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「叱る」とは何か?信頼される上司を考える

「信頼される上司の3つの条件」

「『叱る』の意味を知っている上司・知らない上司」

「理想の上司は語らず・叱らず」

信頼される上司の理想像については様々な議論があり、色々な考え方があります。
一様に「これこそが理想の上司だ」と言える正解はないのかもしれません。

人間的な持ち味も無視できない所ではありますが、部下への指導の側面で、その上司が理想的なのかどうか、その答えが見えてくるような気がします。

部下との信頼関係の構築が上手くできれば、多少のことは目をつぶってくれるのかもしれませんが、そこに甘んじていけないのは言うまでもありません。
上司と言えども、人間です。
時に感情的になることもあるでしょう。
ただ、感情に振り回されていては部下にも最適な指導はできません。

ここでは部下の指導という観点に絞って、信頼できる理想的な上司の姿について見ていきます。

信頼される上司の3つの条件

上司が信頼されるための条件は、特別なものではありません。
部下であれば、最初のうちは上司に対して、相手への畏敬の念を無意識的に持ってしまっているものですし、これ自体は悪いことではありません。

しかし、冷静になればなるほど、「この上司は少し危ないのかも?」とか、「信頼できない上司かも」というような印象を抱かれているとしたらそれは問題です。
そもそも、一定の権威というものに日本の組織で働く人たちは弱い傾向にあります。
「上司の言うことだから、言われた通りにやっていれば大丈夫」と最初のうちはそう考えるでしょう。

ところが、徐々に仕事ができるようになるにつれて、「本当にこれでいいのか?」と考えるようになります。
隙を作らない信頼できる上司の姿を3つ紹介していきます。

条件①:落ち着きと寛容

物事に動じないことは信頼できる上司の一つ目の条件です。
トラブルが起きた時に、経験したことがない問題であったとしても、冷静に状況を分析し、対応ができる上司は部下からも信頼できる上司に映るでしょう。
その状況を正面から受け入れることができる姿勢が重要です。

これは寛容さにも通ずるところがあります。
感情的にならずに、常に論理的に考える習慣を持っている人は物事を冷静に判断することができます。

また、部下の進言への耳の傾かせ方にも注意が必要です。
部下からの提案について、自分と考えが違うからと言って、正面から感情的に反発する上司は嫌われますが、何でも鵜呑みにするような上司は信頼を失います。

一通りの話を聞き、「その可能性は十分に考えたうえで今の状態に落ち着いている」という説明をすることも重要です。
話は冷静に聞きながらも、上司や会社としての信念・方向性はブラさない姿勢を部下に見せることも信頼につながります。

条件②:平等

叱る時も褒める時も平等という観点を忘れてはいけません。
えこひいきは上司が部下に対して、絶対にやってはいけないことの一つです。

褒める時には「平等」を意識するかもしれませんが、叱る時にはあまり意識しないでしょう。
感情的になっていると、特定の部下ばかりを叱責していることもあるかもしれません。
叱責された部下は、「なんで自分だけ」と思ったり、「自分は指導されていないからあまり見てもらえていないのか」と思ったりしている可能性もあります。

指導するにしても褒めるにしても、平等に接することが大切です。

条件③:責任

「上司の仕事は責任を取ること」というような格言もありますが、チームで仕事をするときのパフォーマンスを高める一つの要素に責任の所在があります。
自分が失敗した時にどのようなペナルティが課せられるのかを気にしながら仕事をするよりも、伸び伸びと仕事をしているときの方が上手くいった経験を一度は持ったことがあるのではないでしょうか。

そのような伸び伸びした仕事を部下にしてもらうためには、上司に責任の所在があるということを知っておいてもらう必要があります。
部下に責任を押し付ける上司の下での仕事のパフォーマンスは低下します。
上司が部下の責任を取るという文化を社内につくっておきましょう。

「叱る」の意味を知っている上司・知らない上司

「叱る」とは何でしょうか。「怒る」という言葉と混同されますが、厳密には違います。
上司が部下への指導をするときには、その指導は業務の一環であり、上司のストレスのはけ口でないということを理解しておく必要があります。
会社の成長のために上司は部下に指導をしますし、叱るのです。

上司であれば、常に自分の言動が部下のために、会社のためになっているものかを考える必要があります。

「叱る」とは何か?「怒る」との違い

一般的に、「叱る」という行為は論理的に相手の至らない部分を指摘し、改善や成長を促すために行うものであるとされています。
これに対して、「怒る」という行為は感情的になり、自分本位な言動によって相手を傷つけやすい行為と見なされます。

仕事上の指導という観点でいえば、「怒る」のではなく、「叱る」ということが大切になるでしょう。
しかし、次の項目でも紹介しますが、正しく叱ることができていれば大丈夫なのかと言えば、そうではありません。
「叱る」という行為にも危険が潜んでいるのです。

叱る依存になっている上司には要注意

「叱る」という行為は、相手に改善すべきポイントを明確に伝え、反省を促すために行われます。
しかし、ここで考えてみて頂きたいのは、叱る側と叱られる側の立ち位置です。

「叱る」が上述したような行為である以上、「叱る」側は100%の正義を掲げ、叱られる側は絶対的に悪い立場になります。
それゆえ、叱る側、指導する側が、「叱る」という行為そのものに快感を覚えてしまっている可能性もあります。

叱る依存になっている上司は部下からの信頼を失う可能性があります。
そこまで改善すべき必要もないところに、指導という名目で部下を叱る上司になっている場合には要注意です。
叱ることに快楽を覚えて、部下の成長よりも自分の快楽を優先させるために叱っている可能性もあります。

依存症的に叱っていないかどうか、客観的に振り返ることが必要でしょう。
繰り返し叱ることは部下の成長を間違いなく阻害させてしまいます。
本当に必要な場面で必要な指導ができるようにしましょう。

「叱り方」を考える前にすべきこと

叱る時には、
◆誰もいないところで、1対1で叱る
◆叱るポイントを多くせずに的を絞る

など、様々ありますが、その方法を考える前に、上司が部下から信頼されているかどうかの分析の方が重要です。

もちろん、叱り方のテクニックのようなものは知らないよりは知っていた方がいいことは当然です。
しかし、そのようなテクニックは部下と上司の信頼関係があって初めて真価を発揮するものであって、それだけでは役に立たないかもしれません。

叱り方の前に上司の見られ方・あり方を考える方が大切です。

理想の上司は語らず・叱らず

理想的な上司、部下育成を任せることができる信頼される上司は、意外にも部下へ多くのことを語りません。
自分が仕事をする姿勢を部下に見せることで学ばせるのです。
これには、ティーチングとコーチングという違いにも表れます。

言葉に出して指導することと、目で見て学ばせる指導の違いについて見ていきましょう。

「語る・叱る」はティーチングと同じ

基礎知識がない人には、その基礎知識を教えるところからスタートしなくてはいけません。
前提となる知識が欠けているのに、「考えて仕事をしろ」というような抽象的な指示を出したとしても考える材料がないので、難しくなるでしょう。

何も分からない部下には仕事のいろはを教えなくてはいけません。
時には叱ることが必要になるかもしれませんし、口うるさく言葉で伝えないといけない部分も出てくるかもしれません。

上司が部下へ「語る・叱る」というのは、ティーチングの要素が強いと言えます。
的を絞って教えることができるのはメリットですが、応用が利かないというデメリットもあります。

「語らず・叱らず」はコーチングと同じ

「語る・叱る」がティーチングであるのに対して、「語らず・叱らず」はコーチングに似ています。
部下に考えさせるということになりますから、あれこれ上司が答えを教えるような指導方法ではいけません。

手取り足取り指導をしていくのでは、上司にとっても部下にとっても仕事の効率を感がえるとあまりいいものとは言えません。
ある程度の仕事ができるようになった部下に対しては、多くを語らずに自分で考えてもらうような教育方法にシフトしていった方がよいでしょう。
コーチングの最大のメリットは、学び方を知ってしまえば、上司や教育係が指導しなくても成長してくれるところにあります。

正しい物事の考え方、根本的に重要な幹の部分はしっかりとティーチングによって確立させ、それ以外の枝葉の部分はコーチングによって育成していくことが効率も成果も上がる部下育成です。

理想の上司は背中で語る

部下から信頼される理想の上司はコーチングスキルが高い上司であることが多いです。
理想的な上司は、あまり多くを語らず、感情的に叱ることもなく、仕事をしている姿を部下に見せます。

部下はその上司が仕事をしている背中を見てたくさんのことを学ぶのです。
時には叱責したくなることもあるかもしれませんが、部下育成を長い目で見た時には、そこを堪えて部下育成の方法をコーチングに移行するのはいかがでしょうか。

まとめ:「叱る」から脱却した指導ができて理想の上司

今は部下でも、将来的には誰かの上司になるでしょう。
将来の上司は、今まで自分の上司であった人の教育方法や仕事の方法を部下に教えることになります。

つまり、今の部下にどのような指導をしていくのかは、将来的には会社の教育の方法に関する文化を作り上げていくことになるのです。
少し大袈裟かもしれませんが、将来的に最もよい部下の育成方法がどのようなものなのかを時間をとって考えるのがよいかもしれません。

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