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中小企業には研修がない?企業間の人材育成格差が問題に

中小企業における研修制度の不足が、大企業との間で深刻な人材育成格差を生んでいます。本記事では、この問題の現状と原因を掘り下げ、効果的な研修の実施が困難な理由を分析します。

また、中小企業が直面するこの課題に対処するための具体的な解決策や、成功事例を紹介し、すべての企業が持続可能な成長を遂げるために必要な人材育成の重要性にも触れていきます。
人材は企業の最も貴重な資源であるため、その開発と育成は経営戦略の中心に位置づけるべきかもしれません。

大手企業と中小企業の研修の違い

大手企業は、従業員のスキル向上とキャリア発展を目的として、研修に多額の投資を行います。
これに対し、中小企業は資源の制約の中で最大限の効果を目指し、実践的な学びや地域社会との連携に焦点を当てた研修を実施することが一般的。
どちらのアプローチも、それぞれの企業の規模と戦略に基づいて最適化されており、効率的な人材育成に貢献しています。

項目 大手企業 中小企業
費用 高額(広範囲な研修プログラムに対する投資) 低額(予算の制限により選択的な投資)
研修期間 長期(数週間から数ヶ月) 短期(数日から数週間)
研修の種類 専門的なスキル研修、リーダーシップ育成、海外研修など多岐に渡る オンザジョブトレーニング、地域のセミナー参加など具体的な研修が中心
利用可能なリソース 専任の研修スタッフ、最新の研修設備、オンライン学習プラットフォーム 外部研修機関との提携、社内での知識共有セッション

中小企業では約4割が人材研修を行っていない!?

PRTIMESで取り上げられていた株式会社エフェクトの調査結果に、人的資本経営を重視している中小企業がおよそ85%あるにも関わらず、およそ8割が満足できる研修を実施できていないという実態が明らかになりました。
ここでは、今回の調査結果を引用し、中小企業の研修の実態がどうなっているのかを紹介します。

人的資本の重要性は理解している

1006人を調査対象とした今回のアンケートでは、「人的資本経営の展開について、どの程度重視していますか?」という質問に対して、
とても重視していると回答した人が47.3%
やや重視していると回答した人が36.8%
と、およそ85%の人たちが人的資本経営を重視していると考えていることが分かります。

(出典:株式会社エフェクト 調査概要:「人的資本経営の実態と課題感」に関する実態調査より引用)

約4割は研修を行っていないという事実

人的資本経営を重要と考えている一方で、実際には研修として「何も行っていない」と回答した人たちは4割を超えます。
つまり、実態としては、研修が重要であると分かってはいるものの、具体的に研修という段階までは行えていないようです。

(出典:株式会社エフェクト 調査概要:「人的資本経営の実態と課題感」に関する実態調査より引用)

研修を実施しないのは人材育成の効果が問題?

「教育や研修の効果はどのくらいありますか?」という質問に対して、
「効果が出ていない」
「自分の仕事に応用させることが難しい」
「その場の効果はあるが持続しない」
という3種類の回答で80%を超えます。

成果が出ていない理由や原因についても把握できていないとの回答が大多数。
研修は成果が出ると明確に分かっていれば優先順位を高くして取り組むも、そうでないのであれば研修の優先順位を上げる必要はないと考えている傾向がうかがえます。
実際に、研修を実施するためには、数々の障壁(予算や時間など)があり、効果が出るかわからないものに資源を使うということは難しいのかもしれません。

(出典:株式会社エフェクト 調査概要:「人的資本経営の実態と課題感」に関する実態調査より引用)

中小企業が研修を実施できない理由

中小企業が研修を実施できていない理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、中小企業で研修が実施できていないよくある理由についてまとめました。

人手不足で研修担当者を用意できない

多くの中小企業が直面する大きな課題の一つが、人手不足です。
特に、研修プログラムの計画から実施までを一手に引き受ける研修担当者の確保は難しい状況にあります。
この背景には、限られた人員で日々の業務を回すことに追われ、新たな人材を研修するための余裕がないことが挙げられます。
また、研修担当者には専門的な知識やスキルが求められるため、適任者を見つけること自体が一層の課題となっています。
このような状況は、研修の質の低下や実施機会の減少を招き、結果的に企業の成長や競争力の低下につながる恐れがあります。
中小企業がこの問題にどう対応するかは、その持続可能な成長にとって重要な鍵となるでしょう。

研修予算がない

中小企業では、資金繰りの難しさから、従業員のスキルアップやキャリア開発に必要な研修プログラムへの投資が後回しになりがちです。
特に外部で実施される質の高い研修プログラムには、相応のコストがかかります。その結果、多くの中小企業は、研修に充てる予算の確保に苦労しています。
自社で研修施設を持つことができればコストを抑えられますが、それが現実的でない場合も多く、結果として従業員の成長機会が限られることになります。

このような予算の制約は、企業の長期的な成長潜能や競争力の維持にも影響を及ぼすため、中小企業が資源の配分を見直し、研修への投資を最適化することが急務となっています。

研修や育成の体制が構築されていない

多くの中小企業では、従業員の研修や育成に関する体制が整っていないことが、効果的な人材開発の大きな障壁となっています。
具体的には、人材育成に必要な専門的な知識や技術を持つ人材が不足していることが問題です。
このような状況では、研修プログラムの企画や運営が困難になり、従業員の能力開発やキャリアアップの支援が十分に行えません。

また、研修内容を決定する際に必要な市場のニーズや最新の業界トレンドについての情報が不足していることもあり、提供される研修が従業員の実務に即していない場合があります。
これらの問題を解決するためには、中小企業でも研修や育成に関する体制をしっかりと構築し、適切なリソース配分を行うことが重要です。

研修の優先度が低い

中小企業においては、緊急性の高い業務や即効性を求められるプロジェクトが多く、研修や人材育成が後回しにされがちです。
この背景には、研修の成果が短期間で現れにくいという事実があり、経営者は直接的な収益向上に貢献する活動にリソースを集中させる傾向があります。
さらに、人材育成の効果を測定する具体的な指標やスキルが企業内に不足していることも、この問題を複雑化しています。

研修プログラムに対する低い優先度は、長期的な視点で見ると企業の成長機会を逃す原因にもなりかねません。
従業員のスキル向上は、企業の競争力を高め、市場の変化に柔軟に対応するための重要な投資であると認識し、研修への優先度を高めることが求められます。

同じ階層の人材が少ない

中小企業においては、新入社員や同じ経験年数の従業員が少ないことが、研修実施における障壁の一つとなっています。
大手企業では、新卒採用で多くの社員が入社するため、同期間の競争や切磋琢磨が自然と生まれ、研修の動機付けや学習意欲の向上に寄与します。

しかし、中小企業では採用数が限られているため、このような相乗効果を得ることが難しくなります。
同じ階層の人材が少ないことで、従業員同士の情報交換や経験の共有が限定的になり、学びの機会が減少する可能性があります。
この状況は、従業員のスキル向上やキャリア発展に影響を及ぼし、結果として企業の成長にもブレーキをかけることになります。
中小企業がこの課題に対処するには、効率的で質の高い研修の提供や、異なる階層間での交流機会を設けるなどの戦略が必要です。

研修が実施できていない企業が抱えるリスク

研修が実施できていない企業は慢性的なリスクを抱えることになるかもしれません。
研修が恒常的に実施できていない場合、ここで紹介するようなリスクを抱えているということを知っておくことも重要です。

従業員のモチベーションが慢性的に低下する

企業が研修を実施しないことで直面する一つの大きなリスクは、従業員のモチベーションの慢性的な低下です。
研修や育成プログラムは、従業員が自身のスキルを向上させる機会を提供し、キャリア成長を実感できる重要な手段です。

この機会が提供されない場合、従業員は自身の価値や能力の成長を感じることが難しくなり、仕事に対する熱意や満足感が減少します。
結果として、業務の質の低下、生産性の低下、さらには高い離職率につながる恐れがあります。
企業が従業員のモチベーションを維持し、組織全体のパフォーマンスを高めるためには、定期的な研修や育成プログラムの実施が不可欠。
研修を通じて、従業員は新たなスキルを習得し、仕事に対する意欲を保つことができます。

特定の人に仕事が割り当てられなくなる

研修の不足は企業にとって多くのリスクをもたらしますが、その中でも深刻なのが、特定の従業員だけに業務が集中する状況です。
継続的なスキルアップの機会が提供されない環境では、全従業員の能力向上が停滞し、特定のスキルセットや専門知識を持つ少数の人材に依存する傾向が強まります。
これにより、その人材が欠けた場合の業務の停滞、プロジェクトの遅延、さらには顧客満足度の低下といったリスクが高まってしまうのです。

また、一部の従業員に過度な負担がかかることで、彼らのワークライフバランスが崩れ、ストレスや燃え尽き症候群に陥る可能性もあります。
企業が継続的な成長と競争力を維持するためには、従業員全員のスキルと能力を均等に向上させることが重要。
これを実現するためには、研修プログラムの充実が不可欠です。

コミュニケーションがなく、雰囲気が悪くなる

研修プログラムは、従業員がチームワークを育む場としての役割も果たし、異なる部署や職種の人々が一堂に会し、相互理解を深める機会を提供します。
これが不足すると、部門間の情報共有がスムーズに行われず、相互の理解不足や誤解が増えてしまい、結果として職場全体のコミュニケーションの質が低下する恐れも。

コミュニケーションが不足すると、チーム内の協力が得られにくくなり、問題解決のためのアイデアや情報の共有が阻害されるため、プロジェクトの進行にも悪影響を及ぼします。さらに、従業員間の信頼関係の構築が困難になり、職場の雰囲気が悪化することで、組織全体の士気や生産性にも悪影響を及ぼす可能性があります。
研修を通じて、効果的なコミュニケーションの技術を学び、チームワークを強化することは、健全な職場環境の維持に不可欠です。

よい人材を集められない

研修プログラムが不足している企業は、優秀な人材の獲得にも大きな障害に直面するかもしれません。
現代の労働市場では、特に能力開発とキャリアアップの機会を重視する傾向にあり、研修や教育プログラムへのアクセスは、求職者が求める重要な要素の一つです。

企業がこれらの機会を提供できない場合、競争力のある人材市場で自社を魅力的な働き先として位置づけることが難しくなります。
この結果、高いスキルや能力を持った人材が他の機会を選択し、企業は必要な才能を引きつけることができなくなります。
長期的には、この状況は企業のイノベーション能力や市場での競争力の低下を招き、成長の機会を逃す原因となり得るでしょう。

従業員の定着率が低くなる

研修と教育機会の不足は、従業員の定着率低下に直結します。
現代の労働者は、単に給与の良さだけでなく、成長と発展のチャンスを重視して職場を選びます。
企業が継続的な学習機会やキャリアアップのパスを提供しない場合、従業員は自分の能力を十分に活かせないと感じ、より良い機会を求めて退職を選択する可能性が高まります。

このような環境は、特に野心的で才能のある従業員の間で不満を引き起こしやすく、結果的に企業の知識と経験が流出し、新たな人材を定期的に採用し育成するコストが増加します。
さらに、高い離職率は職場の士気にも悪影響を及ぼし、残留する従業員の生産性にも影響を与える可能性があるのです。

中小企業が研修を実施するときの工夫点

研修の時間、研修にかかるコストや研修担当者など、クリアにすべき課題も多いですが、これらの課題は工夫によって乗り越えることができるものも含まれています。
「研修を実施したいけどできていない」という場合には、以下の可能性も探ってみるといいかもしれません。

管理職を先に研修・教育する

中小企業における研修プログラムの成功には、管理職の役割が不可欠。
効果的な人材育成のためには、まず管理職がリーダーシップ、コミュニケーションスキル、そして教育の方法論について学ぶことが重要です。
管理職がこれらのスキルを身につけることで、チーム内での教育や指導がより効果的になり、組織全体の成長を促進できます。

また、管理職が研修を受けることにより、彼らは研修の価値を理解し、自身のチームにその重要性を伝えることができるようになります。
これは、教育文化の醸成と従業員のモチベーション向上に直結します。
管理職が教育の先頭に立つことで、学びや成長を企業文化の一部とする意識が高まり、従業員のスキルアップと個人のキャリア発展を実現する土壌が築かれるのです。
中小企業では、このように管理職から研修を開始することが、コスト効率の良いかつ実効性の高い人材育成戦略の鍵となるでしょう。

マニュアル化・動画を考える

中小企業が研修を効率的に、かつ効果的に行うためには、マニュアル化と動画コンテンツの活用が非常に有効。
研修マニュアルと教育動画は、限られたリソースの中で最大の効果を得るための戦略的な手段となり得ます。
これらを用いることで、教育担当者が直接指導しなくても、従業員自身が自主的に学習を進めることが可能になります。

特に動画コンテンツは、視覚的に情報を伝えることができるため、理解が深まりやすく、記憶に残りやすいというメリットがあります。
また、作業手順や接客マナー、製品知識など、具体的なシーンを示しながら教えることができるため、実務に即したスキルが身につきやすくなります。
マニュアルや動画の作成にあたっては、業務の流れを明確に示すこと、従業員が直面する可能性のある問題に対する対処法を盛り込むことが重要です。
こうした教材を作成し、適切に活用することで、中小企業でも質の高い研修が実現でき、従業員のスキルアップとモチベーション向上につながるでしょう。

OJTを中心に実施する

時間とリソースが限られている中小企業において、実務中の訓練(OJT: On-the-Job Training)を研修の中心に据えることは、非常に効果的な戦略です。
日常業務を通じて即戦力を育成するこの方法は、特に忙しい中小企業にとって、時間を有効活用する上で重要です。

OJTは、新入社員だけでなく、経験豊富な従業員にも新しい技術や知識を習得する機会を提供し、チーム全体のスキルレベルを底上げします。
また、実際の業務環境で学ぶことで、理論だけでなく実践的な知識が身に付き、仕事への理解も深まります。
中小企業がOJTを最大限に活用するためには、メンターや上司が適切な指導を行うことが重要です。
効率的なフィードバックシステムの構築も、学習効果を高めるために欠かせません。
このように、日々の業務を積極的に学習の場として捉えることで、中小企業は限られたリソースの中でも従業員の成長を促し、組織全体の競争力を高めることができるでしょう。

外部講師やオンライン研修を活用する

中小企業にとって、外部講師の招聘やオンライン研修の活用は、特に時間が限られている場合に効果的な研修手段。
これらの方法は、企業内での研修担当者を確保することなく、従業員に質の高い学習機会を提供できるため、リソースが限られている中小企業に最適な解決策となります。
外部講師による研修は、専門的な知識や最新の業界トレンドを直接学べる機会を提供し、従業員のスキルセットの向上に直結します。
一方、オンライン研修も、場所を選ばずにアクセス可能であり、従業員が自身のスケジュールに合わせて学習を進めることができるため、時間の制約が大きい中小企業にとっては特に有効です。

さらに、オンラインプラットフォームを利用することで、コストを大幅に削減しながらも、幅広いトピックにわたる研修を実施することが可能になります。
これにより、中小企業は効率的に従業員の能力開発を進めることができ、組織全体の競争力強化に貢献します。

公的機関の研修を活用する

中小企業にとって、公的機関が提供する研修プログラムの活用は、研修の質を確保しつつコストを抑える有効な手段です。
商工会議所や地方自治体が運営する中小企業支援機関などは、多種多様な研修コースを提供しており、これらはしばしば低コストまたは無償で利用可能です。

これらの研修は、ビジネスマナーや社会人としての基礎力、コミュニケーションスキルの向上など、新入社員にとって必要なスキルを網羅しています。
また、最新の業界トレンドや技術に関する情報提供も行われることがあり、従業員の知識を最新の状態に保つのに役立ちます。
研修を自社で企画し実施するリソースが限られている中小企業にとって、これらの公的機関からの支援を受けることは、教育・育成コストの削減に加え、従業員のスキルアップとモチベーション向上に大きく貢献します。
地域の公的機関に問い合わせ、利用可能な研修プログラムについて情報を集めることは、中小企業にとって非常に価値の高い行動と言えるでしょう。

助成金・補助金を利用する

人材育成のための研修を実施する際、政府や地方自治体が提供する助成金や補助金の活用は、経済的負担を大きく軽減する効果的な手段です。
これらの支援制度は、質の高い研修の実施を促進し、従業員のスキルアップやキャリア開発を支援することを目的としています。
例えば、「人材開発支援助成金」や「キャリアアップ助成金」などは、具体的な研修プログラムや資格取得支援に対して、経費の一部または全額を補助するものです。

これらの制度を利用することで、中小企業は研修コストの圧縮だけでなく、企業としての競争力強化にもつながります。
しかし、助成金や補助金の申請には、金額や対象条件、申請期限など、各種要件の確認と準備が必要です。
適用条件を満たす研修プログラムの選定や、申請プロセスにおける正確な書類作成が成功の鍵を握ります。
中小企業がこれらの支援を最大限活用するためには、制度の詳細を理解し、計画的に申請手続きを進めることが重要です。

助成金や補助金の申請代行業者を選ぶ時のポイントについては以下の記事も参考にしてください。
「助成金・補助金の申請代行はどこに依頼する?必要な資格や代行依頼先の判断基準」

中小企業が研修実施よって得られるメリット

研修の実施には数々の障壁があるかもしれませんが、メリットを考えるとやはり研修実施は重要と言えるでしょう。
中小企業が研修を継続的に実施していくことには、以下のようなメリットがあります。

離職率の低下・定着率の向上

研修プログラムの充実は、中小企業における従業員の定着率向上と離職率の低下が期待できます。
自分が成長し、価値を提供できると感じる環境は、職場への満足度を高め、企業への忠誠心を育むでしょう。
入社初期から継続的な学習と成長の機会を提供することは、従業員が自己実現を感じることにつながり、その結果、仕事への意欲と業務への適応速度が向上します。
これは、新入社員が「期待されている」と感じ、自分の役割に対して自信を持つことにもつながります。

さらに、キャリアアップや専門スキルの向上に対する支援は、従業員が長期的なキャリアを自社内で築けると感じさせるためにも重要なこと。
これにより、従業員はより満足し、企業への忠誠度が高まることで、結果的に離職率が低下し、定着率が向上します。
中小企業が研修に投資することは、単なるコストではなく、従業員のエンゲージメントと企業の持続可能な成長に対する投資と捉えるといいかもしれません。

従業員のモチベーション向上

従業員が自分の成長を実感できる環境は、仕事への満足度を高め、チーム全体の士気を向上させる効果があります。
その結果、従業員はより一層、自分の業務に対して積極的に取り組むようになり、企業全体の生産性の向上に貢献します。
中小企業において、研修は従業員のモチベーションを高めるための重要なツールであり、長期的な企業成長に欠かせない投資であるといえるでしょう。

顧客満足度の向上

研修実施は、直接的に顧客満足度の向上に寄与します。
人材育成を通じて従業員の業務品質が向上し、これが質の高いサービスの提供へと結びつくためです。
特に、マナーや顧客対応スキルの研修は、顧客との接点である従業員が適切な対応を行えるようにすることで、顧客体験を大きく改善するでしょう。
従業員が顧客のニーズを正確に理解し、それに応える能力を持つことは、顧客の信頼を勝ち取り、リピート率を高める重要な要素。

加えて、研修を受けた従業員からの迅速かつ質の高いサービス提供は、顧客からの好評価に直結し、口コミやソーシャルメディアを通じてのポジティブなフィードバックが企業のブランド価値を高めることにもつながります。
結果として、顧客満足度は自然と向上し、中小企業の競争力強化に貢献します。
研修の投資は単に内部の人材育成に留まらず、外向きの顧客満足という形で、企業に多大なリターンをもたらすことになります。

生産性の向上

人材育成を通じて従業員のスキルセットを強化することは、業務効率の向上及び作業品質の高まりにつながります。
特に、新しい技術や方法論の導入、効率的な作業プロセスの理解、チームワークの促進など、研修を通じて得られる知識と技能は、業務の遂行速度と品質を同時に高めることが可能です。

従業員が高いスキルと効率的な作業方法を身に付けることで、同じ時間内により多くの作業を高品質で完成させることができるようになります。
限られた人材リソースでも企業全体の生産性を大幅に向上させることができるでしょう。生産性の向上は、コスト削減、納期短縮、顧客満足度の向上にも寄与し、結果的に企業の競争力強化にも期待できます。
中小企業が研修によって生産性を高めることは、経済的な制約の中でも持続可能な成長を実現する鍵なのです。

即戦力を求める採用からシフトできる

中小企業が体系的な教育制度を整え、徹底した人材育成を行うことにより、即戦力のみを求める採用方針からの転換が可能になります。これにより、業界未経験者や職種未経験者でも積極的に採用し、企業内で成長させることができるようになります。このアプローチは、採用の幅を大きく広げ、多様なバックグラウンドを持つ人材の獲得を可能にします。特に、中小企業にとって、採用市場での競争は厳しく、求人に対する応募者の母集団形成が困難な場合が多いため、この戦略は大きなメリットをもたらします。

まとめ:中小企業の人的資本経営は研修から

中小企業が直面する様々な課題を解決し、持続可能な成長を遂げるためには、人的資本の経営が鍵を握ります。
従業員のスキルアップ、モチベーションの向上、生産性の増加など、企業にとって必要不可欠な要素は、すべて「研修」から始まります。

本記事では、研修実施によって得られるメリット、如何にして中小企業がこれらの研修を工夫し実施していくべきか、そして公的機関や助成金・補助金の活用について解説しました。
これらの情報を活用することで、中小企業は従業員の定着率向上、顧客満足度の向上、そして最終的には生産性の向上へとつなげることができるでしょう。

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