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アナログ業務は非効率?アナログ業務のメリットやデメリット・リスクを解説

現代のビジネスシーンではデジタル化が進んでいますが、アナログ業務にもまだ大きな価値があります。
本記事では、アナログ業務のメリットとデメリットをバランス良く解説します。

アナログ業務がもたらす直感的な判断や人間らしい温かみ、コミュニケーションの質の向上など、デジタルにはない利点を考察します。
一方で、時間効率やコスト、エラー発生のリスクなどのデメリットもあります。
この記事を通して、アナログ業務の適切な位置付けと、ビジネスにおけるその役割の参考にしてください。

アナログ業務について詳しく

「アナログ業務」は「デジタル化」の対極にありますが、具体的にどのような業務をアナログ業務と位置付けているのでしょうか。
デジタル化されていたと思っていた業務であっても、厳密にはアナログの延長であったということも少なくありません。
ここでは、「アナログ業務の概念」や「具体的なアナログ業務の例」を取りあげます。

アナログ業務とは

アナログ業務、これはデジタルツールの利用が限られる形で行われる作業の総称です。
この手の業務は、時に古典的とも言える手法に基づいており、現代のテクノロジーを活用することで作業効率や品質を飛躍的に向上させる可能性があります。
そのため、多くのアナログ業務はデジタル化の対象となっています。

しかし、アナログな手法が持つ独自の価値を無視することはできません。
例えば、直接的な人間のコミュニケーションや感覚的な判断を必要とする場面では、アナログ手法が優れた成果をもたらすことがあります。
さらに、人間関係の構築や維持においても、アナログのアプローチが重要な役割を果たすことがあります。

このように、アナログ業務には改善の余地がある一方で、その特性を活かすことでビジネスにプラスの影響を与えることも可能です。
重要なのは、どの業務をデジタル化し、どの業務をアナログで維持するかを見極め、適切にバランスを取ることです。

アナログ業務の具体例

具体的に、アナログ業にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
デジタル化の対象にするかどうかを検討しつつ、自社の文化・ビジネスモデルとして残した方がいいと判断するものはそのままアナログにしておくという選択もよいかもしれません。

タイムカードによる勤怠処理

多くのアナログ式職場で一般的な勤怠管理の手段として、タイムカードの使用があげられます。
従業員が出勤・退勤時にタイムカードを打刻することで、勤務時間が記録され、この方法の特徴は、そのシンプルさと使いやすさです。

しかし、このアナログな方法にはいくつかの課題があります。
●従業員が打刻を忘れたり、誤って打刻したりする
●時間データを表計算ソフトなどに手動で転記する必要がある
●法的に定められた期間、タイムカードを保管する必要がある
これらは記録管理において別の課題となり得ます。

書類の手書き

伝統的なアナログ業務の中で、特に目立つのが「手書きによる書類作成」です。
日報、請求書、発注書などのビジネス文書を手作業で記入する企業は今ではかなり少数派かもしれませんが、このタイプの業務を手書きで行っているところもあります。
手書き書類の大きな特徴は、その個性と独自性です。
それぞれの文書は、作成者の筆跡や表現によって独特の風合いを持っています。

しかし、この手書きプロセスには次のような課題が伴います。
●文書を作成するのにかかる時間が長くなりがち
●手書きによる誤字や脱字、特に金額や会社名、担当者名など重要な情報の記入ミス
●筆跡によっては情報の伝達が不明瞭になる可能性

これらのミスはビジネス上のトラブルにつながるリスクを持っていることは理解したうえで脱アナログにするべきかの検討をするべきでしょう。

FAX

外部とのコミュニケーション、例えば見積もりや発注書の送信にFAXを活用している企業は少なくありません。
FAXの最大の特徴は、その即時性と物理的な文書の送受信能力にあります。
文書をその場で送り、相手方が受け取った瞬間に物理的なコピーを手にすることができるのです。

しかし、FAXにはいくつかの課題も存在します。
●送信する書類の作成や受信後の確認作業の手間
●大量の書類を送るのには不向き
●誤送信のリスク
(特に機密性の高い文書の扱いにおいて大きな問題となることがあります。)

デジタル化が進む現代では、メールやビジネスチャットなどの代替手段に比べて、FAXは時間がかかり、効率性に欠ける通信手段と見なされることが増えているのが現状です。

ファイルのメール添付等

現代の職場では、ファイルのメール添付が一般的なコミュニケーション手段として広く用いられています。
この作業は、デジタルツールを活用する典型的な例のように思われがちですが、実はアナログな要素が多分に含まれています。
スキャンした文書や手書きのメモをデジタル化してメールに添付する際、アナログとデジタルの世界が交錯します。

一見、デジタル化したような業務に思えても、アナログ業務の延長になっている業務があることは見過ごさない方がいいかもしれません。

アナログ業務のメリット

アナログ業務はデジタル化の対象にされがちですが、アナログ業務ならではのメリットもあります。

細かいニュアンスを出せる

アナログ業務が持つ大きなメリットの一つは、細やかなニュアンスを表現できる点にあります。アナログ手法は、連続性を持ち、微細な変化を捉える能力があります。
これにより、情報や感覚をよりリアルに、そして豊かに伝えることができます。

例として、音楽の再生におけるアナログとデジタルの違いを考えてみましょう。
アナログのレコードは、音の細部まで豊かに再現し、音楽の奥行きや微妙な感情を表現することができます。
これに対し、デジタルフォーマットでは、これらの繊細な要素がしばしば省略されることがあります。

また、アナログ時計を例に取ると、秒針の滑らかな動きを通じて時間の流れの感覚をリアルに感じることができます。
このように、アナログはデジタルでは捉えられない微妙な変化や感情を伝える力を持っています。

このようなアナログ特有の特性は、ビジネスや芸術、日常生活においても重要な役割を果たし、情報や感情の伝達において本質的な部分を捉えることができるという点で、大きなメリットです。

秘匿性の高さ

アナログデータは、デジタルデータのように簡単に複製や配布が困難であるため、情報の保護において重要な役割を果たします。
これは、数値や記号を用いずに情報が表現されるアナログ独自の特性に起因しています。

例えば、セキュリティが非常に重視される暗号資産の分野では、ウォレットのシードフレーズ(秘密鍵)を紙に手書きで記録し、それを物理的に保管することが推奨されています。この方法は、デジタルデータとして保存する場合に比べて、不正アクセスやハッキングのリスクを大幅に減らすことができます。

このように、アナログ業務では、複製の難しさが逆に情報の秘匿性を高めるメリットとして機能します。
デジタル化が進む現代においても、このようなアナログな手法は重要なセキュリティ上の利点になっているのです。

理論より感覚を優先できる

アナログ業務における直感的なコミュニケーションは、顧客との関係構築において非常に重要です。
言葉や数値だけでは伝えきれない細やかな感情や雰囲気を、アナログな手法で伝えることにより、顧客との信頼関係を深めることが可能です。
また、顧客のニーズや感情を感覚的に捉え、それをサービスや商品の改善に反映させることも、アナログコミュニケーションの大きな利点と言えるでしょう。

アナログ業務のデメリット・リスク

アナログ業務にはデメリットやリスクもあります。

業務の属人化

アナログ業務における一つのデメリットとして、「業務の属人化」があげられます。
アナログ手法を採用する場合、特に細部に関する作業方法が個々の担当者によって異なることが多く、これが業務の属人化を招きます。
属人化された業務は、その内容や進行状況が他の人には理解しにくく、組織全体としての業務管理や進捗の把握が困難です。

また、特定の担当者に依存する業務は、その人が不在の場合、業務が停滞するリスクがあります。
休暇や退職などで担当者が変わった際に、業務の質が低下する恐れもあり、業務の効率性や組織の柔軟性に大きな影響を与えかねません。

稟議の遅延

稟議の遅延も、ビジネスの現場で意思決定のスピードが求められているのと逆行したデメリットです。
特に紙ベースの稟議システムでは、承認プロセスが長引く傾向にあります。

物理的な文書を使用する場合、文書が各承認者の手元を経由する必要があるため、プロセスに時間がかかります。
アナログによる稟議では、進行状況が不透明になりがちで、決裁のフローが複雑化し、遅延を引き起こす原因です。

人為的ミスが増える

デジタル化された職場では、様々なツールがミスの早期発見や自動修正を支援しますが、アナログ環境ではこのような機能が不足しています。
例えば、手書きの文書や計算作業では、誤字や計算ミスが生じやすく、それが後の大きな問題へと発展するリスクがあります。

特に、経理や在庫管理などの数字を扱う業務では、アナログ手法でのミスは大きな影響を及ぼす可能性が高いです。
機械的なチェックや自動計算の不在が、誤りを見逃す要因となり得ます。
また、アナログ業務はしばしば修正が煩雑であり、一度生じたミスを訂正するのに余計な時間や労力を要することもあります。

データ保管・複製が手間

多くのアナログ職場では、業務に紙ベースの文書を使用しており、これらの書類は物理的なスペースを必要とします。
法律によって長期保管が求められる文書や、業務上重要な情報を含む書類が多いため、これらを適切に保管するための場所が必要になります。

紙の文書は時間とともに劣化するため、保管環境にも細心の注意が必要です。湿度や温度の管理、日光の遮断など、適切な保管方法を維持することは、追加の時間と労力を要求します。
また、物理的な書類は紛失するリスクがあり、一度失われたデータの復元は非常に困難です。

必要に応じてこれらの文書を複製する作業も、デジタルデータに比べて手間がかかります。文書のコピーを作成する過程では、時間と資源が消費され、これが全体の業務効率に影響を及ぼすことは理解しておくべきでしょう。

生産性の低下の懸念

アナログ手法に頼る職場では、デジタル化が進んだ職場と比較して、同じ成果を得るためにより多くの時間と労力が必要になるケースがほとんどです。
手書きの文書作成や物理的な書類の管理、手動でのデータ入力などは、時間がかかり効率が低い作業と言えるでしょう。

さらに、アナログ業務の特徴である「人為的ミスの増加」「業務の属人化」「書類の管理にかかる手間」なども、間接的に生産性の低下を引き起こします。

情報の共有が非効率

アナログ方式での情報共有は、プロセスが煩雑で時間がかかることが多く、これが業務の遅延につながることがあります。
紙ベースでの契約書の処理を考えてみましょう。
書類の印刷、製本、郵送などの手間が必要であり、相手方が署名や捺印を行い返送するまでには、相当な時間を要します。

さらに、関係者が出張や外出中である場合、情報共有の遅れはより顕著になります。
重要な決定やプロジェクトの進行に影響を及ぼすかもしれません。

対照的に、デジタル手法である電子契約書の場合、文書の確認と電子署名以外の手間が省かれ、迅速な契約処理が可能になり、業務の効率化に大きく貢献し、情報共有のスピードを飛躍的に高めます。

不正のリスクが高まる

アナログ的な書類処理においては、セキュリティ上の脆弱性が生じやすいです。
例えば、書類の捺印プロセスでは、実際に権限を持つ者でなくても、印鑑さえあれば捺印が可能となる場合があります。
これは、不正が行われやすい環境を作り出す可能性があるということです。

アナログな職場では、文書の真正性や承認プロセスの確実性を保証するのが難しく、これが不正行為のリスクを増大させます。
適切なワークフローが守られない風潮は、組織全体のセキュリティ意識の低下につながるかもしれません。

アナログからデジタルへ移行するメリット

アナログ業務のメリット、デメリット・リスクを見てきましたが、総合的に判断すると、デジタル化のメリットの方が大きいと言えるかもしれません。
デジタル化へ移行することで、次のようなメリットが得られます。

ヒューマンエラーの解消

デジタルツールの使用は、単純なミスを防ぐ上で大きなメリットをもたらします。
アナログ方式では、どんなに注意深く作業をしても人為的なミスを完全に防ぐことはできません。
また、ミスを防ぐための確認作業には時間と労力がかかります。

しかし、デジタル化を進めることで、例えば共有オンラインストレージを利用して情報交換を行うことで、メールの宛先を手入力する際に生じる誤送信のリスクを減少させることができます。
これにより、作業の正確性が向上し、同時に確認作業に費やされる時間やリソースを節約することが可能になります。

コストの圧縮

デジタル化によって圧縮されるコストは、
●人件費
●資源
●時間的コスト
の3種類があります。

人件費

デジタル化が進むと、従来のアナログ業務で必要だった印刷や郵送、業務フローの確認などの作業が大幅に減少します。
これらの作業を担う人員の必要性が低下し、結果として人件費の削減に繋がるのです。

特に、デジタルツールの導入により自動化や効率化が図られると、時間を要する繰り返し作業や細かい手作業が不要になります。
データ入力や文書管理などの業務は、デジタルシステムにより高速かつ正確に行うことが可能となり、それに伴って人的資源の割り当てが最適化されるのもメリットです。

金銭的コスト

従来紙ベースで管理されていた書類や資料をデジタル化することで、紙や印刷、郵送にかかる費用を大幅に削減できるでしょう。
印刷に必要なインクや紙の消費を抑えることに加え、郵送に伴う配送費用の節約にもつながります。

また、デジタル化により物理的な文書の保管スペースが不要になるため、オフィススペースを有効活用できる点もメリットです。
大量の書類を保管するための専用スペースや保管設備にかかるコストが不要になることで、オフィスの運営費が低減します。
「モノ」を保管することは、その保管スペース分の費用が発生していると考えることも重要です。

目に見えていないコストも意識すると、デジタル化のメリットの大きさを一層感じることができるかもしれません。

時間的コスト

時間的コストの削減にも大きな影響を与えます。
従来紙ベースで行われていた稟議や決裁フローがデジタル化されることにより、業務プロセスの明確化とスピード化が実現します。

紙の書類を使った場合、その確認と承認には多くの時間が必要でしたが、デジタル化することでこれらの作業が迅速になり、確認のためにかかる時間が大幅に削減されます。

デジタル稟議システムを導入することで、提案内容の即時確認や電子署名による迅速な承認が可能になり、決裁までの時間が短縮され、業務の全体的な効率が向上します。
また、デジタル化された書類はいつでもどこでもアクセス可能であるため、必要な情報を素早く検索し取り出すことができ、時間の節約につながります。

業務プロセスの標準化

アナログからデジタルへの移行により、業務プロセスの標準化が実現します。
デジタル化により業務内容や進捗状況を明確に可視化できるため、非効率な業務や属人化している業務を特定しやすくなります。
社内のワークフローを統一し、業務プロセスを標準化することが可能です。

顧客獲得機会の増加

デジタル化による顧客獲得機会の増加は、企業にとって大きなメリットです。
デジタル化することで、企業は迅速に顧客ニーズに対応でき、市場競争力を高めることができます。

オンラインプラットフォームの活用により、新しい顧客層に到達することを可能にし、デジタル化されたデータを分析することで、業務をより効率的かつ正確に行うことができるでしょう。
新しい顧客の獲得だけでなく、既存顧客の満足度を高めることにもつながります。

アナログ業務から脱却するときの注意点

アナログ業務から脱却をするべく、すべてのアナログ業務をデジタル化しようと考えるかもしれませんが、その必要はありません。
ここでは、アナログ業務から脱却するときの注意点をまとめました。

小さく始めて大きく育てる

すべて一度にデジタル化を進めようとすると失敗します。
デジタル化は部分的に小さくスタートさせ、少しずつ大きくしていくのがセオリーです。
「小さく始めて自社に合わないと感じたら戻ってみる」
「戻る」という選択肢を残しておく方が正しい方向を探りながらデジタル化を進めることができます。
一度にデジタル化を急速に進めようとする方法もありますが、難易度が高いため一般的にはおすすめしません。

アナログがよい部分は残すこと

アナログがいい部分はアナログのままの業務にするという意思決定も重要です。
デジタル化が主流となっていますが、すべての業務を対象にデジタル化を進める必要はありません。

従来の方法の方が売上・顧客満足・従業員満足が高いというケースもあるでしょう。
どの業務をデジタル化するのか、慎重な判断が求められます。

従業員の負担を考える

アナログ業務からデジタルへの移行時には、従業員の負担を軽減することが重要です。
新しいデジタルツールの導入直後は、社員がそのツールに慣れるまでの間、業務の効率が一時的に下がる可能性があります。
従業員が直感的に操作できるシステムの設計は、この過渡期におけるストレスを減らすために役立ちます。

また、紙ベースの書類をデジタル化する際には、従来の形式と視覚的に大きく異ならないようにする工夫が必要です。
従業員が新しいシステムに馴染みやすくなり、業務の移行がスムーズに行えるでしょう。

まとめ:アナログ業務のデジタル化がDXへの第一歩

DXの本質は「デジタル化」とは異なりますが、アナログ業務をデジタル化していくことはDX推進には不可欠です。

アナログ業務のすべてが悪いわけではありませんが、デジタルへの移行によるメリットが大きいことも事実。
自社の業務を棚卸し、「デジタル化へ移行した方が良い」と判断されるものは小さくデジタル化していくことをおすすめします。

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