仕事を振れない人、振る人の違いは何?ITも活用した仕事の見直し
少子高齢化が進む中、労働者の価値はますます希少性を増しています。
企業にとってもただ単に働ける人であれば誰でもいいというわけにもいかず、しっかりとした教育を通して、会社や社会に貢献できる人材としての労働者であることが前提です。
一人当たりの生産性の向上を高めないといけない時代になっているにもかかわらず、それと真逆の働き方をしている人、会社がまだまだ多いのも事実です。
仕事をすべて一人が抱え込んでしまうことや、クラウドサービスに任せてしまえばすぐに終わるはずのものを人の雇用で解決しようとすることなどがその典型です。
今の働き方、システムでこれから先も大丈夫なのか。
働く人の数が減っても同じ状態を維持できるのだろうか。
こういうことを考えながら少しずつでも仕組みを変えていくことが大切です。
昨今ではDXの必要性が強調されています。
部下を抱えている人にこそ見直して頂きたい
・「仕事を振らないことがダメな理由」
・「仕事を振らない人の特徴」
・「上司が部下に仕事を振る時に大事な3つの明確化」
・「クラウドサービスやITツールに仕事を振るメリット」
の内容をまとめています。
仕事を振らないことがダメな理由
会社の中では、一人ひとり、その人の役割が与えられているはずです。
社員それぞれが自分の役割を認識している組織は強い組織と言えるでしょう。
「自分ができる仕事は全部自分でやる」という考え方も大切ですが、
時間は有限です。
しかし、仕事を振らないことがダメな理由はこれだけではありません。
時間は有限だから
あなたは上司です。
そして、あなたにはたくさんの部下がいます。
しかし、部下に仕事を任せられない状態であれば、その部下の仕事を全部、上司であるあなたが引き受けることになります。
その間、部下は一体どんな仕事をするのでしょうか?
これでは会社としての生産性が低くなるのは当たり前です。
上司も部下も1日の中で、会社で使える時間には限りがあります。
その中で最もいいパフォーマンスを全体として発揮させるには役割分担は必要不可欠です。
社内に任せる人がいないときに、仕事を外注するのは、費用対効果が高いからに他なりません。
上司であり、部下がいる方であれば、時間効率を意識することも大切です。
自分の得意分野に集中することができないから
「仕事を振る」・「振られる」の関係は上司と部下の間だけではありません。
同僚であっても、仕事と仕事のトレードをすることで生産性が上がることがあります。
人は誰でも好きなこと・得意なことをやっているときは活き活きしているものです。
それに伴い、仕事の成果、完成度も高いことが多いです。
時間とその完成度で仕事の評価が行われることは社会人の常識となっていますが、
①速く、完成度が高い
②遅く、完成度が高い
場合には、①の方がいいのは明らかです。
どうしても自分には苦手と思える仕事を嫌々進めていれば、「仕事が遅く、完成度も低い」という最も悪いパターンになることもあります。
取引先とのやりとり、会社の売上・利益に直接かかわってくる仕事は得意な人どうしで上手く仕事を任せ合う精神が必要になります。
相手の得意は自分の苦手かもしれませんし、相手の苦手が自分の得意になっているかもしれません。
社内でコミュニケーションを活性化させながら、仕事のトレードができる環境づくりを目指しましょう。
ビジネスの持続性を考えられていないから
「仕事を振らない」ことは、今の状態さえよければいいという考えが根本にあります。
将来を見据えると、誰でも同じ仕事ができた方が、会社のためになります。
自分が仕事をすればその場は回ってスムーズに進むという考えを一度捨て、会社全体の将来性を見据えることが重要です。
人にお願いすることができない場合には、ITツール等の活用もおすすめします。
仕事を振らない人の特徴
仕事を振らない人には、大きく分けて3つの特徴があります。
どの特徴も、結局のところ、自分に自信がないというところに集約されてしまいますが、
・人に仕事を頼むのが悪いと思っている
・自分にしかできない仕事だと思っている
・自分で管理したがる傾向にある
これらの特徴が自分に当てはまると感じた場合、知らず知らずのうちに周囲の人に任せた方が、生産性が高くなる仕事を自分で無理に引き受けてしまっている可能性があります。
落ち着いて自分が行っている仕事が本当に自分のやるべき仕事になっているのか見直してみましょう。
人に仕事を頼むのが悪いことだと思っている
責任感の強い上司に多いタイプです。
部下に仕事を任せ、自分が仕事をしていない姿を見せてしまうと、部下からの評判が悪くなってしまうと気にしたことはないでしょうか。
部下から
◆上司はいつも自分のやりたくない仕事は部下に押し付ける
◆上司は全然仕事をしているように見えない
このように思われることは不本意でしょう。
そもそも、このように思われないためにも部下育成の段階で、頭を使う仕事をする役職の人たちと実際に現場で行動に移す役職の人たちの仕事の役割を明確にしておくことが望ましいです。
タスクのコントロールを部下に見せることも上司の仕事と考えましょう。
自分にしかできない仕事だと思っている
自分にしかできない仕事だと思って、その仕事を誰かに振ることができないと思っている人も多いです。
しかし、この考え方は自分の選択肢も相手の選択肢も大きく狭くしてしまうことにつながります。
他の仕事が「自分にしかできない仕事」である場合がありますし、
相手が自分よりも上手く仕事をこなしてくれる逸材である可能性もあります。
お互いのために仕事を一度は振ってみて、その後にその仕事は誰が担当するがよいのか、これを考えるのもいいでしょう。
何でも管理したがる性格がある
自分で仕事をした方が、誰かにお願いするよりも仕事が速く片付くと思う人もいるでしょう。
・納期
・仕事の完成度
・取引先とのやりとり
これらすべて、自分で行えばスムーズに進みますし、誰かにお願いする余計な時間はかかりません。
しかし、これも視野が狭い考え方です。
一度目の依頼では普段よりも多く時間がかかってしまうことも、回数を重ねれば時間の短縮につながります。
最後は自分がその場にいなくても、その仕事が回るようになります。
担当が変わり、何度も自分で説明するのが面倒と感じるのであれば、動画を撮影したり、マニュアルを作成したりすれば、後々の時間短縮にもつながります。
また、自分でなんでも仕事をコントロールしようと考えている人はコントロールフリーク(束縛したい人)である可能性があります。
コントロールフリークな状態になっている人は、
・仕事を振るものの、その仕事の担当者に多くの助言をする
・まったく仕事を振らない
この両極端の性格をもっています。
仕事を任せるということは、相手を信頼して自分のコントロールできないこともあると悟らなくてはいけません。
仕事を振らない人は結局のところ自信がない
人に仕事を振って悪く思われるのが心配な人は、仕事を一緒にしている人との人間関係に自信がないのです。
仕事を振って嫌われる人の特徴は、仕事を振ったから嫌われるのではなく、仕事の振り方で嫌われることがほとんど。
仕事を振る前に、職場の人たちとの関係性の改善が課題となります。
自分にしかできない仕事と思っていることも、「他の人がこの仕事をできたら、自分の仕事がなくなってしまう」と不安になっていることもあります。
何でも管理したがる性格も、自分の優位性を感じたいという心理が働いています。
ここで紹介した仕事を振ることができない人の3つの特徴はいずれも、自分に自信がなく、
自己肯定感が低い人に多く見られる傾向があります。
自分も相手も信頼しながら友好的な関係性を築き、仕事を振れる仲間と生産性を高めていくことをおすすめします。
仕事を振る時に大事な3つの明確化
仕事を振る時に大事な3つのことを解説していきます。
仕事を依頼する時に忘れてはいけないことは「期限」「目的や意図」「優先順位」
この3つです。
期限の明確化
最重要項目は期限です。
期限を明確にしておくことは必須中の必須。
仕事の完成度よりも期限を意識させるぐらいが丁度いいかもしれません。
仕事を依頼するときに「○週間後まで」という依頼の仕方はNGです。
日時曜日を確実に指定する方法によって期限を明確化しましょう。
また、期限ぎりぎりになってようやく完成したものが出されたのでは、修正が必要な場合の時間が残されていなく、全体の構成にも響くことがあります。
途中で細かく中間報告をもらうようにしましょう。
大切なのは、自発的に中間報告をするように促すことです。
仕事を依頼した側が細かく、過度に進捗管理をしようとすると、依頼された側もストレスになりますし、これでは、コントロールフリークな状態と変わりません。
ある程度の自由度を持たせたうえで仕事を依頼することが大切になります。
目的や意図の明確化
「なぜ、この仕事を○○にお願いしたのか」この目的や意図を伝えることは、仕事を依頼された側のモチベーションに大きく影響を及ぼします。
「他にも大勢いる中、自分に仕事を振ってくれた」と思ってもらえれば、積極的に仕事を引き受けてくれるようになります。
このような人間関係の構築が後の大きな財産となることもあります。
優先順位の明確化
仕事を依頼するときには、相手が抱えている仕事の状況を把握してあげる必要があります。
そのうえで、優先順位をつけ、何をどのような順番で行えばいいのかを助言してあげましょう。
上司から依頼された仕事に精を出し、それ以外のことが目に入らなくなってしまう部下もいますので、それぞれの仕事の大切さをもう一度確認してあげることも必要です。
ここでも、ある程度の方向性は伝えるも、あまり干渉しすぎないことがポイントとなります。
クラウドサービスやITツールに仕事を振るメリット
人に仕事を振ることが難しい場合には、クラウドサービスやITツールに積極投資し、作業を効率化することを考えましょう。
今後の時代の流れからも、ITツールに任せられる仕事はどんどん機械に任せることが求められてきます。
ITツールに仕事を振る理由とは何でしょうか。
人件費よりも低コスト
「ITツールへの投資」と聞くと、費用が高いと考えがちですが、人件費と比較すれば微々たるものです。
ITで時間を短縮しても人が確認しないといけない部分は確かにあります。
しかし、この点を考えても、長期的な視点ではITツールを積極活用することが将来大きな利益をもたらしてくれることは明らかです。
仕事が速く、ミスがない
ITに仕事を任せてしまえば、ヒューマンエラーを心配する必要はなくなります。
人間よりもスピードが速く、ミスも少ないとなれば、仕事を任せない理由などありません。
さらに、仕事を振る時に誰に任せればいいのかという判断に迷う心配もありません。
業務を簡略化できるところは、どんどんIT化を図り、人にしかできない仕事で生産性を極限まで高めることを意識してみることも大切です。
仕組化で仕事がスムーズになる
ITツールを使った業務体系を構築すると、一定の仕事の流れが仕組化できるようになります。
悪く言えば、考えなくなるのですが、考える必要のないところにエネルギーを使うことは時間の無駄でしかありません。
仕組化ができれば、特定の人がいないと回らなくなるというような仕事がなくなります。
この仕組化こそ、組織を強くする最大のポイントです。
仕組化をすることによって、常に一定の業務処理とサービスの質の提供が可能になります。
まとめ:仕事を振るのも大事な仕事
仕事を振ることは社会人の重要なスキルの一つです。
仕事を振るスキルがどれだけ上手いかによって、そのチームの強さが分かってしまいます。
人に仕事を振るのか、機械やITに仕事を振るのか、仕事の内容によって異なるかもしれませんが、それぞれの得意を活かした仕事の在り方を突き詰めることで生産性が上がることは間違いありません。
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