選び抜かれる経営戦略を分析!顧客満足で高めるLTV
「LTVから考える経営戦略」
「経営戦略は顧客満足ベースに考える」
「顧客から選ばれ続ける企業であるために」
売上をつくるためには、見込み顧客、単価、成約率の基本3要素の他にリピート率を気にする必要があります。
リピート率を高めることは、その事業の安定性にもつながります。
新規で顧客を開拓するよりも圧倒的に労力も費用もかけなくてよいのがリピート率の向上です。
リピート率が重宝されるようになって、注目を浴びてきたのがLTVです。
LTVを高めることによって中長期的に安定したビジネスの成功が期待できます。
目次
LTVから考える経営戦略
日本の人口減少はご存知の通り、深刻な状況です。
今後も日本でビジネスをすることを考えた時にお客様の絶対数の減少は必至でしょう。
この状況を打破するためには、一人でも多くのお客様に自社のファンとなってもらう必要があります。
裾野を広げるような顧客層の拡大戦略だけではなく、客単価向上の考え方が外せなくなっていることを認識するのが大切です。
LTVとは何?
LTVとはライフタイムバリューのことで、一人のお客様が企業と取引をしてから取引を終了するまでに企業に収益をもたらした金額のことです。
簡単に言ってしまえば客単価のことですが、一時的な客単価ではなく、顧客生涯価値を表しますので、リピートによってもLTVは高くなります。
どの企業、お店にも信者顧客と呼ばれる層がいると思います。
要するに、そのお店や会社のファンの方のことです。
信者顧客はロイヤルカスタマーとも呼ばれますが、ロイヤルカスタマーほど、LTVは高くなる傾向があります。
ファンであれば、新商品、新しいサービスが始まったときに真っ先に購入してもらえそうなのは想像に難くないと思います。
新規顧客を開拓するコストよりも一度顧客になった層をターゲットにリピートを促すことの方が費用的にも抑えやすいのです。
一般的に、企業が新規顧客を開拓するのにかかるコストは、リピートによって呼び戻すのにかかるコストのおよそ5倍程度と言われています。
集客をするにしても、何をターゲットにするかによって予算の立て方も変わってきます。
リピートを狙うビジネスモデルを展開していく場合には、既存の顧客を如何にして自分たちの「味方」にするかが重要です。
LTVを高めるメリットは何?
LTVを高める最大のメリットは、事業の安定性が担保できるようになることです。
一度商品を購入しておしまいとなるよりも、継続的に購入してくれることが約束されているビジネスプランの方が収益も安定します。
よい商品は一度で高単価の収益を見込むよりも継続して購入してもらえるような売り方をする方がLTVは高くなるのです。
ネット動画配信サービスや、有料の動画や画像の加工ソフトなどがよい例です。
これらのサービスは、一度に購入してもらうのではなく、月額課金のようなサブスクリプション(定期購読)システムを導入しているところがほとんどです。
その方が企業の安定収益につながり、ビジネス戦略も立てやすいというメリットがあることが理由です。
LTVを高めるための3つの経営戦略
LTVを高めるためには3つの要素が関係します。
①客単価
②購入回数
③継続・リピート数
客単価は一回の購入でお客様が出してくれる金額のことです。
一つの高額商品を購入してくれる場合もありますし、複数の商品を購入していただくことによって客単価の向上が狙っていけます。
購入回数は一年や一か月という期間に何度、そのお客様が商品を購入してくれたのかという指標になります。
継続年数は、特に定期購読型のサービス提供であれば、どのぐらい契約をしてくれていたかということです。
これらの数値を向上させることが、結果的にはLTVの向上へとつながり、企業収益を安定させることにつながります。
経営戦略は顧客満足をベースに考える
LTVを高めるための要素を知っても、具体的にどのような経営戦略を行うかは会社の経営方針が大きく影響します。
経営戦略を立てる時には会社の信念も大切ですが、その信念がしっかりと顧客に共感してもらえるものになっているかどうかを振り返ることも必要です。
自分たちだけが得するようなビジネスモデルや、市場の評判が悪くなるような方法に頼っていないかどうかを分析することは重要と言えます。
リピート率を上げることを軸にする
顧客満足を追求することによってLTVは高くなります。
満足度が高い顧客は、継続してその会社と関係をもっていきたいと考えるでしょう。
すると、必然的にLTVは高くなっていきます。
顧客満足の追求をすることで、満足した顧客は商品を購入し、その評判・様子が市場に浸透していけば、バイラルマーケティングにもなります。
口コミを上手く活用できるようにもなるかもしれません。
ビジネスの根底を顧客の満足に置くことは盤石な基礎を作ることに等しいのです。
不要な戦略を見直す
顧客満足を追求することを第一に考えたら、それ以外で、必要のないものを徐々に削っていきます。
戦略を立てる時には、やるべきこと、やりたいことを多く列挙することがありますが、同時に大切なことは「やらないことを決める」です。
仕事だけが増えて、従業員に負担をかけてしまうようであれば、現場でサービスを提供する従業員を経由してお客様にもその内情が伝わってしまいます。
サービスを提供する側とお客様とのつながりがある以上、従業員の満足度も蔑ろにはできないのです。
一昔前の頑張ることが美徳とされてきたモデルでは立ち行かなくなっています。
心と体のバランスを考えながら市場に最大限の満足を提供することができる方法を模索していきましょう。
経営戦略の立て方
LTVの向上という経営戦略をもう少し具体的にするために、客単価やリピート率のどの部分に課題があるのかを分析します。
その中で、優先順位の高い課題から少しずつ解決策を講じていきます。
LTVを向上させるために行う方法のすべてがよい方向に転ぶとは限りません。
例えば、LTVの向上のために客単価を上げることにした場合、既存の顧客のリピート率が落ちる可能性もあります。
解決しようとした課題に対して、リスクが生じうることを認め、リスク管理も必要です。
リスク管理を行い、その可能性を肯定したうえで方針が固まったら企業としてその戦略を現場にまで落とし込みます。
顧客から選ばれ続ける企業であるために
顧客を市場で獲得するためには優位性を確保する必要があります。
他にはない自分たちだけの何かを見出す必要があります。
例えば、「このお店には他にはないコレがある」とか、「値段が安い」などです。
安易に値段を下げることはおすすめしませんが、優位性という点では、他にはないものを自分たちがもっていることになります。
自社の強みを従業員や経営者も明確にできていない場合もありますし、強みだと思っていたものが実は強みではなかったということもあります。
そのようなときには、今抱えているお客様たちに自社の強み・よいところを聞いてみるのも一つです。
お客様の声を宣伝、広告に使うこともありますが、それ以前に自分たちの単純な成長につなげていくことにも使えます。
値下げ競争はしない
高額な商品よりも安い商品の方が購入のハードルは下がります。
しかし、他社との優位性を得るために、商品の値段を下げることはおすすめできません。
値段を安くすることは最も簡単にできることではありますが、値下げには限界が生じます。
また、値下げによって獲得できた顧客は、他に値段の安いところができればそちらに鞍替えします。
顧客が心から商品を購入したいと思っていただけるかどうかが重要になります。
商品誕生の想いに共感してもらう
商品の誕生を物語にすることは効果が期待できるロイヤルカスタマー獲得の方法です。
商品が誕生したその過程を物語にして発信することで、その物語に共感してくれた人たちが継続購買をしてくれるようになるかもしれません。
人が商品を購入する時には何らかの感情の動きがあります。
不安や悩みを抱えている人が「悩みや不安がなくなりそう」という期待を込めることもあります。
自分の将来が変わるかもしれないというワクワクからお金を出すことを決める人もいます。
興味や関心を引き寄せられたものを買う時にも、そこには感情の変化が作用しています。
目新しさなどの表面的なもので感情に訴えかける方法もあります。
しかし、LTVの観点からは人の深層心理に入り込むことで感情を動かす仕組みを作る方が効果的です。
広告や宣伝で商品・サービスを紹介する時には、どうしてその商品が誕生したのか?
同じような悩みを抱えている人の力になりたい想いから、その商品誕生のエピソードを語れるといいのではないでしょうか。
共感してくれる人の獲得がそのままお客様の獲得になります。
顧客満足から顧客創造へ
顧客満足を追求することが第一ですが、それは次なる宣伝効果へと発展していきます。
いわゆる口コミ戦略です。
口コミが口コミを生み出す好循環になります。
最初は広告や宣伝を強化しつつも、徐々に評判になってからは自然とお客様が増え、さらにはリピート率も上がります。
顧客満足を追求する上で注意することは、すべての人への満足は与えられないということです。
自分たちがターゲットとしている適切な人にアプローチすることによって、顧客満足から顧客創造へとつなげていきましょう。
間違えた層にアプローチしてしまうと、評判が下がる可能性もありますから、注意が必要です。
まとめ:顧客満足を追求するビジネスを
LTVを上げるためには、顧客満足を軸にしたビジネスを考えた方がよいです。
LTVを高めることはビジネスの中長期的な安定につながっていきます。
一度の売り上げの高低で一喜一憂するのではなく、長期的な目線でその事業計画が上手くいきそうかどうかを判断することが大切です。
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