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ナレッジマネジメントは必要!?メリットや注意点とお役立ちツールを紹介

ナレッジマネジメントは、今日のビジネス環境で不可欠な要素となっています。
情報が溢れるこの時代において、知識を効果的に管理し、活用することは企業の成長と成功に欠かせません。

この記事では、ナレッジマネジメントの多岐にわたるメリットと、その実践における注意点を深く掘り下げ、さらに業務を効率化するための役立つツールも紹介します。

●ナレッジマネジメントのメリット
●ナレッジマネジメントの注意点
●ナレッジマネジメントのタイプ
●役に立つツールの種類
などを中心に情報の整理やチームの生産性向上に役立つ情報をまとめましたので、参考にしてください。

目次

ナレッジマネジメントとは?

「ナレッジマネジメント」は、知識やスキル、ノウハウなど、業務上で役立つ情報を組織全体で共有し、活用することです。
「知識管理」や「知識経営」とも呼ばれており、個々の従業員が持つ貴重なナレッジを組織全体で有効利用することで、全体の効率化と競争力の向上を図る戦略として用いられています。

ナレッジマネジメントの仕組み:SECIモデル(セキモデル)

ナレッジマネジメントには、SECIモデル(セキモデル)という代表的な枠組みがあります。
目に見えない知識(暗黙知)を組織の中で見えるように共有し、アクセスを容易にしていくことがナレッジマネジメントの本質です。


(出典:野中郁次郎、紺野 登『知識経営のすすめ』)

暗黙知

暗黙知は、個人の経験や感覚に基づく、言語化や形式化が困難な知識です。この知識は、個人の内部に存在し、直接的な表現には現れにくいものです。
暗黙知は、組織内の個々の経験やスキルとして重要な役割を果たします。

形式知

形式知は、文書化や数値化が可能な、明確で共有しやすい知識です。
この知識は、マニュアルやデータベースなどに具体的に記録され、組織内で容易に共有されます。
形式知は、組織の効率化と知識共有の基盤を提供します。

共同化

共同化は、暗黙知を共有するプロセスです。これは、コミュニケーションや共同作業を通じて、個人の知識や経験を他のメンバーと共有することを指します。
共同化を通じて、チーム内での深い理解と知識の交流が促進されます。

表出化

表出化は、暗黙知を形式知に変換するプロセスです。
これにより、個人の経験やスキルが具体的な言葉や文書として表現され、組織全体で共有可能になります。
表出化は、知識の可視化とアクセスを容易にするために重要です。

連結化

連結化は、異なる形式知を組み合わせることにより、新たな知識を創出するプロセスです。これは、既存の情報やデータを新しい文脈で結び付け、革新的なアイディアや解決策を生み出すことを可能にします。

内面化

内面化は、形式知を個人の暗黙知に取り込むプロセスです。
このプロセスを通じて、文書化された知識が個人の経験やスキルとして吸収され、実践的な能力の向上につながります。
内面化により、個人の成長と組織の知識基盤が強化されます。

ナレッジマネジメントが必要になっている背景

ナレッジマネジメントが重要視されている背景に
●リモートワークの発達
●技術や知識の継承が困難になっている
●雇用の流動化が注目されている
などがあげられます。
順に解説していきます。

リモートワークの発達によって知識の共有が必須に

テクノロジーの進化により、リモートワークが一般化し、従業員が物理的に離れた場所で働くことが増えました。
このため、情報や知識をデジタルで効果的に共有し、アクセスできる環境の構築が必須となっています。

技術や知識の継承が困難になっている

経験豊富な従業員の退職や移動により、貴重な知識やノウハウが失われるリスクがあります。この知識を組織内で共有し、保存することで、その継承と活用が可能になります。

雇用の流動化が注目されている

雇用市場の流動化により、従業員の入れ替わりが活発化しています。
新しい従業員が迅速に業務を習得し、チームに溶け込むための知識共有システムが求められています。
労働人口の不足からも雇用の流動化には注目が集まっているため、従業員の教育観点からもナレッジマネジメントは重要です。

ナレッジマネジメントの4つのタイプ

ナレッジマネジメントには、
①ベストプラクティス共有型
②専門知ネット型
③知的資本型
④顧客知共有型
の4つのタイプがあります。

①ベストプラクティス共有型

ベストプラクティス共有型のナレッジマネジメントは、企業内で最も効果的な方法や手法を共有することに重点を置きます。
例えば、成功したプロジェクトの手法や、問題解決のためのアプローチなどを共有することがこのタイプです。
他の従業員、部門やチームでも同様の成果を再現するためにとられる手法であり、組織内のノウハウを活用することで全体の品質向上を目指します。

②専門知ネット型

専門知ネット型は、特定の専門知識や技能を持つ社員間のネットワークを構築し、その知識の共有と拡散を促すタイプです。
例えば、技術者や研究者などの専門家が情報を共有することで、イノベーションの創出が期待できます。
このタイプは、専門知識が散らばっている大きな組織や多様な分野を持つ企業に特に有効です。

③知的資本型

知的資本型は企業の知的資産の価値を最大化することに焦点を当てます。
例えば特許、商標、ブランドイメージ、顧客リストなどです。
このアプローチでは、これらの資産を活用し、企業の市場価値や競争力を高めることを目指します。
企業の独自の強みを生かした戦略立案に役立つでしょう。

④顧客知共有型

顧客知共有型は、顧客との関係構築や顧客からのフィードバックを重視するタイプです。
顧客のニーズや要望、市場の動向などの情報を共有し、製品やサービスの改善につなげます。
企業が顧客の声を直接的に理解し、それを基にした革新や改善を図ることができるため、顧客満足度の向上や長期的な顧客関係の構築に貢献するナレッジマネジメントです。

ナレッジマネジメントのメリット

ナレッジマネジメントをすることによって得られるメリットを7つ紹介します。
メリット

①企業内で知識や経験の共有ができる

ナレッジマネジメントシステムを活用することで、社員の経験や知識を会社全体で共用することで期待されるのが効率化です。
社内で顧客とのコミュニケーション履歴を情報として保管しておけば、業務の引継ぎがスムーズに進むようになります。

技術面でのプロジェクトにおいては、関与する人々の知識が共有され、より深い分析や査定が可能になります。
従業員が有する重要な知識や情報を会社全域で分かち合い、利用することにより、過去のデータに基づいたより効率的な決定や行動が可能となるのです。

②業務の属人化の防止

ナレッジマネジメントシステムの導入により、業務遂行の個人への依存度を下げることが可能です。
業務が特定の個人に依存する状況では、その人が不在の際に業務が滞ったり、一部の社員に過大な責任が集中したりといった課題が生じがちです。
しかし、ナレッジの集約とアクセスしやすいシステムを構築することにより、業務の効率化と負荷の均等化を実現できます。これにより、個々人の急な欠勤や退職が生じても、業務の継続性が保たれます。

さらに、このシステムは部門間の人事異動時の引継ぎを容易にし、「人事異動の時期に発生する余計な業務負担」を軽減する効果も期待できます。

③関連情報の提示(リコメンデーション)が容易になる

ナレッジマネジメントシステムが充実していると、ユーザーが探している情報に基づき、それに連動する追加の知識を提示することが可能になります。
これにより、ユーザーはより広い範囲の知識を得ることができます。
直接話す際には、関連する全ての情報を詳細に説明するのは、時間が掛かりすぎる上に、全てを記憶することも難しいため、情報の推薦は複雑です。
しかし、ナレッジシステムを通じた推薦では、それほどの労力を必要とせず、ユーザーに対してより広範な情報を手軽に提供できます。

④従業員教育の効率化

企業がナレッジマネジメントツールを用いて、トレーニング資料や教育プログラムを一元管理することも可能です。
新入社員や異動社員が必要な知識を迅速かつ容易に習得できるようになり、経験豊富な従業員が持つ専門知識やノウハウをデジタル化して共有することで、組織内の学習資源としても活用できます。

従業員が必要な知識を容易にアクセスし、自己学習を進められる環境は、教育の質を向上させ、時間とコストの削減にもつながるでしょう。

⑤組織の連携強化

ナレッジマネジメントを導入することで、組織内の部署間の連携が自然に強化され、コミュニケーションの頻度も高まります。
同じ会社内にあるエンジニアリング部門とセールス部門を考えてみましょう。通常これらの部署はあまり密接に連携しないことが多いですが、ナレッジマネジメントを通じて連携を図ることで、エンジニアリング部門の開発状況や人員配置をセールス部門が把握することができるようになります。
これにより、顧客への迅速な対応や納期の正確な提示が可能になります。

特に、ビジネスの変化が激しく、迅速な事業展開が企業成長の鍵となる現代では、このような部門横断的な連携の強化が非常に重要です。

⑥他のツールとナレッジマネジメントツールの連携が可能

ナレッジマネジメントツールが他のツールと連携することもできます。
特に、CRMシステムと統合することで、顧客データと企業のナレッジを一元管理できるようになり、非常に効果的です。
社内の様々な部署で顧客からのフィードバックや問い合わせ内容をリアルタイムで共有しないことによって生じる顧客からの不満を経験されたことはないでしょうか。
社内コミュニケーションの効率化を図れば、顧客からの特定の問い合わせに対して、営業チームとサポートチームが一貫性のある回答を提供することで、「前に聞いた話と違う」といった顧客の混乱や不満を未然に防ぐことが可能です。
また、ナレッジマネジメントツールとCRMの統合は、新規顧客獲得の戦略を立てるうえでも有益な情報を拾えるようになるため、質の高い経営判断にも貢献します。

⑦新しいアイディアの創出

組織内で知識が共有されることにより、従業員は様々な情報や視点に触れることができます。
これは創造的な思考を促し、イノベーションを生み出す土壌を作ります。
例えば、異なる部門の知見が組み合わされることで、全く新しいソリューションやサービスのアイディアが生まれることがあります。また、過去の成功例や失敗から学ぶことで、新たなアプローチが見えてくることもあります。ナレッジマネジメントは、こうした多様な知識の融合を促進し、組織全体の創造性を高める効果があります。新しいアイディアは企業の成長と革新の源泉であり、ナレッジマネジメントはその実現に不可欠な役割を果たします。

ナレッジマネジメントの注意点やデメリット

ナレッジマネジメントにはメリット以外にもデメリットや注意点があることも忘れてはいけません。

システム導入にはコストも時間もかかる

ナレッジマネジメント導入の過程で発生するコストと時間は無視できない要素です。
初期投資として、システムの購入やカスタマイズに関わる費用が必要です。
また、従業員にシステムの使い方を教育するためのトレーニングコストも考慮する必要があります。

しかし、これらのコストは導入時だけではありません。
システムの維持やアップデートにも定期的な投資が求められ、これは企業の規模やシステムの複雑度によって変わります。
時間の面でも、導入プロセスや従業員の適応期間に注目が必要です。
特に新システムへの馴染みと習得には一定の時間がかかり、その過程で業務効率が一時的に低下することも考慮すべきです。

社員に浸透しない可能性

企業がいくら優れたシステムを導入しても、従業員がそれを日常業務に活用しなければ、その効果は半減します。

この問題の根本には、従業員のシステムへの理解不足や適応の難しさがあります。
また、従業員が新しいシステムの利用に抵抗を感じることも少なくありません。
特に、これまでの業務プロセスやツールに慣れ親しんでいる場合、新しいシステムへの移行はスムーズにいかないことが多いです。

さらに、ナレッジマネジメントシステムの利点や使い方が十分に伝わっていない場合、従業員はその必要性を感じず、積極的に活用しようとはしません。
このため、導入初期には従業員向けの研修やワークショップを実施し、システムの利用方法やメリットを丁寧に説明することが重要です。

情報の過多問題

企業内で共有される情報の量が増えると、重要な知識を見つけることが困難になり、結果として業務効率が低下する可能性があります。

情報過多の状態では、従業員は必要な情報を選別するのに多くの時間を費やすことになります。
これは、特にナレッジマネジメントシステムが整理されていない場合や、情報の更新と管理が適切に行われていない場合に顕著です。
情報が古い、または関連性が低い場合、従業員が正確な情報を素早く見つけることが難しくなります。

●ナレッジマネジメントの最適化
●カテゴリの整理
などを通して解決するようにしましょう。

効果測定が難しい

ナレッジマネジメントの目的は、知識の共有や効率化を通じて組織の生産性を向上させることにありますが、これらの成果は直接的な数値で示すことが困難な場合が多いです。

例えば、知識の共有がプロジェクトの成功にどれほど貢献したか、または従業員のスキル向上が業務効率にどのように影響したかを定量的に示すのは容易ではありません。
これは、ナレッジマネジメントの効果が間接的で、長期にわたって現れる傾向があるためです。

この問題に対処するには、ナレッジマネジメントの目標を明確に設定し、可能な限り具体的な指標を用いて効果を評価することが求められます。
しかし、その際にも、数値化できない要素に対しては定性的な評価を組み合わせる必要があります。
従来の数値基準だけでなく、
●従業員の満足度
●業務改善の質
にも目を向けた効果測定が重要です。

ナレッジを共有したくない人もいる

ナレッジマネジメントの実施に際して、一部の従業員が自身の知識や経験を共有したくないという問題が生じることがあります。これは、ナレッジマネジメントの成果を阻害する一因となり得ます。

知識の共有に消極的な理由としては、個人がその知識を自分の競争力や価値の源泉と見なしている場合が挙げられます。
自分の知識が誤っていたり、不完全だったりすることへの恐れも、共有をためらわせる要因です。
従業員が知識を共有することによる個人的、組織的なメリットを認識し、積極的に参加する文化を育てることが、ナレッジマネジメントの成功には不可欠です。

ナレッジマネジメントを導入した方がいいケース

ナレッジマネジメントツールを導入して組織内に知識を蓄積させた方がいいケースを2つ紹介します。
以下のケースに当てはまる場合にはナレッジマネジメントツールを導入して活用した方が、メリットが多くなると思われます。

業務の属人化が課題であるケース

「業務運営が個人依存になっている会社にとって、ナレッジマネジメントの導入は非常に有益です。

その理由は、個々の従業員のみが理解している業務の進行方法やコツなどを文書化し、企業全体で共有することにより、個人依存の問題を解決できるからです。

例えば、次のケースを見てみましょう。

M社に対する注文データの送付手順
ある新設されたカスタマーサービス部門で、主任のBさんが常に担当しており、他の誰もM社への送付手順を知らない状態

ナレッジマネジメントを実施した結果、M社向けの
・送付プロセス
・送付方法
・送付時にM社のどの担当者に連絡するべきか
が明確になり、社員誰でもM社への製品送付が行えるようになりました。

このように、ナレッジマネジメントを取り入れることで、業務の個人依存を解消することが可能です。
「業務の属人化」の問題に直面している企業は、ナレッジマネジメントの活用を積極的に考慮すべきです。

リモートワークに対応しているケース

リモートワークを実践中、もしくは導入を検討している企業において、ナレッジマネジメントの利用は非常に効果的です。

このシステムを取り入れることで、自宅で働く社員が直面する疑問や困難を、共有された知識やガイドラインを参照し、自力で解決することができます。
質問者と回答者の両方が作業を中断する時間が削減され、業務の効率化が図られます。

例として、A社ではリモートワークを導入しましたが、従業員が単独で業務を進める際に情報不足で行き詰まるケースが多発していました。
そこで、ナレッジマネジメントシステムを導入し、社内のプロセスやFAQをデータベース化。
これにより、従業員は自分で問題を調査し、効率的に業務を進めることができるようになりました。

このように、ナレッジをアクセスしやすい形で共有することで、不明点が生じてもすぐに解決し、業務をスムーズに進めることができるようになります。

ナレッジマネジメントツール導入の際の重要ポイント

企業がナレッジマネジメントツールの導入の際に重視したいポイントを紹介します。

使いやすさ

ツールの導入後、社員が実際に利用するには、その使用感が鍵となります。
ツールにナレッジを容易に追加できるか、必要な情報を手軽に探し出せるかを、直接ツールを操作して確認しましょう。

提供形態・アクセスの容易さ

ナレッジマネジメントシステムを導入する際、2種類の形態が存在します。
クラウドベースとオンプレミスです。それぞれの形態には、特有の利点と欠点があります。そのため、どちらの方式が組織にとって最良かを理解し、適切な選択を行うことが重要です。
アクセスの容易さの観点からは、クラウド型の方がいいかもしれません。
オンプレミス型とクラウド型については以下の記事も参考にしてください。
「オンプレミスとクラウドは結局どっちがいい?比較でわかるメリット・デメリット」

無料トライアルの有無

ツールの効果は、実際に使用してみるまで判断が難しいものです。
市場で高い評価を受けているツールであっても、必ずしも自社のニーズに適しているとは限りません。
そのため、導入後に失敗を避けるためには、無料のトライアル期間を利用して、そのツールの全機能を検証することが重要です。

システム連携

ナレッジマネジメントツールは、その他のツールとの組み合わせが可能な点が大きな利点です。
たとえば、営業管理システムやCRMとの統合により、顧客データを一括で扱うことができ、顧客への返答作業をスムーズに進めることが可能です。
さらに、チャットボットを使用する際は、ビジネス用のチャットツールとの互換性を確かめることが重要です。
従業員が日常的に利用しているチャットアプリケーションを通じて情報を取り出せると、蓄積されたナレッジを容易に使えるようになります。

セキュリティ

企業のナレッジマネジメントにおいては、企業秘密や顧客データの保護が非常に重要です。これらの情報が外部に漏れると、企業の評判に悪影響を及ぼす恐れがあります。
ツールのセキュリティレベルを簡易に評価する一つの方法として、そのツールを使用している他の企業や機関の状況を確認することがあげられます。
大手企業や政府機関などに導入されているツールは、セキュリティ面での信頼性が高いと考えられることが多いです。
しかし、導入実績だけではセキュリティの完全性は保証されないため、「具体的にどのようなセキュリティ措置を取っているか」を確しましょう。

サポート体制

システムの導入自体が最終目標ではなく、導入後にそれを効率的に使いこなし、成果を上げることが重要。
トラブルが生じた時に素早く対処できるよう、サポートの体制が整っていることが望ましいです。
サポートの範囲や、そのための費用の有無を事前にチェックすることが大切です。

ナレッジマネジメントツールのタイプ

ナレッジマネジメントツールは大きく次の4種類に分類できます。
社内の課題を解決するために必要なツールを選択するようにしましょう。
①データマイニングツール型
②ヘルプデスク型
③グループウェア型
④知的情報検索型

①データマイニングツール型

「データマイニングツール型」は、ナレッジマネジメントツールの中でも特にデータ分析に重点を置いたタイプです。
このツールは、企業が蓄積した大量のデータから有用な情報やパターンを抽出し、意思決定や戦略立案に役立てることを目的としています。
例えば、顧客データベースから購買傾向や市場のトレンドを分析し、マーケティング戦略の最適化に活用することが可能です。
また、社内の業務データを分析して、プロセスの効率化やコスト削減の機会を見つけ出すこともできます。

このタイプは高度な統計分析や機械学習アルゴリズムを利用して、複雑なデータセットからインサイトを得るのに適しています。
DX時代と呼ばれる現代においては無視できないデータとの関連性が最も高いナレッジマネジメントツールです。
企業が持つ膨大なデータの価値を最大限に引き出すために、データマイニングツール型のナレッジマネジメントは不可欠な存在と言えるでしょう。

②ヘルプデスク型

「ヘルプデスク型」は、特に顧客サポートやITサポートの分野で重要な役割を果たします。このツールは、ユーザーからの問い合わせやトラブルに対応する際に、必要な情報や解決策を迅速に提供するのが目的。
例えば、ZendeskやFreshdeskのようなサービスは、顧客からの問い合わせに効率的に対応するためのデータベースを提供し、過去の事例やFAQを活用して、よりスムーズなカスタマーサービスを実現します。
顧客満足度の向上や問題解決の時間短縮が期待できるだけでなく、企業内のナレッジの蓄積と共有も促進される利点があります。

③グループウェア型

「グループウェア型」のナレッジマネジメントツールは、チームや組織内でのコミュニケーションとコラボレーションを促進することを目的としています。
このタイプのツールには、スケジュール共有、ドキュメント管理、タスク管理、メッセージング機能などが組み込まれており、チームの生産性を高めることができます。

例えば、Microsoftの「Microsoft Teams」や、Googleの「Google Workspace」は、グループウェア型ツールの代表的な例です。
これらのツールは、オンラインでの会議、ファイルの共有、プロジェクト管理、リアルタイムでのコミュニケーションなどを一つのプラットフォームで実現します。
離れた場所にいるメンバー間でもスムーズに情報共有が行え、効率的な協働が可能になります。
特にリモートワークや多地点での業務が増える現代のビジネス環境では、グループウェア型のナレッジマネジメントツールが非常に重要です。

④知的情報検索型

「知的情報検索型」は、大量のデータや情報の中から必要な知識を効率的に検索・抽出することを目的としています。
このツールは、特に情報が膨大で複雑な組織において重要な役割を果たします。

例えば、Google Scholarや企業の内部データベースシステムなどがこれに該当します。
これらのツールは、キーワード検索やフィルタリング機能を用いて、関連する文献、研究報告、プロジェクトの記録などを迅速に見つけ出すことが可能に。
人工知能(AI)を活用した高度な検索アルゴリズムを採用することで、より精度の高い情報検索もできるようにします。

まとめ:ナレッジマネジメントで社内に「知」の共有を

社内の誰かが経験した「こと」や、得た「知識・知見」は組織にとっての財産に成り得ます。
●同じ失敗を他の従業員が繰り返さないようにする
●同じ成功体験を最短効率で他の従業員にもしてもらう
など、ナレッジマネジメントを有効活用して得られる企業のメリットは大きいでしょう。

ナレッジマネジメントの運用には注意点やデメリットもありましたが、それらが障壁とならないのであれば、前向きに検討するのもいいかもしれません。

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