部下への支配欲が強い上司は要注意!?パワハラ気質があるかどうかのセルフチェック項目

部下を強く支配したがる上司は、実はパワハラ(パワーハラスメント)気質の表れかもしれません。
あなたは部下に厳しく接する中で、いつの間にか行き過ぎた言動をしていないでしょうか?
本記事では中小企業の経営者や管理職など、部下を持つすべてのビジネスパーソンを対象に、パワハラの定義や部下への過度な支配がもたらす悪影響を解説します。
目次
支配欲が強い上司とは何か?パワハラとの関係
職場のパワハラとは?許される指導との違い
まず押さえておきたいのは「パワーハラスメント(パワハラ)の定義」です。
厚生労働省によれば、職場におけるパワハラとは次の3つ全てを満たす言動を指します。
●優越的な関係(立場の上下関係や人間関係の力差)を背景にした言動であること
●業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動であること
●それにより相手の就業環境が害されること(精神的・身体的苦痛を与える、職場環境を悪化させる)
上記に該当しない、業務上必要で適切な範囲での指導や注意はパワハラにはなりません。例えば新人指導で業務上必要な範囲で厳しく注意すること自体は問題ないケースもあります。
しかし、「適切な指導」と「パワハラ」は紙一重です。仮に指導の名目であっても、必要以上に長時間にわたり罵倒したり人格否定をする行為は「業務上必要な範囲」を超えておりパワハラとなります。
特に上司という優位な立場からの言動は部下に与える影響が大きいため、一歩間違えればパワハラになり得ることを肝に銘じておきましょう。
「支配欲」とは?上司の心理に潜む「コントロールしたい」欲求
支配欲とは文字通り「他人を自分の思い通りに支配したいという欲望」のこと。
例えば部下の考えや行動を細かく束縛し、自分の意のままに動かすことで満足感を得る一方、思い通りに人を動かせないと強い不満を感じる――そんな心の動きが「支配欲が強い」状態です。
上司という立場の人間にこの支配欲が強く表れると、「部下は自分に従わせるものだ」「自分の指示通りに動かない部下は許せない」という極端な考えに陥りがちです。
では、なぜ支配欲が強い上司が生まれてしまうのでしょうか。
その背景には上司側の心理的特性が関係しています。
「自分だけが正しい」という信念が強く、自身の過去の成功体験に固執するタイプは要注意です。
こうした人は自分のやり方に自信を持って疑わず、部下にも同じやり方を強要しがち。
プライドが高く年齢やキャリアとともに更に支配欲が増していく傾向もあり、まさに「自分の思い通りにならないと気が済まない」という態度が顕著になります。
パワハラ加害者に多い性格傾向:自己愛型・共感力の欠如
支配欲の強い上司には、心理学的に見て自己愛が強い(ナルシシズム)タイプが多いとも指摘されています。
精神科医の井上智介氏によれば、「キレやすい上司(すぐ怒って部下に当たる上司)の多くは支配欲や自己愛が強い人」だといいます。
自分の感情やプライドを最優先し、部下が少しでも自分の思い通りに動かないと腹を立てて怒鳴ったりするのです。
例えば部下が上司と異なる意見を述べたり、指示と違うやり方で仕事を進めたりすると、「なぜ俺の言う通りにしないんだ!」と感情的にキレる――そんな上司はまさにこのタイプでしょう。
さらに近年の研究では、パワハラ行為者になりやすい人の性格として「ダークトライアド」と呼ばれる特性(マキャベリズム・サイコパシー・ナルシシズムの三要素)が注目されています。
これらに共通するのは他者への共感の欠如や自己中心性であり、実際パワハラ上司は自分の言動が相手に与える影響について無自覚なケースが多いと指摘されています。
要するに、部下の痛みや辛さに思いが至らず、自分の支配欲のままに振る舞ってしまうわけです。
管理と支配は紙一重:勘違いしやすい「厳しさ」の境界線
支配欲が強い上司は、「部下を管理すること=部下を従わせること」という勘違いをしている場合があります。
もちろん管理職にとって部下を適切に指導・統制することは重要ですが、それはあくまで業務目標を達成したり部下の成長を促すためのもの。
しかし支配型の上司は「とにかく自分の指示どおりに動かすこと」自体が目的化し、「従わない部下はサボっている」「厳しく叱るのが教育だ」などと考えがちです。
重要なのは「細かく指示を出すこと」と「非合理な要求や感情的な叱責をすること」は全く違うという点です。
前者は必要に応じて有効な場合もありますが、後者まで及ぶと立派なパワハラ行為です。例えば「ミスを絶対に許さない」「部下に考えさせず何でも報告させる」など過度に締め付ける姿勢は要注意で、それが一時的なものではなく執拗に続くようならパワハラに該当し得ます。
目的が部下の成長ではなく、自分の支配欲や感情のはけ口になっていないか、常に振り返る必要があるでしょう。
部下への過度な支配が招く悪影響
部下のモチベーション低下・成長の阻害
上司から必要以上に細かく指示・干渉され続けると、部下は「自分は信頼されていないのだ」と感じ、仕事への意欲を失いかねません。
任せてもらえない状況では責任感や主体性も育ちにくく、言われたことしかやらない「指示待ち人間」になってしまいます。
上司にしてみれば「自分が目を離すと部下は何もしない」と不満かもしれませんが、その原因を作っているのは他ならぬ自分自身です。
過度なコントロールは部下のモチベーションを奪い、成長の機会を摘み取ってしまうことを肝に銘じましょう。
具体例として、上司が部下に対し逐一「これはこうしろ」「次は報告しろ」と指示し続ける職場では、部下は自分で考えて行動する場面がほとんど無くなります。
新しい提案や工夫も生まれにくくなり、部下は指示待ちに徹したほうが怒られないため安全だと考えてしまうのです。
これでは部下の能力開発は進まず、将来的にリーダーを任せられる人材も育ちません。
短期的な成果のために部下を縛り付けることは、長期的に見れば組織全体の力を低下させるリスクがあります。
職場の士気低下と生産性への悪影響
部下が委縮して主体性を失うと、職場全体の士気も下がります。
上司の顔色ばかりうかがい、指示がなければ動けない雰囲気では、チームの創造性や柔軟な対応力が損なわれてしまいます。
結果として業務効率も悪化し、生産性の低下を招くでしょう。
上司が“一人で抱え込みすぎて部下を駒のように扱う”状態では、せっかく多様な人材を雇ってもその力を発揮させられず宝の持ち腐れです。
また、上司による過度な叱責や威圧的な管理は職場の雰囲気を悪化させます。
常にピリピリした空気の中では、他の社員同士のコミュニケーションも減りがちです。
部下たちが上司の機嫌ばかり気にしていると、同僚同士で助け合ったり相談し合ったりする余裕がなくなります。
これはチームワークの阻害につながり、ひいては仕事のミス増加や顧客対応の質低下にもつながりかねません。
職場環境の悪化はドミノ倒し的に業績にも跳ね返ってくるのです。
メンタルヘルスへの深刻な影響
上司から常に監視されたり理不尽に叱責され続けたりすると、部下のストレスは著しく増大します。
小さなミスでも必要以上に追及されたり、常に行動をチェックされている状態では、部下は心休まる暇がありません。
このような状況が続くと不安感や自己否定感が蓄積し、部下のメンタルヘルスに深刻な悪影響を及ぼします。
実際に、職場のいじめ・嫌がらせによって適応障害やうつ病などの精神疾患を発症する例も少なくありません。
最悪の場合、心の限界を超えた部下が退職に追い込まれたり、自ら命を絶ってしまうといった痛ましいケースも起こり得ます。
そこまでいかなくとも、メンタル不調で長期休職者が出れば会社にとって大きな戦力ダウンですし、何より当人や周囲の社員にとって不幸な結果です。
「厳しさ」のつもりの言動が取り返しのつかない結果を招かないよう、常に部下の心身の健康状態にも目を配りましょう。
人材流出と企業へのコンプライアンスリスク
部下への支配的なマネジメントを続けていると、有能な社員ほど愛想を尽かして辞めてしまう恐れがあります。
特に近年は働き方の価値観が多様化しており、「尊重されない職場」から去っていく人も多いのです。
これは中小企業にとって大きな人材流出リスクであり、慢性的な人手不足や採用難にも拍車をかけるでしょう。
社内に残った社員も「あの上司の下で働き続けたくない」という不満を抱えながらでは、本来のパフォーマンスを発揮できません。
さらに見逃せないのが企業の法的・社会的リスク。
2020年施行のパワハラ防止法(労働施策総合推進法)により、2022年4月からは中小企業も含め全ての企業にパワハラ防止措置が義務付けられました。
万一パワハラが発生すると、加害上司個人だけでなく会社自体も使用者責任を問われ損害賠償請求を受ける可能性があります。
実際に「社員が安心して働けるようハラスメント対策をしているか」は企業の社会的信用にも直結しており、防止策を怠れば訴訟リスクだけでなく取引先や世間からの信頼失墜といった制裁も免れません。
中小企業だからといって例外ではなく、むしろ少人数の職場ほど一人ひとりの言動が与える影響は大きいため注意が必要です。
パワハラ気質セルフチェック:あなたは大丈夫?
以下のチェック項目に一つでも思い当たる節があれば、あなたの言動はパワハラ気質を帯びている恐れがあります。
実際の会話やエピソードを交えていますので、自分の普段の言動と照らし合わせながら確認してみてください。
チェック①:「自分の指示や期待通りに部下が動かないと腹が立つ」
ある部長は、自分が指示した手順と少しでも違うやり方で部下が仕事を進めると、「誰が勝手なことをしろと言った!」と声を荒らげます。
部下が代替案を提案しても「余計なことをするな。いいから言われた通りにやれ!」と一蹴してしまい、結果として部下たちは何も言い返せず萎縮してしまいます。
解説
部下が自分の思い通りに動かないとすぐ感情的になるのは、典型的なパワハラ上司の特徴。
キレやすい上司は「部下のマネジメント=自分の意見に従わせること」という誤解を抱いていることが多く、少しでも期待と違う行動を部下が取ると「思い通りにならない」と感じて怒りを爆発させます。
このような上司の下では部下は委縮し、建設的な意見も出せなくなってしまいます。
心当たりがある方は要注意。部下にも自分とは違う考え方・やり方があることを尊重し、感情的に叱る前にまず話を聞く姿勢を持ちましょう。
チェック②:「部下の成果を自分の手柄になる時だけ評価し、それ以外はねぎらわない」
課長のAさんは、部下が大きなプロジェクトを成功させたとき「よくやった!」と珍しく褒めました。
ただしそれは、自分もそのプロジェクトの責任者として評価される立場だったからです。
一方、部下が社内表彰を受けたり資格試験に合格したりしても、自分の部署の業績に直接関係ない場合には「ふーん」と関心を示しません。
部下は心の中で「上司は自分のことしか頭にないのだろう」と感じています。
解説
支配欲や自己中心的な傾向が強い上司は、部下の頑張りや成長そのものを喜ぶことが少ない点に特徴があります。
パワハラ気質の上司は「部下の成果が自分の評価アップにつながる場合だけ褒めるが、そうでない場合には何のリアクションもしない」傾向があります。
裏を返せば、部下個人の成長や努力には興味が無いのです。
「部下のため」という口実で厳しく指導しているつもりでも、実際には部下本人の成長には関心を持たず、自分の支配欲や成果欲求ばかり優先していないか振り返ってみましょう。部下を評価するときは自分本位な損得勘定抜きに、純粋に相手の努力や成長を認めて声をかける姿勢が大切です。
チェック③:「ミスをした部下を長時間責め続けたり、『使えない奴だ』など人格を否定する叱り方をしてしまう」
ある上司Bさんは、部下のミスが発覚すると1時間以上にわたり会議室で説教をします。「何度言ったらわかるんだ!本当にお前は新人以下だ」「こんな簡単なこともできないなんて社会人失格だ!」といった言葉を繰り返し、時には机を激しく叩いて威圧することもあります。
部下は萎縮してただ平謝りするしかなく、涙を流す人もいますが、Bさんは「泣けば済むと思うな!」と更に叱責を続けました。
解説
ミスに対して指導を行うこと自体は必要ですが、上記のように人格否定の暴言(例:「給料泥棒」「新人以下だ」等)や長時間に及ぶ執拗な叱責は明確にパワハラ行為。
もし自分が感情的になるあまり、相手を侮辱する言葉を口にしてしまった経験があるなら要反省です。
指導の際は短時間で済ませ、伝えるべき事実と改善点に焦点を絞りましょう。決して人格に踏み込んだ非難をしないこと。
例えば「ミスをした本人が悪い」という責め方ではなく、「この部分の手順を間違えるとミスが起きる。次からはこう改善しよう」というように、あくまで仕事上の行動と結果に対するフィードバックに留めるべきです。
チェック④:「部下の行動を過剰に監視し、プライベートな面にも干渉してしまう」
課長のCさんは自他共に認める“心配性”で、部下が自分の目の届かない所にいると不安になります。
ある日、部下が体調不良で早退すると、Cさんは業務後にその部下の携帯に「大丈夫か?」と電話をかけました。
しかし心配するあまり30分以上にわたり行動を問いただし、「本当に体調不良だったのか?病院には行ったのか?」と詰問調になってしまいます。
また別の日には、休日に連絡なしで部下が旅行に行っていたことを知り、「勝手に遠出とは何事だ」と叱責しました。
部下たちは「休みの日まで監視されているみたいだ」と感じ、息苦しさを覚えています。
解説
部下に対する過度な監視やプライバシー干渉もパワハラの一種。
例えば「休暇の理由を根掘り葉掘り聞く」「勤務時間外や休日にも頻繁に業務連絡を送る」「社内チャットで即レスを強要する」「部下の机の中身を勝手にチェックする」といった行為は、明らかに行き過ぎた支配行動と言えます。
実際に厚労省のチェックリストでも、特定の部下を孤立させたり行動を監視したりする行為はハラスメントの兆候として挙げられています。
心当たりがある場合は、「部下にも仕事以外の生活や自主性がある」という当たり前の事実に立ち返りましょう。
部下を管理することとプライバシーを侵害することは別物。
上司だからといって部下の私生活や行動をコントロールする権利は無いことを自覚する必要があります。
チェック⑤:「報告・連絡・相談を超えて細かな業務の進め方まで管理しすぎていないか」
マネージャーのDさんは「部下のミスを防ぐため」と称して、部下のスケジュールや作業手順を事細かに指示します。
メールのすべてに必ず自分をCCに入れさせ、外出時には1時間おきに進捗報告の連絡を義務づけました。
さらに提案資料は完成前に逐一チェックし、少しでも自分の考えと違う表現があるとやり直しを命じます。
Dさんは「これも部下のため」と思っていますが、部下たちは自主性を奪われて疲弊気味です。
解説
いわゆる「マイクロマネジメント」(細部に至るまで過剰に管理する手法)に陥っていないかのチェックです。
Dさんのように、「報告は◯分以内に返信」「常に進捗を逐一共有させる」「メールは全部CCに入れさせる」といった極端なルールを課していれば要注意。
マイクロマネジメントそのものは業界や状況によって必要な場合もありますが、行き過ぎた管理は部下に大きなストレスを与え、パワハラと紙一重です。
部下のミスをゼロにしたい気持ちは分かりますが、必要以上に監視・干渉すれば前述のようにモチベーション低下や成長阻害という副作用が生じます。「自分が全部把握しないと気が済まない」という心理がないか振り返りましょう。
それは本当に部下のためなのか、それとも単に自分の不安解消のためなのかを考え、任せるべきところは思い切って部下に任せる度量を持つことが大切です。
パワハラ気質を改善するために:上司が今日からできること
1.まずは「自分にもパワハラの芽があるかも」と自覚する
パワハラ加害者になりやすい上司ほど、自分の言動が相手に与える悪影響に気付いていないものです。
改善の第一歩は自身にパワハラ的な傾向が少しでもあることを認めること。
チェック項目でドキッとした点があれば、「自分は部下思いのつもりでも、受け手にとってストレスになっていたかもしれない」と素直に受け止めましょう。
上司という立場は権力勾配上どうしても強者になります。
その自覚を持ち、これまで「指導」だと思っていた行為が客観的に見てハラスメントではなかったか、冷静に自己評価することが大切。
部下の立場に立って想像し、「もし自分が部下から同じ扱いを受けたらどう感じるか」を考えてみる習慣を持ちましょう。
また可能であれば、同僚の管理職や人事担当者、または産業医など第三者からフィードバックをもらうのも有効。
自分では「厳しいだけでハラスメントではない」と思っている指導も、他者の目には行き過ぎて映ることがあります。
周囲から率直な意見を聞くことで初めて気付く問題点も多いでしょう。
まずは現状を正確に認識すること、それが改善への出発点です。
2.部下とのコミュニケーションを見直し、信頼関係を築く
パワハラ気質を改善するには、部下との向き合い方を根本から見直すことが不可欠です。支配的な上司は往々にして「伝える(命令・指示する)」コミュニケーションばかりになりがちですが、これからは「聴く」「認める」コミュニケーションを意識してみましょう。
具体的には次のようなポイントがあります。
部下の意見や提案に耳を傾ける
たとえ自分の考えと違っても頭ごなしに否定せず、まずは内容を聞き取ります。
「なるほど、そういう考えもあるのか」と一旦受け止める姿勢が信頼関係の第一歩です。
適切に誉める・労う
部下が成果を上げたり成長したと感じたら、自分の評価に関係あるなしに関わらずきちんと称賛しましょう。
前述のチェック②のように「自分の得にならない成果はスルー」では部下は報われません。部下の成長を一緒に喜び、ねぎらう姿勢が上司には求められます。
恐怖ではなく対話で動機づける
威圧や罰をちらつかせて動かすのではなく、目標の意義を語り合いモチベーションを引き出すコミュニケーションを心がけます。
「〇〇しないと罰する」ではなく「〇〇を達成したら一緒に喜ぼう」というポジティブな関わり方を増やしましょう。
3.適切な指導スキルを身につける(アンガーマネジメント含む)
「指導」と「パワハラ」を分けるものは何でしょうか。
その一つは指導スキル。
感情に任せた場当たり的な叱責ではなく、相手にとって建設的で納得感のあるフィードバックを行う技術を磨きましょう。
アンガーマネジメントについては以下の記事も参考にしてください。
「アンガーマネジメントのやり方は?できる上司のアンガーマネジメントを解説」
4.社外の研修や専門家の力を借りて学ぶ
職場のパワハラ防止策の一環として、外部の研修や専門家のセミナーに参加することも強くおすすめします。
第三者の視点からハラスメントの知識や対処法を学ぶことで、「これはアウトなんだ」という気付きが得られたり、適切なマネジメント手法の引き出しを増やすことができます。
最近ではパワハラ加害者向けの更生プログラムや、管理職向けのハラスメント防止研修も多数提供されています。
内容は法律知識の習得だけでなく、ロールプレイによる叱り方・褒め方の練習、部下とのコミュニケーション改善ワーク、心理カウンセリング的アプローチまで多岐にわたります。会社として外部講師を招いて研修を行うのも良いですし、個人でセミナーに参加してみるのも良いでしょう。
特に「自分は部下のためを思ってやっているだけで、ハラスメントなんて大げさだ」と感じている方ほど、一度客観的な学びの場に身を置いてみてください。
新しい知見を得ることで視野が広がり、自身の言動を見直すきっかけになります。
5.パワハラ防止の風土づくりを推進する
上司個人の取り組みに留まらず組織全体でハラスメント防止の風土を醸成することも重要です。
経営者や管理職が率先してパワハラ防止のメッセージを発信し、社員全員で安全な職場を作ろうという姿勢を共有しましょう。
会社の就業規則やハラスメント防止規程を再確認し、「パワハラは許さない」「風通しの良い職場を目指す」といった方針を明文化して周知することが有効です。
また、相談窓口の設置や外部機関との連携も検討してください。
万一トラブルが起きた場合に被害者が相談しやすい環境を整えておくことは、経営者層の責務でもあります。
上司自身も部下からフィードバックや相談を受けたときに真摯に向き合う姿勢を示しましょう。
普段から「何か困ったことがあれば遠慮なく言ってほしい」と声をかけておくことも大切。
社内研修や啓発活動を通じて、上司だけでなく部下側のハラスメントに対する意識向上も図るとさらに効果的です。
「指導とパワハラの違い」をテーマにディスカッションする場を設け、お互いの感じ方を共有するのも良いでしょう。
こうした取り組みにより、上司自身も学び続けることができますし、部下も適切に指摘し合える関係が築けます。
結果として「厳しさの中にも思いやりのある職場」へと近づいていけるはずです。
終わりに
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