新卒に効果的な採用キャッチコピーの作り方とは?企業の事例も紹介
「採用キャッチコピーとは?」
「新卒に効果的な採用キャッチコピーは?」
「採用キャッチコピーの作り方は?」
企業の新卒採用サイトには、採用キャッチコピーが書かれていることが一般的です。学生は採用キャッチコピーを見て、どのような企業なのか判断します。そのため、採用キャッチコピーのクオリティによって、採用率が増減するといっても過言ではありません。
しかし、効果的な採用キャッチコピーを作るためには、押さえておくべきポイントがあります。そこで今回は、新卒に効果的な採用キャッチコピーの作り方やポイント、また事例も紹介するので参考にしてみてください。
目次
採用キャッチコピーとは
採用キャッチコピーとは、新卒採用のホームページ上などに掲載する、求職者向けのフレーズです。そもそも「キャッチコピー」とは広告宣伝用語で、消費者の興味をひくための印象的な宣伝文句を意味します。
つまり、採用キャッチコピーとは、新卒の学生に自社への興味関心をもってもらうための宣伝文句だといえるでしょう。採用キャッチコピーには、個社ごとのカラーが反映されており、学生が企業を選ぶ際の判断基準のひとつになっています。
採用キャッチコピーを作る目的
採用キャッチコピーを作る目的は、学生に対する自社への興味喚起だけでなく、ブランディングや採用後のミスマッチ抑制なども含まれます。
多くの学生に訴求するため
採用キャッチコピーを作る最大の目的は、多くの学生に自社の魅力を訴求するためです。採用キャッチコピーは、企業と学生のファーストタッチポイントだといえます。魅力的なフレーズで訴求できれば、より多くの学生に興味を持ってもらえ、採用ページの閲覧数や応募数が増える効果が期待できるでしょう。
つまり、採用キャッチコピーは新卒採用の母集団を増大させる役割を担うのものです。
企業のブランディングにつなげるため
競合他社と差別化を行い、自社のブランディングを強化することも、採用キャッチコピーを作る目的のひとつです。自社の経営理念やビジョン、社風などを盛り込んだ採用キャッチコピーを作ることで、学生に対してどのような企業なのか強く訴求できます。
その結果、自社の提供価値などが伝わり、ブランディングの強化にもつながるでしょう。
学生と企業のミスマッチを防ぐため
採用キャッチコピーは、学生と企業のミスマッチを防ぐ効果も期待できます。採用キャッチコピーで、社風やビジョン、どのような人材を求めているのかを訴求することで、アンマッチな学生の応募が減るからです。
苦労して採用した学生が入社後に「思っていたイメージと違った……」といった状況に陥ると、離職してしまう可能性が高くなります。学生にとっても企業にとってもデメリットしかないため、採用キャッチコピーの訴求内容は慎重に検討する必要があるでしょう。
採用キャッチコピーの作り方
採用キャッチコピーを作る大まかな流れを解説します。以下3つのステップに沿って、作業を行いましょう。
採用したい学生のペルソナ設定
まず、どのような学生に応募してほしいのか、自社で活躍して欲しい人材のペルソナを具体化しましょう。「名前」「年齢」「性別」「住まい」「勤務先」「年収」「価値観」「普段見る雑誌やWebサイト」など、人材の内面まで具体的に設定することが重要なポイントです。
キャッチコピーのコンセプトを確定
次に、自社の経営理念やビジョンに則って、キャッチコピーのコンセプトを決めていきます。
他社と差別化できる自社の強みをリストアップして明確化することがポイントです。このとき、3C分析やSWOT分析などのフレームワークを活用すると、自社の強みや弱み、市場におけるポジションなどが分かりやすくなるでしょう。
キーワードの選定
ペルソナと採用キャッチコピーのコンセプトが確定したら、コンセプトに合うキーワードをできるだけ多くリストアップしましょう。ただし、最終的な採用キャッチコピーで訴求するキーワードは1つに絞ることがポイントです。訴求内容が複数になると何が言いたいのかわかりづらくなるため、もっとも伝えたいことを1つだけ選びます。
新卒に効果的なキャッチコピーを作るためのポイント
新卒の学生に響くキャッチコピーを作るためには、以下5つのポイントを押さえることが大切です。インパクトがありつつシンプルなキャッチコピーをこころがけ、採用キャッチコピーをブラッシュアップしていきましょう。
学生に刺さる言葉を選ぶこと
採用キャッチコピーを作るときは、学生に刺さる言葉を選ぶことが鉄則です。できるだけ、普段学生が使っているような言葉を選ぶようにしましょう。
また、他社との差別化を意識するあまり、あまりにも凝った表現にすることもNGです。かえって学生に伝わりづらくなります。
わかりやすい表現にすること
採用キャッチコピーは難解すぎるものや分かりづらい表現は、学生に伝わらないため避けましょう。採用キャッチコピーで重要なポイントは、学生に「この企業で働きたい!」と思ってもらうことです。したがって、何を伝えたいのかが一目して分かるようにしなくてはいけません。
また、だらだら長い文言もNGです。できるだけ短く簡潔にメッセージを伝えるようにしましょう。
ひらがな・カタカナ・ローマ字でメリハリをつける
伝えたいメッセージを目立たせるために、ひらがなとカタカナ、ローマ字などを使い分けて表現にメリハリをつけることも、学生に伝わる採用キャッチコピーを作るポイントです。
何気ない言葉でも、カタカナやローマ字などに変えることで、斬新な表現に見える場合があります。見た目のインパクトやバランスも大きく変わるため、見栄えがよく伝わりやすいビジュアルの実現を目指しましょう。
読点、句点を効果的に活用する
近年、採用キャッチコピーの中に読点や句読点を含める表現をする企業が増えています。次章で紹介する企業の採用キャッチコピーの事例にもいくつか見られるため、現在のトレンドだといえるでしょう。
通常、キャッチコピーに読点や句読点を入れることはあまりないのですが、あえて使用することによって、文章にリズム感や言い切り感が生まれます。
中途向けの採用キャッチコピーと差別化すること
新卒向けの採用キャッチコピーは、中途向けのものとは別物と考えなくてはいけません。中途向けの採用キャッチコピーは、業務内容などがイメージしやすいものが好まれる傾向が高い点が特徴です。
一方、学生向けの採用キャッチコピーは、社風やビジョンが伝わるのものが好まれる傾向があります。
新卒向け採用キャッチコピーの事例9選
新卒向け採用キャッチコピーの具体的な事例を9つ紹介します。どのキャッチコピーも企業職が色濃く出ている点が興味深いところです。
LINE
『We create “WOW” for the world!』
LINEの価値基準である「WOW」というキーワードを押し出したキャッチコピーです。「WOW」とは、「“ユーザーを感動させる初めての体験”や“思わず友だちに教えたくなるような驚き”を生み出すこと」だと同社の採用ページに書かれています。
ソフトバンクグループ
『Go Beyond the Challenge』
大手通信会社であるSoftBankは、孫社長を筆頭にさまざまな領域の事業にチャレンジしていることで知られています。採用キャッチコピーには、チャレンジの向こう側という意味が込められており、あくなき挑戦をする人材が求められていることが計り知れるでしょう。
電通
『キミはどんな先駆者になる?』
大手広告代理店の電通は、採用ホームページで「先駆者」というキーワードを活用し、新しい価値の創造ができる人材を求めるメッセージを発信しています。採用キャッチコピーの補足として、以下のメッセ―ジを記載し、学生が腹落ちしやすい工夫がされている点も特徴です。
仕事が旅だとしたら、
その旅の目的地を、キミはどこにするだろう。
一人ひとりに答えがあって、
それぞれ違っていいけれど。
「誰も見たことがない景色」
そこを目的地にするのはどうだろう。
小さくてもいい。
何かの先駆者であるために。
その先に、より良い社会をつくるために。
電通は、広告の先駆者にとどまらず、
社員一人ひとりが先駆者になることで、
今、新しい景色を目指して歩きはじめています。
キミが見たい景色も、ぜひ聞かせてください。
仕事を考えることは、生き方を考えることだから。
参考:電通/DENTSU Inc.RECRUTING 2023
三井住友銀行
『いい子になるな、いい個になれ。』
メガバンクのひとつである三井住友銀行のキャッチコピーは、個の力にフォーカスを当てたユニークな人材を求める強いメッセージが垣間見えます。採用ホームページを開くと「かつては、銀行と呼ばれていた。」というスプラッシュメッセージが挿入された後、採用キャッチコピーと共に、以下のメッセージが表示されます。
前なら絵が綺麗な集団は、つまらない。
足並みのそろった行先は、想像の範囲内。
どんどん手を挙げよう。かつてない道標をつくろう。
個の発想と情熱と行動力こそが、
新しい価値を、次の時代を、切り拓いていくことができる。
人を、経済を、社会を、
金融で支え続ける私たちだからこそ。
前ならえはいらない。
枠にとらわれない挑戦をしよう。
SMBCは、いい子よりも、いい個が好きだ。
エイチーム
『わくわく、本気でいこう。』
名古屋に本社を置くエンタメ企業エイチームは、ドメインのゲーム事業だけでなく、ライフスタイルサポートなど、さまざまな事業を展開しています。同社は採用ホームページ上で「自分が世の中を変える」その喜びを一緒に味わおうというメッセージを発信するとともに、事業を絶対に成功させるという強い信念を持った人材や、物事の本質を捉えられる人材を求めていると明言している点が特徴です。
トゥモローゲート
『ようこそ。ブラックな企業へ』
採用戦略の企画立案や採用コンサルティングなど、幅広い事業を手掛けるトゥモローゲートは、自らをブラック企業と呼ぶ、インパクトのあるキャッチコピーが特徴です。同社のホームページも黒を基調としたデザインが印象的で、世界一変わった「ブラックな企業」を創ることがミッションだと伝え、以下のメッセージを発信しています。
世界一変わった会社で
世界一変わった社員と
世界一変わった仕事を創る
参考:TOMORROWGATE
NTTデータ
『世界を変える、変わらぬ信念。』
日本屈指のSierであるNTTデータのキャッチコピーは、ITで新しい価値を生み出し、世界を変えられる人材を求めるという強い想いが込められています。また、同社は採用ホームページ上で、求める人材要件を以下のように明確に打ち出している点も特徴です。
社会のために自律的に考え、自ら動き周りを巻き込む「考導力」
最新の技術や仕組みに興味を持ち、変化を起こすことを楽しむ「変革力」
多様な仲間と共通の目標を創り成し遂げる「共創力」
そして、それらを突き動かす強い意志と情熱
伊藤忠商事
『アオい情熱を待っている』
大手商社の伊藤忠商事の採用キャッチコピーは、若者特有の青臭い衝動を「アオい情熱」を表現し、未来を本気で変えたい人材を求めるという想いが込められている点が特徴です。同社の採用ホームページ上では、以下のメッセージが添えられています。
この青い地球を動かしていく原動力は、
いつだって人が心に持つアオい情熱です。
あなただけのアオさを、あなただけの熱を、
ありのまま見せてください。
私たちは未来を創るアオい情熱との出会いを待っています。
参考:伊藤忠商事/ITOCHU RECRUTING 2023
本田技研工業
『人との挑戦こそが、Hondaの原動力だ。』
モビリティーの大手本田技研工業の採用キャッチコピーは、ズバリ挑戦する人材を求めるものです。同者のホームページ上でも、以下のメッセージで補足されているように、挑戦する社風であることが全面に押し出されています。
Hondaには幅広いプロダクトがあり、
世界に広がる環境があり、
たくさんの挑戦を後押しする社風がある。
だからと言って、
必ずしも成功が約束されているわけではない。
そこにはたくさんの挑戦や失敗があり、
その先にこそ成長が生まれている。
ワクワクする未来を描き、
挑戦し続けられる人がいる。
参考:本田技研工業/採用情報
求める人材と自社のビジョンにマッチしたキャッチコピーであることが大切
採用キャッチコピーは、新卒の学生と企業のファーストタッチポイントです。そのため、学生の興味をひくインパクトも必要ですが、もっとも重要なのは求める人材と自社のビジョンに合った人材に響くメッセージであることでしょう。
今回紹介した内容や他社の事例なども参考に、ぜひ御社らしい採用キャッチコピーを考えてみてください。
また、貴重な新卒人材は、入社後の育成も非常に重要です。HUB on(ハブ オン)は、就職後の研修・キャリアコンサルタントまでをセットで提供する人材サポートサービスです。
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