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ワンマン上司になってない?部下育成のマネジメント論

「ワンマン上司は時代遅れ」

「上司がやってはいけない5つの部下育成法」

「上司に求められる理想のマネジメント」

独裁にも民主にも良い点と悪い点があります。
トップが強烈に優秀であり、意思決定に間違いがないのであれば、トップダウン型の組織の方がメリットは大きいように思えます。
しかし、環境の変化が激しい昨今において、必ず正しい決断ができる人など、預言者でもない限り難しいのではないでしょうか。

トップダウン型の組織の欠点はトップが決断を誤れば、企業の存続そのものが一瞬にして危うくなる可能性を秘めているところです。
さらに、ワンマンになっているという自覚がないことも多く、自分の誤りに気が付くのに時間がかかるケースもあります。
早くに自分の間違いに気が付けばいいのですが、それに気が付かない、あるいは自分が間違えていたと認めることをプライドが許しません。

これは部下育成にも大きな悪影響を及ぼします。
自分ではワンマンではないと思っていながらも周囲は、「あの人はワンマン」と感じているかもしれません。

ワンマン上司になっていないかどうかを振り返るとともに、部下育成時に気を付けたい考え方を紹介しています。

ワンマン上司は時代遅れ

今では昔ほどワンマンな社長、上司は少なくなったかもしれませんが、まだゼロとは言えないでしょう。
企業によっては確かにワンマンの方が、経営が上手くいくこともあります。
しかし、全体的な傾向としては独裁的な組織体制よりも上司が適切な部下のマネジメントを行いながら上司と部下で協力体制を敷けている組織の方が業績も人間関係も上手くいっているケースが多いです。

現代ではワンマン上司は時代遅れになりつつあるのです。

会社を倒産させたワンマン社長のエピソード

あるワンマン社長が会社を倒産に追い込んでしまったエピソードを簡単に紹介します。
大企業に勤めていた30代の男性会社員が、ある日、起業して独立しました。
以前勤めていた会社はトップダウン式で自分の能力を存分に発揮することができないと感じていたそうです。
また、本人の能力も相当高く、自分の能力が正当に評価されていないということも独立を後押しした理由の一つであったと言います。

独立直後から、クライアントも右肩上がりに増えていき、順調にスタートを切ることができていました。
従業員も増え、事業も拡大路線に乗ってきたはいいものの、この辺りから人間関係に悩み始めます。

従業員のミスが目に付くようになってきたのです。
従業員を増やせば増やすほど、育成には時間も費用もかかってきます。
自分の能力の高さゆえに、従業員のミスを理解できずに、ミスの責任をしつこく追及するようになっていったのです。

結果的に自分がかつて嫌っていたはずのトップダウン形式の組織を生み出してしまい、従業員は離れていくことに。
事業は大きくなったものの、サービスを提供することができず、クライアントからは不満の声を多くもらったようです。
プライドが高かったこともあり、それさえも聞こうとせず、結果的には悪循環に陥り、倒産の末路をたどりました。

ワンマン社長の部下育成

ワンマン社長の部下育成には大きく2つのタイプがあります。
いずれも極端な方法なので、一般的な従業員の育成には向いていません。
これから紹介するような部下育成を同じように行っている場合には要注意です。

◆極端な放任型
自分の能力が高いがゆえに、他人も同じようにできるだろうという楽観的な考えから行ってしまいがちな育成の仕方です。
育成の仕方と言いましたが、実際にはほぼ何も育成に関する細かい指示はしないので、育成をしていないに等しいです。
人を見る力が養われなくなることから、適材適所の人員配置ができなくなり、チームで何かを運営しようとしたときには機能しなくなる可能性が出てきます。

◆極端な押し付け型
自分と違ったやり方を一切認めないタイプになります。
極端な放任型とは対極にあり、押しつけ型の育成の方がワンマン社長、ワンマン上司の典型と言えるでしょう。
個人の自己肯定感が低くなり、自由度を求める従業員の離反が心配されます。

ワンマン上司が気付かない一人の限界

ワンマン上司が気付きにくいのは一人では限界があるということです。
大きなプロジェクトや大きなお金が動くものはそれなりに人も関与しているものです。
従業員にせよ、クライアントにせよ、ビジネスに人と人との関わりは必須です。

ワンマン社長・上司はいち早く、この仕組みを理解することが大切で、これが理解できれば従業員に対しても、同じ考え方が反映され、風通しの良い職場環境を実現させることができるでしょう。

上司がやってはいけない3つの部下育成法

上司がやってはいけない部下の育成法で、極端な放任主義や極端な押し付け主義を取り上げましたが、それ以外で避けたい部下育成法を3つ紹介します。
どれも基本的なものですが、自分がワンマン上司になっていればいるほど、見落としがちなものになります。

もう一度基本に立ち戻る意味でも読み直して頂きたい項目です。

印象評価

これは、ワンマン上司に限らず、人間誰もが自分から見て印象のいい人に惹かれます。
どうしても評価には主観的なものが含まれてしまうのは仕方がないことなのです。

しかし、これが行き過ぎてしまうと、周囲に不平等であるという印象を与えますし、えこひいきを疑われることもあります。
印象評価が潜在的に行われるのは仕方がないことであると理解しておくだけで、部下に対する指導や評価が感情的なものになっていないかどうかを見直すきっかけになります。

同じことをやっていても、気に入った部下の失敗には目をつぶり、気に入らない部下の時には執拗に責任の追及してしまえば、部下同士の横のつながりの関係にもひびが入ります。
上司と部下の信頼関係が壊れることもありますので、注意したい項目です。

見ざる・聞かざる・言わざる

部下育成は、育成担当にとって大きな心的疲労にもなりえます。
部下が辞めてしまった時の責任、部下の仕事上の失敗の責任など、どれも難しい問題です。
さらに、世代間のギャップから、何を考えているのが分からないという理由で、部下から遠ざかりたいと考える人も少なからずいます。

できれば上司とは距離をとりたいと考える部下はいますが、上司も同じことを考えていることがあるのです。
そして、上司は部下の成長・仕事に関心を寄せつつも直接そこには関与しないような態度を示します。
その態度が「見ざる・聞かざる・言わざる」です。

◆仕事の仕方やクライアントとのやり取りに問題はあるけど、大事にならない範囲だから見なかったことにする
◆部下同士の会話が仕事の風紀を乱すものや業務と関係のないものであっても聞かなかったことにする
◆仕事のフィードバックをしなくてはいけないが、言わない

気が付かないのではなく、意図的に行っていないので、問題の放置と同じことです。
一事が万事と言うように、今指導を行わないことが後になって取り返しのつかないことになる可能性は十分にあります。

仕事で必要なことであれば、感情は差し込まずに部下も上司も関わっていくべきです。

上司の威厳を利用した指導

上司の権威を利用した指導とは、上司と部下の立場を前提とした感情的な指導のことです。
部下は上司に指導されると、立場上すべて自分に非があると思うかもしれません。
しかし、なかには上司にも責任の一端があるケースもあるのではないでしょうか。

自分の指示出しのミスや部下の能力の把握不足など、すべてが部下の責任でないことも多々あります。
感情的な指導ではなく、論理的に考えをまとめてから適切な指導を入れることは部下への仕事のフィードバックで大切なことです。

上司に求められるマネジメント

マネジメント(Management)は「管理」「経営」と訳されます。
管理職である方の多くがマネジメントと聞くと、人の管理を連想されます。
しかし、上司が行うべきマネジメントは人そのものの管理と言うよりは、仕事や数値の管理であり、目標を達成するための方法の一つに人材の管理があるに過ぎません。

とは言っても、結局のところ、人の管理は行うわけですが、管理の対象を誤ると、部下育成にも影響が出てしまいます。

マネジメントは「人の管理」にあらず

経営分野で使われるマネジメントの本質は「経営において結果を出すこと」です。
有限な資源を上手に使い、効率よく利益を求めることがマネジメントです。

資源には「お金」「人」「時間」などがあります。
これらをどのように割り振るかが、マネジメント能力が問われるところなのです。
人の管理はあくまでも一部分です。
全体像を見渡し、どこに人材マネジメントが含まれているのかを再認識しておくことは大切でしょう。

ワンマン上司の行き過ぎたマネジメント

数字を出すためのマネジメントでも、行き過ぎてしまうと、部下のモチベーションにも影響が出てきます。
どこまでの自由度を本人に任せるかは難しいところですが、上司が部下の能力や仕事のやり方をしっかりと把握しながら役割を割り振ることが重要です。

一人ですべてを管理することは不可能です。
部下にできる管理は部下自身に管理させながら、上司は大枠を決めてあげるというイメージを持つべきでしょう。
ワンマン上司は管理を頑張る挙句、自分の仕事に手が回らなくなることもあります。
ある程度、部下の裁量に任せることは管理職に就く上司の精神衛生のためでもあるのです。

マネジメント能力の2大要素

マネジメント能力に必要なものは、チームをまとめ上げる「リーダーシップ能力」と、数値を作り出すための「経営企画力・戦略の立案力」です。
通常の仕事ができることは当然として、チームとしての数字をどのように向上させられるかを考えることが重要になります。

ピラミッド構造をしている企業の多くは、ピラミッドの上位の役職の人たちは頭を使うタイプの仕事が多いのが特徴で、ピラミッドの下の階層の人たちはできるだけ行動をすることが求められます。
だからこそ、マネジメントをする中間管理職は自分でなくても務まる仕事はどんどん部下に渡した方がよく、その仕事の方法について、いつまでも終始細かく仕事の指示をすることはマネジメントの理論にも反するのです。

本人裁量で仕事を任せるべきところと、細かく指示を出すところを明確にすることも人を動かすためには必要です。

まとめ:ワンマン上司予備軍は要注意

「自分はワンマン上司ではない」と思っている方も、もしかしたらワンマン上司予備軍である可能性はあります。
自分が部下の時に、ワンマン上司を嫌っていたという人も、いつの間にか自分がワンマン上司になっていたということも珍しくはありません。

時には有無を言わさない指示を出す必要もありますが、それだけが仕事を占めていると感じてしまえば、部下のモチベーショも下がっていきます。
自分がワンマン上司であることは自分で気が付きにくい上に、周囲からの指摘もないことが多いです。
定期的に自分の部下育成やマネジメントに関する考え方を振り返ることが必要になります。

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