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Web会議での「顔出し」強要はパワハラになるの?Web会議の顔出し問題を解決!

近年、リモートワークの普及に伴い、Web会議がビジネスコミュニケーションの主流となっています。
しかし、この新しい働き方には、従業員の「顔出し」を巡る問題も生じています。
この記事では、Web会議における「顔出し」の強要がパワーハラスメントに当たる可能性についてまとめました。

職場でのコミュニケーションを円滑にし、従業員の快適さを保ちつつ、生産性を維持するための実践的な解決策を探しましょう。
リモートワーク環境における新たな課題に直面している方々は参考にしてください。

Web会議での「顔出し」強要はパワハラになるの?

普段の社内会議であれば気にする必要のなかった問題がWeb会議ではスムーズに行かずにストレスを抱えている上司・管理職の方は意外にも多いようです。
Web会議で「顔出し」を強要することはパワハラに該当するのでしょうか。
また、そもそも「顔出し」の何が問題になっているでしょうか。

「顔出し」の何が問題か

在宅勤務が普及した現代において、従業員は自宅での作業に集中することが多くなっています。
このため、突然のWeb会議での顔出し要求は、プライバシーの侵害やストレスの原因となり得るのです。
特に、家庭の事情や個人的な理由でカメラをオフにしている従業員にとっては、このような要求は負担になっていることは考えなくてはいけません。
安全衛生の観点から、定期的な顔出しを推奨する企業もありますが、このような措置は従業員の意見を十分に反映させた上で慎重にルールを作っていくことが大切です。

Web会議時のリモートハラスメントに注意

リモートハラスメントは、リモートワーク中の様々な形態の嫌がらせを指します。
これには、オフィス内で見られる以下のようなハラスメントの総称です。
●パワハラ(パワーハラスメント)
職場などで、上司や同僚が自分の地位や権力を利用して、他の従業員に対して精神的・物理的な圧力や嫌がらせを行うこと。
過度な業務命令、人格の否定、過小評価、社会的に「孤立させる」など。

●セクハラ(セクシュアルハラスメント)
性的な言動によって、相手に不快感や圧迫感を与える行為。
不適切な性的なジョーク、無理なデートの要求、身体的接触、性的なコメントなど。

●モラハラ(モラルハラスメント)
相手を精神的に追い込むような言動を繰り返し行うことで、精神的苦痛を与える行為。
侮辱、軽蔑、無視、脅迫、精神的な支配など。

●マタハラ(マタニティハラスメント)
妊娠、出産、育児といった事由に関連して、職場で女性従業員に対して行われる差別や嫌がらせ。
妊娠や出産を理由にした不当な扱い、キャリアアップの阻害、解雇や退職の圧力など。

Web会議における顔出しの強要は、従業員に不必要なストレスを与える可能性があり、リモートハラスメントの一形態となることが懸念されています。

「顔出し」を求めること自体はパワハラにならない

Web会議における顔出し要求自体はハラスメントとは見なされませんが、その運用方法によってはハラスメントに発展する恐れがあります。
顔出しを求める際には、従業員のプライバシーや個人的な事情を尊重する必要があります。例えば、ノートパソコンの画面角度の調整や背景画像の変更を容易にすることで、従業員がプライベート空間を保護できるよう配慮することが重要です。

また、企業はWeb会議のルールを明確に設定することが重要です。
例えば、会議開始時や発言時のみ顔出しを求める、1対1の会議ではカメラのオン/オフを任意にするなど、状況に応じた柔軟なルール設定もよいでしょう。

Web会議時の「顔出し」強要がパワハラになるケース

Web会議時の「顔出し」を求めることはパワハラに該当しませんが、以下のようなケースの場合には、パワハラ(リモハラ)に該当する場合もあります。
過度な運用には注意をした方がいいでしょう。

「顔出し」をしていない従業員のWeb会議への参加を拒否する

顔を出さないという理由だけで従業員を会議のメンバーから外し、重要な情報共有や意思決定の場から排除することは、その従業員に対する不当な扱いと見なされます。

さらに、「顔を出したくないなら会議に出席しなくても良い」というような発言も、従業員の職務遂行能力や社内での立場を脅かすものであり、精神的な圧力となるので注意が必要です。

「顔出し」以外にも、背景設定の許可もしない

Web会議における背景設定は、従業員のプライバシーを保護する上で重要な役割を果たします。
従業員が自宅やプライベートな環境から参加する場合、背景設定を用いることで自分のプライベート空間を隠すことができます。
この背景設定を無条件に禁止することは、従業員のプライバシー権を侵害し、不必要なストレスを与えるかもしれません。

特に、背景設定を禁止する理由が合理的でない場合、例えば個人の趣味が色濃く表れた背景や不適切なイメージを使用しているわけではないにもかかわらず、その使用を全面的に禁止する場合、背景設定を禁止することはパワハラに該当する可能性があります。

「顔出し」をしない従業員への暴言

顔出しをしない従業員に対する暴言もリモハラと捉えられます。
「顔も出さないなんて不真面目だ」といった非難
「だから君はチームに貢献できない」といった侮辱的な発言

これらは、リモハラに該当します。
特に、上司が部下に対してこのような発言を行う場合、その影響はさらに大きくなります。言われた側が反論しにくい立場にあるため、上司の権力を乱用した精神的圧力と見なされることがあるでしょう。

Web会議の顔出しの問題に限らず、上司から部下への暴言はハラスメントとしての認知度も高くなっているので、常に注意が必要です。

業務と関係のない話で「顔出し」を強要する

業務に直接関係のない私的な話題で従業員にカメラをオンにするよう強要する行為は、パワハラに該当する可能性があります。
一対一の非公式な会話や、オンライン飲み会などの社交的なイベントで、カメラの使用を必須とすることは、従業員のプライバシーに対する侵害となり得ます。
特に、このような要求が上司から来る場合、従業員は断りにくく、強制されていると感じる可能性が高まるでしょう。

また、対面での会話が問題ない場合でも、オンライン上でのやりとりでは誤解を招くことがあり、従業員にとっては不快やストレスの原因にもなりえます。

プライベートに踏み込む

「顔出し」の要求とは少し異なりますが、要求しておきながら、相手のプライベートのことについて話題に取り上げるのもNGです。
「顔出し」の要求はあくまでも業務上必要であるから依頼したのであって、相手のプライベートに入り込むためのものではありません。
上司としての立場から「顔出し」を要求したにも関わらず、業務以外のことに利用されたと見なされば、これはリモハラに該当するでしょう。

「顔出し」へ疑問を呈した部下に適切な説明をしない

Web会議における「顔出し」要求について疑問を持つ従業員は、その要求の理由を理解したいと考えています。
このような場合、「仕事だから当たり前」といった一般的な回答は不十分です。
適切な説明とは、なぜ顔出しが必要なのか、その背景や目的を明確にすることです。

●コミュニケーションの効率化
●相互理解の促進
●突然の会議への準備
など、具体的な理由を示すことが重要です。
少し考えれば当然のように思われる理由であったとしても、言葉で部下に伝えてあげることに意味があります。

単に「従え」と指示するだけでは、その要求が業務上の合理性を欠いているとみなされる恐れがあり、従業員は自分の意見や疑問を無視されたと感じ、不快感を抱く可能性があるのです。
このような状況は、パワハラと見なされる可能性が高く、職場の信頼関係やコミュニケーションの質に悪影響を及ぼす可能性があります。

Web会議の顔出し要求に関して従業員から疑問の声が出たときには、具体的かつ理解しやすい説明をすることが大切です。

Web会議時の「顔出し」要求についてパワハラにならないケース

Web会議の「顔出し」を強要はともかく、要求することもリスクが高いと思われるかもしれませんが、以下のようなケースであれば、Web会議での「顔出し」の要求もパワハラには該当しないという見解が多いです。

Web会議時に取引先がかかわってくる場合

取引先とのWeb会議では、顔出しをすることが重要です。
これは、相手方と良好な関係を築くためや、信頼感を持ってもらうために役立ちます。
このような場合において、会社から従業員に対し、きちんとした服装で顔出しをするよう求めることは、ビジネスの世界では普通のこと。
重要な商談やプロジェクトの打ち合わせなどで、相手の印象に影響を与える場合、顔出しの要求は業務の一環とみなされることが多く、リモハラに該当することはありません。

一方で、内部の作業や同僚とのカジュアルな会議では、服装や顔出しについてもっとゆるやかなルールで対応できるでしょう。
大切なのは、顔出しの要求が会議の性質や参加者に合わせて適切になされているかどうかです。

従業員に明らかな問題がある場合の指導や指摘

Web会議では、従業員が自宅から参加するため、カジュアルな服装を選ぶこともあります。しかし、極端にラフな服装や乱れた髪型のように、通常のビジネス環境で受け入れられない外見で会議に参加することは、企業のイメージに影響を与える可能性があります。
このような場合、適切な「身だしなみ」を求める上司の指摘は、パワハラとは見なされません。

社員がパジャマ姿や整っていない髪型でWeb会議に出席することは、一般的なビジネスマナーや職場の規範にそぐわない行為。
また、自宅で仕事をする場合であっても、最初の朝礼や紙業ミーティングにスケジュールを確認するために「顔出し」を要求することも適度な範囲での「顔出し」の要求とみなされることが多いでしょう。

重要なのは、指導が公平かつ尊重をもって行われることです。
従業員の状況や感情を考慮し、適切なフィードバックを提供することで、職場の信頼関係を維持し、全員が快適に業務を遂行できる環境を作り出すことができます。

ただし、指導する場合であっても、オンライン上で全員が指導内容を共有できてしまう状況下での指導は控えたほうが無難かもしれません。
個別に指導する場合には、TPOを考えることも重要です。

Web会議での「顔出し」依頼は基本OK

Web会議で「顔出し」を要求する場合には少しハードルが高いと感じたかもしれませんが、正当な理由があれば要求しても全く問題ありません。
勤務時間内において、従業員は会社の指揮命令下にいますので、ビジネス上の合理的理由があればWeb会議での「顔出し」要求は普通です。

Web会議時のルールを作るときの注意点

Web会議時のルールを作るときには、
●必要以上に「顔出し」を要求する会議を多く設定しない
●「顔出し」が必要な理由を従業員に共有しておく
ことを軸にルールを作るといいでしょう。

必要以上に「顔出し」を要求する会議を多く設定しない

Web会議において、顔出しはコミュニケーションを強化する手段ですが、すべての会議でこれを必須とするのは避けるべきです。
特に、日常のルーチン業務や簡単な連絡事項の伝達など、内容によってはカメラをオンにする必要がない場合があります。
従業員がWeb会議ツールの使用をストレスと感じないようにするために、カメラの使用を会議の性質に応じて柔軟に決めることが重要です。

例えば、「全員参加の重要会議のみ顔出しを要求する」といったルールを設定することで、従業員は必要な時のみカメラをオンにする準備をします。
これにより、プライバシーへの配慮と業務の効率性を両立させることが可能になります。また、従業員が自宅での作業環境や個人的な状況に応じて柔軟に対応できるようにすることも、リモートワークのストレスを軽減する上で重要です。

「顔出し」が重要な理由を共有する

Web会議における「顔出し」は、単なる形式ではありません。
これには、コミュニケーションを円滑にし、信頼を築くという重要な役割があります。
顔の表情やジェスチャーは、言葉だけでは伝わらない情報を伝え、相互理解を深めるのに役立ちます。
また、顔を見せることによって、会議参加者の関与と集中を促進し、より効果的な議論が可能になります。

このような「顔出し」の重要性を共有する際には、その目的や利点を明確に伝えることが重要です。
従業員が「顔出し」の背景を理解し、その価値を認識することで、より積極的かつ快適に会議に参加することが期待できるでしょう。

Web会議時の「顔出し」ルールを作るメリット

Web会議時の「顔出し」ルールを作っておくと、様々なメリットがあります。

部下・従業員から余計なハラスメント疑惑をもたれない

Web会議での「顔出し」ルールを明確にすることは、ハラスメントの誤解を避ける上で非常に有効です。
曖昧なルールや一貫性のない要求は、従業員にとって不安や疑念を引き起こすことがあります。
例えば、特定の従業員にのみ顔出しを要求するような状況は、不公平感やハラスメントの疑いを生じさせる原因になり得ます。

明確な「顔出し」ルールを設定し、それを全従業員に平等に適用することで、上司と部下の間の透明性が保たれます。
ルールが明確であれば、従業員は不必要な心配をせずに仕事に集中でき、ハラスメントの疑いも生じにくくなるのです。
万が一ハラスメントの疑いが生じた際にも、その根拠を確認しやすくすることにも役立ちます。
ルールが公平かつ合理的であることを示すことができるため、誤解を解消しやすくなるでしょう。

情報が得られやすくなり、会議がスムーズに進む

Web会議で顔を出すことには、重要なコミュニケーション上のメリットがあります。
参加者の表情やリアクションを直接見ることができるため、お互いの意識や感情をより正確に理解し合うことが可能になります。
これにより、会議の内容や方向性を迅速に共有し、誤解を避けることができるのです。

特に、顔の表情は非言語的なコミュニケーションの一部であり、話し合いの中で大きな役割を果たします。
会議中に表情を見ることで、他人の考えや感情を読み取りやすくなり、場の雰囲気に合った適切な発言や判断がしやすくなります。
これは、特に意見の相違がある場合や、複雑な議題を扱う際に非常に有効です。

音声のみの会議では、こうした重要な非言語的情報が失われ、誤解が生じやすくなります。このため、会議の効率が落ち、目的を達成するのに時間がかかることがあります。

まとめ:職務上の合理性があれば「顔出し」の依頼はOK

「顔出し」の「強要」と聞くと、パワハラの雰囲気を感じさせますが、職務上の合理的な理由があれば、従業員に対して「顔出し」を要求することはパワハラ・リモハラの類には該当しません。

従業員に適切な配慮をしつつも、必要に応じてWeb会議では「顔出し」を依頼するなど、使い分けができていると思えば、過度に心配する必要はないでしょう。

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