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ファシリテートとはどのような役割?メリットや必要なスキル、進め方などを紹介

ファシリテーター

「ファシリテートとは?」

「ファシリテートの役割は?」

「ファシリテートに必要なスキルは?」

会議やワークショップで最大限の効果を上げるためには、ファシリテートが必要不可欠です。ファシリテーターが多様な参加スタッフの発言を促し、論点をまとめ最終的に合意をとっていきます。

しかし、ファシリテートをするのは非常に難しく、高いスキルが求められるため、誰にでもできるものではありません。また、ファシリテートの具体的な役割についても理解しておく必要があるでしょう。

そこで今回は、ファシリテートがどのようなものなのか、メリットや必要なスキル、役割などを紹介します。

ファシリテーションとは

ファシリテーションとは会議や研修、プロジェクトなどを実施する際、最大限の効果が得られるように議論や活動をサジェスト、サポートすることです。また、ファシリテートを行う人材は「ファシリテーター」と呼ばれます。

集団で議論などを行う際は、スタッフ間の意見や価値観が衝突したり、議論が本筋から外れてしまったりすることが多いでしょう。そのため、ファシリテーターが議論を整理し、本来の目的を達成できるようにサポートしていく必要があるのです。

つまり、スタッフ間の認識統一や相互理解を促し、ひとつの目標に向かっていけるようサポートすることがファシリテートだといえます。なお、ファシリテーターは会議や研修、プロジェクトなどの司会・進行役としてアサインされる場合が多いのですが、単独でアサインされる場合もあります。

プレゼン

ファシリテーションを実施する目的

ファシリテーションを実施する目的は、会議や研修、プロジェクトに参加するスタッフの認識や相互理解を促して、目的を達成することです。また、そのために、スタッフ間の腹落ち感を生み出すこともファシリテートの重要な目的といえるでしょう。

年齢や性別、スキルやバックグランド、価値観などが異なるスタッフ同士で議論をすると、衝突する機会が増えます。そのため、議論をスタッフだけに任せておくと、期待した成果が得られない可能性が高くなるのです。

したがって、価値観やスキルが異なるスタッフの意見をとりまとめ、全員に腹落ちさせたうえで、ひとつの目的達成に注力させるためには、ファシリテーターの存在が欠かせません。

ファシリテーションが注目される背景

近年、働き方が大きく変わったため、従前の日本的な縦割り組織の企業は少なくなりました。一方、多くの企業でグローバル化が進み、日本人以外のスタッフも増えている状況です。

その結果、レイヤーや年齢、性別だけでなく、国籍が違うスタッフ間がコミュニケーションをとる機会も増えており、意思統一や価値観の相互理解が以前に比べて困難になったため、ファシリテートのニーズが高まっています。また、従前の縦社会ではなくネットワーク型の社会に変容したことで、集団で意思決定を行わなくてはいけないケースが増えていることも、ファシリテートが注目を集める背景といえるでしょう。

ファシリテーションのメリット

会議や研修、プロジェクトにファシリテーターを参加させると、生産性の向上やスタッフ間のシナジー創出が期待できる点がメリットです。

生産性の向上

会議や研修、プロジェクトでファシリテートを実施するメリットは、なんといっても生産性が向上する点でしょう。スタッフだけで議論を行うと、本筋からずれたり、議論に多くの時間を使ったりした結果、本来の目的を達成できない可能性が高くなります。

しかし、ファシリテーターが参加していれば、議論が本筋からずれたときでも、一度整理して本来の方向へ戻すことが可能でしょう。また、ファシリテーター自身が目的を理解していれば、スケジュール内のクロージングもしやすくなります。

よって、会議や研修、プロジェクトの生産性を高めるためには、ファシリテートが不可欠です。

メンバー間のシナジー創出

多様性のあるスタッフが議論をすることで、ときには思いがけないようなアイデアが生まれる可能性もあります。そのため、スタッフ間が話しやすい雰囲気をつくることもファシリテートの重要な役割です。

メンバー間のシナジーを創出するためには、ファシリテーターには価値観や意見が異なるスタッフが衝突しないように留意し、相互理解を促すことが求められます。多様性のあるスタッフ同士が、活発に議論できる場を作れるかどうかが、ファシリテーターの腕の見せ所だといえるでしょう。

ファシリテーターが担う6つの役割

効果的なファシリテートを実施するためには、ファシリテーターが担うべき役割をまっとうすることが不可欠です。ファシリテートには大きく6つの役割があるので、それぞれについて理解しておきましょう。

 役割1. ゴール設定

ファシリテートをする際には、会議や研修、プロジェクトのゴール設定が不可欠です。参加するスタッフ全員の合意をとったうえで、結論を導く必要があります。

そのためには、以下のような合意形成のステップを踏むと効果的でしょう。

・ステップ1:場の目的の共有・合意(何のためにこの場があるのか)

・ステップ2:アクションの理由を共有・合意(なぜこのアクションなのか)

・ステップ3:アクションの選択と合意(具体的に何をするのか)

・ステップ4:実行プラン・コミットの確認・共有(だれが、いつままでに、何をするのか)

ファシリテートを行う際には、議論の出発点と到達点を明確化しておくことが必要です。上記のような合意形成のステップを踏むことで、スタッフ全員のベクトルを統一しやすくなるでしょう。

役割2. 参加スタッフの把握

スムーズにファシリテートを行うためには、会議や研修、プロジェクトに参加するスタッフの立場や職種、スキルなどの情報を事前に把握しておくことが必要です。

同じ部署やグループで働くスタッフ同士の場合は、仕事のやり方や常識などについて、ある程度の合意が取れているかもしれません。しかし、まったく背景の違うスタッフ同士が議論をする場合、そうはいきません。そのため、ファシリテーターがそれぞれのスタッフが保有しているスキルや情報の違いを把握し適宜フォローアップにまわることで、スムーズに議論を進めやすくなるでしょう。

具体的には、以下のような情報が挙げられます。

・今回の目的や課題に対する認識度

・目的や課題に対する意見の内容

・役職や業務ミッション

・議論のキーパーソン

・参加スタッフ同士の関係性

など

ただし、事前にすべての情報を得ることは困難なので、ファシリテーターは議論を進めながら情報を収集していく必要があります。

役割3. 雰囲気作り

多様な意見を集めるための雰囲気作りも、ファシリテートの重要な役割です。年齢や性別、役職、部署が違うスタッフが一同に会して議論を行う場合、どうしても一部のスタッフばかりが話すケースが多くなります。もちろん、議論におけるキーパーソンの存在は重要ですが、多様性のある意見を集めるためには、参加するスタッフ全員から意見を聞くことが不可欠です。

そのためファシリテーターは、できるだけ参加するスタッフが発言しやすい、興味をもちやすいテーマから議論をスタートするといった工夫をするべきでしょう。スタッフ同士のコミュニケーションを強化しつつ、お互いの意見を尊重しあう雰囲気作りをこころがけ、スタッフ間のシナジーや新しいアイデアの創出を実現することが、ファシリテートの役割です。

役割4. 軌道修正

多様性のある意見を出してもらうのはよいことですが、議論が本筋からずれる可能性が高い点はデメリットだといえるでしょう。したがって、議論の生産性を高めるためには、本筋からずれた場合、話を戻すためのファシリテートが必要です。

必要に応じて、本来の目的をスタッフとともに再度認識しなおしましょう。もちろん、議論が盛り上がることはよいことなので、ファシリテーターが冷静に判断して、議論を整理するタイミングを見極めることが大切です。

役割5. タイムキーピング

業務に与えられた時間は有限です。議論や研修、プロジェクトにおいては、スケジュール内に結果を出すことが求められます。

したがって、ファシリテーターはスケジュール内に議論をクロージングさせるために、セッションごとに必要な時間を事前に設定しておきましょう。それぞれの議論やワークをはじめる際には、参加スタッフへ時間を周知し、タイムキーピングをしながらファシリテートを行う必要があります。

なお、議論の進み方によっては、時間配分が変わることもありますので、その場合は柔軟にスケジュールを調整しましょう。

役割6. クロージング

ファシリテーターは会議や研修、プロジェクトの最後に、議論をクロージングさせる役割を担います。議論の最後に状況を整理して、「誰が」「いつまでに」「何をするのか」を明確化にしたうえで、参加スタッフ全員のコンセンサスをとることがゴールです。

もし、最初に設定した目的やゴールに達しなかった場合は、「できたこと」と「できなかった」ことを明確化したうえで、今後のキャッチアッププランをまとめておく必要があります。

ファシリテーションの実施に必要なスキル

ファシリテーションはさまざまな役割を担っているため、実施するファシリテーターには高いスキルが要求されます。ファシリテートに必須といわれる4つのスキルについて紹介します。

理解力

ファシリテーターには、さまざまな参加スタッフの意図を瞬時にくみ取れる理解力が必要です。スタッフの発言内容をすぐに理解できないと、議論をスムーズに進行できません。

議論中には、多くのスタッフから多様な意見やアイデアが出てきます。よってファシリテーターには、それらすべてについて、どのような意図や意味があるのか理解するスキルが求められます。

倫理的思考力

スタッフの意見やアイデアの内容を理解できたら、それらを咀嚼して他の参加スタッフが理解しやすいように言語化するための論理的思考力も、ファシリテーターに欠かせないスキルです。

ファシリテートを実施する際には、議論中の発言内容や論点を分析して、趣旨や目的を言語化し、意思決定に必要なポイントをフォーカスしていく必要があります。また、議論が本筋からずれたと判断するためにも、ファシリテーターには論理的思考力が欠かせません。

質問力

発言内容が不明瞭なときや、真意がわかりづらいときなどには、ファシリテーターの質問力が試されます。質問力とは、不明点や疑問点を発言者に問いかけるスキルです。

発言内容が不明瞭なときは「〇〇は●●という意味ですか?」「△△については、どのようにお考えですか?」など、参加しているスタッフ全員の疑問点を代弁できるようにこころがける必要があります。参加者全員が発言内容の真意を把握できるように、ファシリテートしましょう。

傾聴力

発言するスタッフの話に真摯に耳を傾ける傾聴力も、ファシリテーターの必須スキルです。話をしっかり聞くためには、発言するスタッフに体の向きと目線を合わせ、相槌をうったり、うなずいたりする必要があります。また、適宜発言内容を要約して、理解していることを示すことも大切です。

ファシリテートの進め方

会議や研修、プロジェクトなどでファシリテートを実施する場合には、事前準備や段取りが必要です。実際に会議やワークショップでファシリテートを実施する際の、おおまかな流れを解説します。

会議でのファシリテートの進め方

会議のファシリテートを担当する場合は、会議前、会議中、会議後にそれぞれ実施するべきことがあります。

・会議前

会議の前には、会議の目的やゴール、進行の段取りなどについて決めておきましょう。また、会議中に使用する資料やツールの確認や準備、議論に使用するフレームワーク、会議の進行ルールなどの確認も必要です。

・会議中

会議中は参加者が目標を達成するためのサポートが中心です。前述した、

・ゴール設定

・参加スタッフの把握

・雰囲気作り

・軌道修正

・タイムキーピング

・クロージング

という6つの役割をこなし、時間内に目的を達成できるように進行します。

・会議後

会議後は、会議の振り返りを行い、クロージングした結果を参加スタッフ全員で合意します。また、次回の会議までの宿題を明確化し、担当者のアサインを行っておきましょう。なお、議事録に関しては、ファシリテーターが作成する場合もありますが、専任の担当者に任せる場合があるなどケースバイケースです。

ワークショップでのファシリテートの進め方

ワークショップにおけるファシリテーションの進行についても、基本的には会議のときと同じです。ただし、会議とは異なり、違う部署や立場のスタッフが参加するため、活発な意見交換が行えるような雰囲気作りが重要になります。

・ワークショップの事前準備

ワークショップも会議と同様、利用する資料やツール、実施ルールなどの準備が必要です。ただし、ワークショップは講義などの座学よりも、ワークがメインになります。そのため、参加するスタッフが、主体性を持って取り組めるように工夫や仕掛けを準備しておきましょう。

・ワークショップの開催中

会議のファシリテートと段取り自体は基本的に同じです。会議とワークショップの相違点は、全社がスタッフ同士の議論がメインである点に対して、後者は対話がメインとなります。そのため、ファシリテーターは参加するスタッフ同士がお互いの意見を尊重し、多様性を認め合えるように促すことを注力しましょう。

・ワークショップの終了後

ワークショップの終了後は、参加したスタッフ全員で内容を振り返り、業務などに活かせるポイントがないか確認しておきましょう。ワークショップで学んだ知識やスキルを身につけるためには、やりっぱなしにせず、実際に業務で活用することが不可欠だからです。

ファシリテートはビジネスパーソンに必須のスキル

会議や研修、プロジェクトなどで、参加スタッフの多様な意見を集約して、全員の合意をとったうえでクロージングさせるファシリテートを行うためには、高いスキルが必要です。ファシリテートは、普段の業務においても活用できるシーンが多いため、すべてのビジネスパーソンが習得するべきスキルだといえるでしょう。

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