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入社手続きをWebで効率化するメリットは?Web効率化の注意点も解説

本記事では、入社手続きのWeb効率化によって企業にもたらされる様々なメリットと、その際に留意すべきポイントについて詳しく解説します。
デジタル化の波がビジネスのあらゆる面に影響を及ぼす中、入社手続きのプロセスをオンライン化することで、時間とコストの削減、さらには新入社員と人事部門の双方にとっての利便性の向上が期待できます。
しかし、この移行にはいくつかの注意点があります。
本記事を通じて、Web化における効果的なアプローチと、避けるべき落とし穴をご紹介いたしますので、参考にしてください。

Webでの入社手続きが推進されている背景

Webによる入社手続きの推進が進む背景には、環境問題への対応と労働効率化の必要性があります。
政府は地球温暖化防止を目的に、紙資源の節約とペーパーレス化を企業に促しています。これは、環境保全に寄与するだけでなく、業務の効率化にもつながる重要なステップです。

さらに、労働人口の減少が進む中、企業はより少ない人員で効率的に業務を遂行する必要が生じています。
こうした状況の中、Webでの手続きは、時間とコストの削減だけでなく、業務の効率化も実現します。
e-文書法や電子帳簿保存法のような法令により、デジタルドキュメントの正式な扱いも法的に認められており、これらを活用した業務プロセスを改善している企業も増えています。

政府もこの流れを支援し、社会保険の電子申請など、様々な行政手続きをデジタル化しています。
企業はいつでも手続きが可能となり、業務の柔軟性が向上しています。
将来的に電子申請がさらに広がることが予想されるため、今のうちから入社手続きを含めた業務のデジタル化に対応しておくことが、企業にとって賢明な選択と言えるでしょう。

入社手続きを紙の書類で行うと生じる問題点

従来のように、入社手続きを紙の書類で行っている企業もありますが、紙の書類で業務を進めていくことで生じる問題点は多くあります。
紙の書類で手続きを行うことで生じる問題点について見ていきましょう。

書類の保管スペースが必要

紙の書類による入社手続きには、保管スペースの必要性という大きな課題があります。
特に、雇用契約書を含む労働関連文書は法的に最低5年間保管することが義務付けられており、これが企業にとって負担になるでしょう。
社内での保管場所の確保は、特に従業員数が多い企業では、より顕著な問題に。
それぞれの従業員に関連する文書を保管するには、十分なスペースが必要となり、これがオフィスの限られたスペースを圧迫する要因となります。

(記録の保存)
第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。

書類作成・訂正に手間がかかる

入社手続きにおける紙の書類作成は、多くの手間と時間を要します。
例えば、雇用契約書や社会保険関連書類など、従業員一人一人に対して複数の書類を準備し、それらに必要な情報を何度も記入する必要があります。特に、生年月日や住所など、同じ情報の繰り返し入力は効率性を大幅に下げる要因です。

書類紛失・劣化や情報漏洩リスクがある

紙の書類を物理的に保管することには、文書の劣化や紛失のリスクも伴います。
これらの書類は、時間の経過とともに色あせたり、破損したりする可能性があり、慎重な管理が必要です。
さらに、大量の書類を保管することは、オフィスの環境美化にも影響を及ぼし、働く環境の質を低下させる恐れもあります。
これらの書類は従業員に直接記入してもらう必要がある場合が多く、これには書類の郵送や返送の手間が伴います。

書類に誤りがあった場合、修正や再提出を求める必要が生じ、これが追加の時間と労力もかかり、人事担当者の仕事が進まないことも珍しくありません。
また、書類作成の際には記入欄が狭い、フォーマットが複雑などの問題もあり、ストレスの原因となりがちです。

このように、紙の書類による入社手続きは、時間的なロスや作業の煩雑さを招き、企業の効率化に大きな障害となります。

社会保険の電子申請義務に触れるケースがある

社会保険関連の手続きにおいては、2020年4月以降、特定の企業においては電子申請が義務化されています。
具体的には、
●資本金が1億円を超える法人
●相互会社
●投資法人
●特定目的会社
などがこの義務の対象となります。

これらの企業は、従業員の健康保険や厚生年金保険に関する「被保険者報酬月額算定基礎届」や、雇用保険における「被保険者資格取得届」などを電子申請する必要があります。紙の書類での申請は原則として認められていないため、これらの企業は手続きの電子化に適応する必要があります。

このような法的要件に対応するためにも、企業は入社手続きのデジタル化を検討する必要が出てくるでしょう。
紙の書類を利用している企業は、このような法的変更に迅速に対応するためにも、システムのアップデートやデジタル化の取り組みを進めることが重要です。

詳しくは以下のリーフレットを参照してください。
(管理課、雇用保険課修正案) 【別添2】リーフレット

スピードが必要な手続き(社会保険など)への対応が難しい

法人や常時従業員が5人以上の個人事業所では、新たに採用した従業員に関して社会保険の加入手続きを行う必要があります。
健康保険や厚生年金保険の被保険者資格取得届を日本年金機構に提出しなくてはなりません。

重要なのは、この手続きの期限が雇用の日からわずか5日以内であることです。
紙の書類で手続きを行う場合、書類の準備、記入、提出までの一連の流れが時間を要し、期限内に間に合わせることが難しくなることがあります。
加えて、書類の郵送や直接の提出が必要な場合、さらなる時間がかかります。

このように、スピードが求められる社会保険の手続きにおいて、紙の書類では迅速な対応は負担です。
Web上で流動的に処理できる仕組みがあったほうが、時間的にも安心できるかもしれません。

ワークフローの管理が大変

入社手続きを紙の書類で行うと、ワークフローの管理が複雑かつ煩雑になるという問題が生じます。

役所関係の手続きでは、社会保険と労働保険で異なる管轄が存在し、それぞれの書類フォームや提出先も異なります。
社内での手続きにおいても、勤怠管理や給与計算など異なる部署が関与するケースが多く、それぞれのプロセスを管理することは複雑です。
さらに、従業員や役所からの書類の受け取り、コピー、保管、保険証の配布、控えのファイリングなど、多くの細かい作業が求められるでしょう。
これらの作業に加えて、部署との調整、研修の手配、必要な内線やPC、文房具の準備など、人事担当者は様々なタスクに対応しなければなりません。

書類の手続き・申請は同時に進行することも多く、内定者に書類一式をまとめて渡しても提出されるのが同時とは限らず、ばらばらに提出されることも。
ワークフローの管理は非常に煩雑になりがちです。

テレワークに対応できない

紙の書類を使用する入社手続きは、現代のテレワーク環境に適していないという大きな問題も。
入社手続きに関連する書類には、個人情報が含まれることが多く、セキュリティ上の理由から自宅での取り扱いは避けるべきでしょう。
テレワーク中の従業員や人事担当者は、オフィスに出向いて書類を受け取り、処理する必要が生じ、リモートワークの柔軟性を大きく制限します。

Webで入社手続きを行うメリット

上記で紹介したデメリットの多くは、Webで入社手続きをすることによって解消されていきます。
Webで入社手続きを行うメリットを見ていきましょう。

保管スペースが不要になる

Webを利用した入社手続きのデジタル化による大きなメリットの一つは、物理的な保管スペースが不要になること。
従来、紙の書類を用いた場合、数年にわたって多くの文書を保管する必要があり、それには相応のスペースが必要でした。
しかし、書類をデジタル形式で管理することで、これらの文書をPCのハードドライブやクラウドサーバー上に保管でき、物理的なスペースを占めることがなくなります。
この変化は、オフィスの空間利用に大きな影響を及ぼします。
書類の保管に割かれていたスペースは、他の目的に利用することが可能となり、オフィスの効率的な整理整頓や、作業スペースの拡大に役立つでしょう。

書類提出・作成の手間が軽減される

Webでの入社手続きに移行することによって、書類の提出や作成に関わる手間が大きく軽減されます。
Webベースのシステムを用いることで、企業名や住所、氏名、生年月日などの情報を一度入力すれば、それがシステム内で保持され、必要な書類を生成する際には、その情報が自動的に埋め込まれます。
書類の出力がPDF形式で簡単に行え、印刷と捺印だけで提出準備が完了。
さらに、様々なフォーマットに柔軟に対応できる点も大きな利点です。
入社予定者自身がWeb上で情報を直接入力することも可能に。
これにより、人事担当者の負担が大幅に軽減され、入社手続きのプロセスがよりスムーズに進行します。

2019年4月に雇用契約書の電子化が可能になったことで、本人の同意があれば、入社に関わるすべての書類を電子化し、オンライン上での完結が可能になりました。

書類紛失リスクが減る

紙の書類は物理的な形で存在するため、紛失や破損のリスクが常に付きまといます。
しかし、書類をデジタル化し、PCやサーバーに保存することで、このような物理的なリスクがなくなります。
デジタルデータは、適切な保護措置を講じることで誤っての削除や改ざんを防ぐことも可能です。

書類不備の訂正が容易になる

従来の紙ベースの手続きでは、書類に不備があった場合、その訂正には新たに書類を作成し、再提出する必要がありました。
これは時間と労力の両面で大きな負担となります。

しかし、Web上での手続きでは、一度入力した情報を再利用して簡単に書類を作成できます。
万が一、書類に不備があった場合でも、オンライン上で迅速に修正し、再度生成することが可能です。
これにより、書類作り直しや再提出にかかる時間と手間が大幅に削減されます。

さらに、デジタル化された書類は、その内容を容易に確認し、誤りを発見しやすくなります。
これは、入社手続きの正確性を高めるとともに、人事担当者や新入社員のストレスを軽減します。

スピードが必要な手続きも容易に対応できる

従来の紙ベースの手続きでは、書類の作成、郵送、承認などに時間がかかりました。
しかし、Web上での手続きは、書類の作成から提出、承認までがデジタル化されているため、プロセスが大幅に高速化します。

特に緊急を要する申請や締め切りが迫ったタスクにおいて、このスピードは大きなアドバンテージとなります。
オンラインでの一元管理により、必要な書類を素早く検索し、数クリックで処理を完了できます。

ワークフローの管理が容易に

Webでの入社手続きを行うことにより、ワークフローの管理も容易になります。
Webベースのシステムを活用することで、入社に関する各種タスクのToDoリストを自動的に作成し、具体的なスケジュール管理を効率的に行うことが可能です。
例えば、新入社員の名前と入社日を入力するだけで、必要な申請書の提出期限などがリストアップされ、タスクの進捗状況を一目で確認できます。

完了したタスクにチェックを入れたり、ステータスを更新したりする機能が備わっていることが多く、人事担当者間での情報共有を容易にします。
また、Web化により、勤怠管理、給与計算、経費精算、人事管理など他のバックオフィス業務との統合も可能になり、これらのシステムを一元管理することができます。

テレワークに対応できる

Webを利用した入社手続きは、オンラインでデータの管理や申請が行えるため、どこにいても入社手続きを完結させることができます。
従業員や人事担当者はオフィスに出向く必要なく、自宅やカフェ、コワーキングスペースなど、任意の場所から手続きを行うことが可能です。

特に、郵送による書類のやり取りが大幅に減少するため、手続きの迅速化が図れます。また、このシステムは多様な働き方をサポートし、企業にとっても大きなメリットをもたらします。テレワークの導入が進む中で、Webベースの手続きは、柔軟な働き方を推進する上で欠かせないツールとなります。

Webで入社手続きを行うデメリット

Webによる入社手続きを行う際のデメリットの一つとして、専用のシステムやアプリケーションの導入が挙げられます。
手続きに必要な書類の作成や従業員情報の管理を効率的に行うためには、専門の人事管理システムなどの導入が推奨されます。
しかし、このようなシステムの導入には初期投資としてのコストがかかり、中小規模の企業にとっては負担となる場合があります。

ただし、これらのデメリットは、ペーパーレス化による長期的なコスト削減や業務効率の向上と比較すると相対的に小さいと言えるでしょう。
デジタル化は初期投資こそ必要ですが、長期的には書類の印刷や保管にかかるコスト削減、さらには手続きの迅速化を通じて企業の運営効率を高める効果が期待できます。

Webで入社手続きを行うまでのステップ

従来、舞の書類で入社手続きをしていた場合、どのようにしてWeb入社手続きへ移行すればいいのでしょうか。
ここでは、Web入社手続きへの移行手順を整理しました。

準備:入社手続きの一覧を可視化する

まず、必要とするすべての入社手続きを明確にし、それらを一覧化する作業が必要です。
ここでは、標準的な手続き(例えば、雇用契約の確認、健康保険や厚生年金保険への加入など)から、会社固有の手続き(例えば、特定の福利厚生への加入手続きや社内規則の確認)、さらには特定職種や雇用形態に必要な特別な手続きまでを網羅しなければなりません。

一覧化の過程では、各手続きに必要な書類や帳票、添付すべき書類なども詳細に整理する必要もあります。
また、この機会に入社手続きのオペレーション自体を見直し、改善することも検討しましょう。

ステップ①:人事労務管理システムの導入

人事労務管理システムでは、入社手続きの他にも社会保険や雇用保険の手続き、従業員の勤怠管理、給与計算などができます。
導入するシステムを選定する際には、自社のニーズに最適な機能を持つものを選ぶことが重要。
一つのシステムに多機能が集約されている場合もありますが、使用しない機能が多いとコストや操作の複雑さが増す可能性があるため、自社に必要な機能を持つシステムを選ぶといいでしょう。

システムの導入方法には、ソフトウェアを購入する方法と、クラウドベースのサービスを利用する方法があります。
各方法にはそれぞれ利点があり、企業のインフラやセキュリティポリシーに応じて適切な選択をしましょう。

ステップ②:電子証明書の取得

電子証明書は、紙の書類で必要とされる実印や印鑑証明のデジタル版の役割を果たすもの。
オンラインでの行政手続きや契約書類の認証に不可欠な要素で、デジタル署名やセキュリティ確保に使われます。
書類のデジタル署名に使われるこの証明書により、提出される書類が正当なものであることが保証されます。

日本では、オンラインでの行政手続きは「e-Gov(イーガブ)」を通じて行われることが多いため、e-Govに対応した電子証明書の取得が必要です。
この証明書は、複数の認証局から発行されており、通常は手数料を支払って取得します。

ステップ③:内定者の情報入力

電子化された手続きシステムを利用することで、内定者は雇用契約書や給与振込先届書などの必要書類をWeb上で直接入力できるようになります。
システムへの招待リンクや入力依頼を内定者のメールアドレスに送信することで開始できるので、非常に便利です。
Webベースのシステムを使用すれば、入力の過程で生じる可能性のある記入漏れやミスに対して、簡単かつ迅速に対応でき、上述したような多くのメリットが得られます。

Webで入社手続きをする際の注意点

Webで入社手続きをする際にはいくつか注意すべき点もあります。

法律を確認する

電子化された雇用契約書やその他の重要書類が法的な効力をもたせるためには、電子帳簿保存法などに定められた特定の締結手続きや保存ルールに従う必要があります。
雇用契約書をエクセルやワードで作成し、単に従業員にサインをさせるだけでは不十分。従業員が契約の同意を否定した場合、企業はその契約書の信憑性を証明することが困難になる可能性があるからです。

このようなトラブルを避けるためには、法的な要件を満たした書類電子化サービスを利用しましょう。

「労働条件通知書」は事前に電子化の同意を得なければならない

2019年に電子交付が認められた「労働条件通知書」などの重要な書類に関しては、従業員の事前の同意が必要です。
これは、従業員が電子文書の形式での交付に同意しているかどうかを確認するための法的要件となっています。

法律的に問題のない電子署名サービスを導入する

契約書や重要書類を電子化する際、法的な証明力を保持するためには、タイムスタンプの押印や書類の改ざんがないことを確認できるシステムが必要です。
これらの要件を満たすのが電子署名サービス。

電子署名サービスを選ぶ際には、タイムスタンプ提供や改ざん記録の機能が備わっているだけでなく、対面署名にも対応していることが推奨されます。
雇用者側でインターネット環境が利用できない場合、オンラインの電子サインだけに対応しているシステムでは不十分であり、紙の契約書を使用しなければならなくなる可能性があるからです。
対面署名機能は、このような状況でもスムーズに手続きを進めることができ、書類の保管や管理の煩雑さを解消します。

まとめ:DXに向けて、入社手続きもWeb化へ

「DX推進」が推奨されてから、数年が経過していますが、まだまだ書類ベースで業務の処理を行っている企業は少なくありません。
システムを導入するにも、
●何を基準に導入したらいいのか分からない
●導入しても使いこなせるかどうか不安
との声も耳にします。

ビジネスモデルの根幹からDXを目指してシフトさせるのは難易度が高いかもしれませんが、社内向けの事務手続きなどはDXへ向けた取り組みの中で最も手がつけやすいところ。

書類のやり取りが煩雑で生産性が気になっているのであれば、社内業務からWebサービスの活用を検討するのもいいかもしれません。

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