リーダーシップ研修とは?目的や内容、参加対象者、実施方法などを紹介
「リーダーシップ研修とは?」
「リーダーシップ研修の目的や内容とは?」
「リーダーシップ研修の参加対象者は?」
多くの企業で実施されているリーダーシップ研修。参加対象者が広く、若手から中堅まで多くの方が参加される研修といえるでしょう。
少子高齢化による労働人口減少の影響で人材の採用が困難になっており、社内のスタッフを育成し生産性を上げることが、多くの企業で急務な課題となっています。そのためには、優れたリーダーの育成が欠かせません。
今回は、リーダーシップ研修の目的や内容、参加対象者、実施方法などを紹介するので、参考にしてみてください。
目次
リーダーシップ研修とは
リーダーシップ研修とは、管理職やリーダー候補といった、社内でリーダーシップを発揮してもらいたいスタッフに対して行う研修です。リーダーシップ研修の最終目的は、会社の生産性向上や収益増加といえます。そのためには、部下に目標を達成させるリーダーのスキルアップが欠かせません。
例えば、リーダーシップの発揮方法や、部下の目標設定、管理、マネジメントをはじめ、スキルアップさせるためのコーチングなど、リーダーシップ研修で学ぶ内容は多岐にわたります。一朝一夕で学べる内容ではないため、入社後、適性のあるスタッフを定期的に集め、リーダーシップ研修を受講させる必要があるのです。
リーダーシップ研修が注目される背景
多くの企業がリーダーシップ研修に注力する背景には、労働人口の減少と急激な市場の変化による影響があります。それぞれの背景とリーダーシップ研修との関連性について解説します。
労働人口の減少
我が国は少子高齢化の影響で、年々労働人口が減少傾向にあります。近年、すべての企業において、優れた人材の採用と育成が急務な課題になっている状況です。
採用市場は完全な売り手市場へとシフトしており、多くの企業において社内リソースを有効活用する必然性が高まっています。会社の業績目標を達成するためには、部門目標にブレークダウンし、スタッフごとの役割分担が必要です。
そのため、目標達成ができるようにリーダーシップを発揮し、スタッフのマネジメントや育成が行える優れたリーダーの存在が望まれおり、リーダーシップ研修を実施する企業が増えています。優れたリーダーを育成することで、部内スタッフもレベルアップし、会社全体の生産性向上が期待できるでしょう。
急速な市場の変化
テクノロジーやITの発展スピードの速さと外部環境の大きな変化によって、現在はVUCAと呼ばれる先が読みづらい時代となりました。企業が他社との差別化を図り、市場における競争力を高めるためには、時代の変化に合わせた柔軟な対応が必要です。
そのため、強いリーダーシップを発揮して、新商品やサービス、新規事業の開発をスピーディーに行えるリーダーが、多くの企業で求められています。
また、会社が変わるためには、社内のスタッフ一人ひとりの成長も不可欠です。スタッフが部内の目標を達成できるスキルを身につけられるよう育成することも、リーダーの大切な仕事だといえます。
これらの理由から、会社の成長には優れたリーダーの育成が不可欠であり、その手段としてリーダーシップ研修が活用されているのです。
働きかたの多様化
リーダーシップ研修が重視されるようになった背景には、働き方の多様化もあります。
新型コロナウイルスの影響で、近年テレワークを実施する企業が増えました。この影響により、スタッフ間のコミュニケーションがとりづらくなり、生産性に悪影響が出ているケースが散見されます。そのため、リーダーにはメンバーと密にコミュニケーションをとって、生産性を上げるためのスキルが必要です。
また、テレワークの浸透によって、スタッフの多様化も進んでいます。よって、リーダーは多様な価値観やスキルを持つスタッフの特性を把握し、適材適所にアサインしたうえで、目標達成を必達するスキルも必要でしょう。
一方、年功序列制が崩壊しつつある中で、成果主義志向が高まっています。多くの企業が国内市場はもちろん、グローバルの市場も視野に入れて戦うための体制を構築するためには、確実に成果を上げ続けるスタッフの育成が不可欠です。そして、そのためには優れたリーダーによるスタッフのマネジメントと育成が欠かせない要素といえるでしょう。
リーダーシップ研修の参加対象者
リーダーシップ研修は、職責が変化しマネジメント対象の部下が増えるタイミングごとに、受講するケースが一般的です。リーダーシップ研修のおもな参加対象者としては、管理職、中堅社員、次期リーダー候補が挙げられます。
管理職
部長や課長などの管理職に昇進・採用されたスタッフは、リーダーシップ研修を受講することが一般的です。管理職はリーダーシップ研修受講者のボリュームゾーンといえるでしょう。
管理職に求められる職務は、一般スタッフとは大きく異なります。そのため、リーダーの仕事がどのようなことか学ぶとともに、必要なスキルを把握して成長してもらうために、リーダーシップ研修の受講が必要です。つまり、管理職として働くための心構えとスキルを養う場がリーダーシップ研修といえるでしょう。
また、既存管理職向けにも、スキルアップ研修が実施される場合があります。リーダーとしてのスキルに不安があるスタッフや、企業側が強化したいと考えるスタッフを対象に実施されることが一般的です。
中堅社員
次期管理職候補の中堅社員に対して、リーダーシップ研修が実施される場合も多いです。早い段階から管理職になり得る人材を育成しておくことで、社内におけるリーダー不在状態を回避することがおもな目的といえるでしょう。
管理職になったばかりのスタッフの中には、まだリーダーとしての十分な能力が伴わないケースもあります。つまり、部署内に強力なリーダーが不在になる期間が存在することと同義です。
しかし、市場の急速な変化はリーダーの成長を待ってはくれません。そのため、優れた中堅社員を選出し、管理職候補として早期からリーダーシップ研修で育成する企業が増えています。
次期リーダー候補
次期リーダー候補になり得る、優秀な若手社員を対象にリーダーシップ研修を実施するケースもあります。若手で数名の部下を率いる人材を対象に、リーダーに必要な基本的なスキルを学んでもらうことが目的です。
ただし、近年はチームリーダーや管理職候補のスタッフだけでなく、経営者や役員候補を選ぶ企業も増加傾向です。つまり、自社の未来を任せられる優秀なスタッフを育成するために、先行投資としてリーダー研修を実施します。
リーダーシップ研修の実施目的
リーダーシップ研修の実施目的はリーダーとして必要なスキルを学ぶことも当然ですが、もっとも重要なものは、リーダーとしての役割とリーダーシップへの理解でしょう。
リーダーとしての役割を認識するため
リーダーシップ研修の中では、リーダーに求められる3つの役割を理解させることが必須です。
・ビジョンの設定
・部下の育成、動機づけ
・意思決定
まずリーダーは、部門やチーム全体でミッションを達成するために「何をするべきかのか」「どのような組織になるべきなのか」「どのようなスタッフが必要なのか」といったビジョンの設定を行う必要があります。つまり、この部門やチームで実現したい未来を、スタッフへ明示しなくてはいけません。
部門やチームで成果を上げるためには、スタッフの生産性向上が不可欠です。そのためにはチームの結束力が必要となり、スタッフの拠り所となるビジョンをどう設定するかが、リーダーの腕の見せ所といえるでしょう。
部下の育成と動機づけもリーダーの重要な役割です。部下となるスタッフが部門やチームの目標を達成できるよう育成するためには、単純に指示をするだけではいけません。リーダー自身が部下と課題を共有し「次に何をするべきなのか」気づきを与え、自走できるように促すことが大切です。
そして、リーダーのもっとも重要な役割のひとつが意思決定です。ビジョンを設定し、優秀な部下を育成できたとしても、不測の事態やトラブルの発生は避けられません。そのような局面において、部門やチームとして的確な判断を迅速に下さなくてはいけないのがリーダーです。そのためには、リーダー自身のスキルアップが欠かせません。
リーダーシップへの理解を促すため
リーダーが発揮するべきスキルであるリーダーシップは、さまざまなタイプがあります。したがって、自分がどのタイプのリーダーシップを発揮する人材なのかを把握することも、リーダーシップ研修の実施目的のひとつです。
リーダーシップのタイプは非常にたくさんありますが、大きく以下の3つに分類されるでしょう。
・専制型リーダーシップ:部下に具体的な指示を与え、管理するタイプのリーダーシップ
・民主型リーダーシップ:部下の行動をサポートし、行動や意思決定のバックアップを中心に行うタイプのリーダーシップ
・放任型リーダーシップ:部下の行動には深く関与せず、自走させるタイプのリーダーシップ
まず、リーダーは自分自身がどのタイプのリーダーシップに秀でているのかを把握し、強みを活かしつつ、弱みを組織全体でサポートできる体制を構築する必要があります。どのタイプが正解というものではないので、自分がどのタイプに近いか把握することで、強化しなくてはいけないスキルや、部下に任せるべき業務の適正化が行うことが大切です。
リーダーシップ研修の内容
リーダーシップ研修で学べる一般的な内容を紹介します。もちろん受講者や企業ごとに細かい内容は異なりますが、普遍的な内容としては以下の通りです。
リーダーに必要な役割
リーダーシップ研修では、そもそもリーダーの仕事がどのようなものか受講者に理解してもらうことが必要です。
例えば、リーダーのおもな役割としては、
・部門(チーム)目標の達成
・部下のマネジメント
・ビジョンや目標設定
・部下の育成
などが挙げれます。
また、これらを実現するためには、この後解説するコミュニケーション能力やコーチング力をはじめ、リーダーシップやティーチングなどさまざまなスキルが必要です。ただし、これらのスキルは体系化されているものが多く、誰にでも学べるものなので、リーダーシップ研修を活用してスキルアップができます。
コミュニケーション能力
リーダーは部下だけでなく、社内外のさまざまな人々との接点が多いため、高いコミュニケーション能力が不可欠です。また、コミュニケーション能力を伸ばすためには、さまざまなスキルの向上が必要になり、リーダーシップ研修の内容には必ず含まれます。
例えば、相手の話をしっかり聞く傾聴スキルや、相手の真意を見極め、適切な対応や提案を行うためのロジカルシンキングやクリティカルシンキングといったスキルを習得すると、コミュニケーション能力を伸ばしやすくなるでしょう。
なお、クリティカルシンキングについては、以下の記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
クリティカルシンキングを身につけよう!活用メリットや鍛える方法などを紹介(←今回作成した別記事への内部リンク)
部門目標を達成するためには、部下の育成が欠かせませんが、そのためには親密なコミュニケーションが不可欠です。部下と何でも話し合える関係性を構築するためにも、リーダーのコミュニケーション能力強化は欠かせません。
コミュニケーション能力はリーダーシップを発揮するうえで非常に重要なスキルですが、同時に難しいものでもあります。そのため、コミュニケーション研修を別に設けて受講させるケースも多いです。コミュニケーション研修については、以下の記事を参考にしてみてください。
コミュニケーション研修の実施目的とは?メリットや研修内容、成功のポイントを紹介(←今回作成した別記事への内部リンク)
コーチング力
部下を育成するためには、コーチング力の強化も必要なため、リーダーシップ研修では必須の内容です。コーチング力とは、部下に課題を与え成長させるためのスキルといえるでしょう。
部下を育成するためには、対話を行ったうえで、適性な課題設定を実施し、適切なタイミングで指導し、褒める・叱ることが重要です。また、コーチングの際には、リーダーが指示ばかりしないように気を付ける必要があります。あまり指示ばかりしていると、部下が指示待ちになってしまい、自走できなくなってしまうからです。
コーチング力を強化し、部下を育成できれば、部門やチームの生産性が向上し、目標達成により近づけるでしょう。
リーダーとしての仕事の進めかた
リーダー研修では、リーダーとしての仕事の進め方についても学びます。一般的なリーダーの仕事の流れは、以下の通りです。
・部門・チームの目標作成
↓
・部下の目標設定
↓
・定期的に業務フォローするためのMTG
↓
・部下一人ひとりの育成を行う1on1の実施
↓
・期末の実績確認
↓
・部下の評価
もちろん、企業やリーダーシップのタイプなどによって、仕事の流れは若干変わりますが、概ね上記のような流れで、日々の業務が進みます。
リーダーは自身の仕事の進め方を理解し、その都度必要になるスキルを習得しなければいけません。また、抜けもれなく業務を遂行、管理するために、部下だけでなく自身のタスク管理も欠かせないでしょう。
リーダーシップ研修の実施方法
リーダーシップ研修の実施方法は、以下の3種類が考えられます。社内事情や参加者などに応じて、自社にマッチした方法で実施しましょう。
社内研修
社内研修とは、自社の会議室やホールなどに社員を集めて実施するタイプの研修です。おもに外部の講師を招いて行うことが多いですが、社内のスタッフが講師を担当するケースもあります。
社内研修のメリットは自社で実施するため、多くの人間が参加できコストが安価で済む点です。
社外研修
社外研修とは、外部の研修会社やコンサル会社などが実施する研修に、自社のスタッフを派遣して参加させる研修です。広い視点や最新のスキルが身に付く点がメリットですが、多くのスタッフを派遣できない点とコストが割高な点は、社外研修のデメリットだといえるでしょう。
オンライン研修
オンライン研修とは、ZoomなどのWEB会議ツールを活用したウェビナー形式の研修です。
受講者が自宅で参加できるため利用しやすい点やコストが安く済む点がメリットな反面、学習モチベーション維持が困難な点がオンライン研修のデメリットだといえます。
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