勤務時間に応じて給与計算を自動で行ってもらうことも可能です。

また、従業員ごとの特別な条件(配偶者の有無や賃貸・持ち家など)も予め設定して置ければ、毎回の入力の手間を省くことができ、ミスもなくなります。

脱ハンコ文化・申請業務

経理担当者が出社しないと仕事が進まない理由の一つがハンコ文化です。

申請業務や社外契約書には捺印が必要になるケースが多いです。
社内での申請、社外取引の契約書には電子署名や印鑑の電子化を進めることで、ペーパーレスにもつながり、承認をもらうための仕事の削減に期待が持てます。

請求書の発行と受領業務

請求書の発行は企業と企業の間の信頼関係に直結するものです。
クライアントへの誤請求などは信頼を失墜させてしまう要因になりかねません。
そのため、複数人の経理担当者が請求書の発行の際にはミスがないかを何度も確認するような非効率な業務が発生しやすい部分でもあります。

受領業務においても、相手企業やクライアントから誤った金額で請求書が送られていないのかを確認することが必要になります。
やはりここにも多大な時間が割かれることになるでしょう。

データを一元管理しておくことで、請求書の発行、連絡までをすべて自動で行ってくれるITツールもあります。
製造業では在庫の管理、発注、請求書発行と連絡までを一括で行うことが仕組化されているところもあります。
人的ミスをなくすだけでなく、作業効率にもつながるので、組織としての生産性は間違いなく向上します。

決算書の作成業務

経理業務の中で最も属人化しやすい業務が決算業務です。
決算書は企業の経営成績通知表です。

ステークホルダー(株主)や経営陣の経営判断を行う際に、最も重要視する指標がつまったものでもあります。

期限も決まっているうえに、正確性も求められるため、担当できる人が少ない業務でもあります。
属人化しやすい業務はイレギュラーが発生した際に対応が困難になるケースがあります。

しかし、DX推進の過程で導入するツールによっては、収支計算から決算業務までを一括で行える場合もあります。
経理業務の属人化を防ぎつつ、ヒューマンエラーの心配もなくなります。

経理部門でDX推進ステップ

経理部門でDXを進める手順を4つのステップに分けて解説していきます。

手順①:課題発見・解決方法の分析

経理部門の業務を見渡し、どこにどのような課題があるのかを明確にすることから始めます。
・書類が散在している
・データの入力にミスが多い
・捺印がなくその後の仕事が進まない
などです。

これらを明確にしたうえで、優先順位が高いものから順に解決策を考えていきます。
上記の場合であれば、
・ペーパーレス化を進める
・入力作業を人が行うのではなく、ツールで自動的に行えるようにする
・電子署名に切り替える
となります。

それぞれの企業に適切な解決策を見つけることがDXを成功させていくポイントです。

手順②:ステークホルダーへの説明

経理という部署だけでDXは完結しません。
経営層以下が電子化を進めても、最終的にステークホルダーに紙で情報を共有したり、捺印をもらう文化が残っていたりするのでは意味がありません。
ステークホルダーの中には従来のやり方に慣れていて、変革を好まない方もいます。

ステークホルダーへ十分に説明をし、理解を示してもらったうえで進めましょう。

手順③:システムの自動化・仕組化

新システムを導入した場合、手作業で行っていた業務が自動化されるメリットがあります。
それと同時に、仕組みが今までと異なるため、社内での業務フローを新しく構築していく必要があります。

今後は、「誰が」「何を」やるのかを明確にし、新体制で業務にあたる仕組化をすることが重要です。

手順④:成果分析と経営面への数値の活用

自動化によって迅速かつ正確に出される数値を統合することで経営陣にリアルタイムで共有することが可能になります。

また、部署ごとで必要な情報があれば、その部分だけピックアップして現場に共有することも可能になります。
DXは本来、業務を効率化することにとどまるものではありません。

事業を、デジタルツールを用いて発展させ、新しい価値提供をし続けることです。
経理DXから得られた数値をどのように活かすかが将来的な真のDXにつながります。

経理DXの便利ツールと導入事例

経理DXを進めるにあたり、ツールを導入したことによって、どのように業務が改善されたのかを実際の事例でいくつか紹介します。

ワークフローシステムの導入事例

ワークフローシステムは申請業務を可視化、自動化するシステムのことを言います。
申請や承認を得るために誰かのもとに捺印をもらうことがなくなり、どこまで申請が進んでいるのかを確認することを容易にします。

クレジットカード事業を行うある企業では、稟議の手続きをリモートで行えないこと、紙での手続きが多く、承認作業がどこまで進んでいるのかが可視化できないことに課題を抱えていました。

セキュリティ観点を心配していましたが、セキュリティ面での基準を満たした、安価で使いやすいツールの導入によって、社内でなくてもできる業務の幅が増え、リモートワークが推進したと言います。

会計システムの導入事例

会計システムの中には、決算書の作成まで行ってくれるものもあります。
部分的な導入も可能である一方で、すべての管理を丸投げ出来てしまうほどのツールもあります。

ある企業では事業の多角化に伴い、経理部門で採用人材の増大を検討していましたが、なかなか経理を担当できる人材からの応募がなく、一部を外注していました。

しかし、会計システムを導入したことによって業務量は導入前の半分以下にまで減り、外注業務はなくなったという成功事例があります。

経費精算システムの導入事例

ある企業では、月末の経費の精算業務の効率化を考えていました。
複数の拠点から経費精算のため申請書を、郵送コストをかけて送付するのが慣習でした。

訂正があれば送付し直し、さらに再郵送をすると二重、三重に手間がかかることも多く、経理の入力作業にも時間がかかっていました。

そこで、経費生産システムを導入することで、郵送コストの削減、経理の入力作業の手間の削減、受領書・領収書の保管コストの削減などがあり、導入費用を考えても費用的に安く抑えられていると言います。
領収書を撮影するだけでクラウド上で入力まで完了するツールもあります。

経理部門がDXを推進するときの注意点

経理部門がDXを推進する際には注意もあります。
導入しただけにならないように、正しく有効に活用しきることを意識したいです。

なるべくシンプルで使いやすいツールを導入

複雑なITツール、性能が高そうだけど自社にはマッチしないITツールは導入しない方が賢明です。
本当に自動化させるべき業務をピックアップし、その目的にかなっているのであれば、ツールはシンプルで使いやすいものが望ましいでしょう。

「この機能はあってもなくてもいいけど、あった方が便利」という理由で導入した場合、業務が以前よりも複雑に感じることもあります。
最も重視するメリットを外さないように、経理DXに必要なツールを選びましょう。

社内のITリテラシーの向上

数値の入力業務が自動化されていれば経理DXが終わりということではありません。
ツールに関するITリテラシーの向上を会社全体で目指すことも大切です。

新しいツールの使い方を覚える時間がないことを理由に、使いこなそうとする社員が少ない場合、勝手な現場判断で従来の方法での業務に戻ってしまう可能性も考えられます。
新システムを導入する場合には、それとセットで社内のITリテラシーを高めるための教育もセットで行いましょう。

セキュリティ対策

ITツールの導入によって、数値の一元管理ができ、社内に共有しやすくなるなどの多くのメリットが期待できます。

一方でセキュリティの面から気を付けなくてはいけないこともあります。
社外からの不正アクセスなどはもちろんですが、社内でも一部の人たちに共有したいデータなどにはアクセス権限を付与する必要もでてきます。
管理と共有が自動化できる点では便利ですが、情報を扱える人の範囲を絞ることも大切です。

まとめ:DX推進はバックオフィスにも必須

DXと聞くと、売上に直結する業務(コア業務)のDXを優先的に考えてしまいがちです。
経理などのバックオフィスのDX推進は職場環境の向上と生産性の向上につながります。

ここで紹介したものを参考に、
・ペーパーレス文化の確率
・脱ハンコ文化
・数字やデータの一元管理

など、自社に必要なところから、無理のない順序で取り組むことをおすすめします。

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