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人事評価が必要な理由 正しい人事評価の3原則を確認

「人事評価制度はどうして必要?」

「正しい人事評価のための3原則」

「人事評価制度の注意点」

人事評価をすることはどうして必要なのでしょうか。
強い組織では個人の強さが尊重され、モチベーションを上げることよりも、従業員の前にある障壁を取り除くことで、自然と従業員の労働意欲は高まっていくとも考えられています。

しかし、誰もが仕事のスキルの向上に意欲を高く持っているわけではありませんし、
様々な性格をした従業員を束ねて組織を運営していくことが中小企業には必要です。

従業員に適切な人事評価をすることが企業の業績を向上させる鍵にもなります。

ここでは、人事評価が必要な理由から、人事評価で確認したい項目を紹介していきます。

人事評価制度はどうして必要?

昇進や昇給を決めるのは人事評価ですが、人事評価の役割はそれだけではありません。
昇給や昇進を決めるための機械的な役割だけであれば、年齢ごとに昇進や昇給制度を整えておいた方が、従業員への説明の負担も減りますし、公平性も担保されます。
何より、人事担当や役員はその方が楽でもあります。

適切な人事評価は企業にとっても、良い側面があります。
従業員が順調に成長できる人事評価制度を作り上げることは中小企業にとっては無視できないミッションです。

人事評価による経営方針の浸透

従業員の人事評価には、企業の経営方針を浸透させる効果があります。

企業に入社するとき、面接の中で採用担当者は、求める人物像(経営方針に必要な人材)であるかどうかの見極めをしようとします。

しかし、採用段階ですべてを見抜くことなどできるわけがなければ、採用段階で完璧な人材が入社することもありません。

多かれ少なかれ、企業内での研修はどんな社員にも必要になります。
初期研修も終わり、少しずつ独り立ちできるようになると、誰かに教わるよりも、自分で成長するために必要なことを行っていく、自己研鑽の要素が差につながります。

その時のモチベーションや努力の方向性の指標の一つに、人事評価制度があります。
企業の人事評価制度の中身をある程度知っておければ、明後日の方向に努力をして失敗することは少なくなります。
頑張ることは大事ですが、企業にしてみれば、同じ方向を向いて頑張ってもらいたいものです。

人事評価が企業の経営方針に沿ったものであれば、従業員にも自然と経営方針が浸透します。

例えば、リーダーシップをとり、新しいことに挑戦してほしい人材が企業に必要であれば、そこに挑戦した従業員を高く評価するなどができます。

社員への承認シグナル

人事評価制度に基づいた評価は、上司からフィードバックされるのが普通です。
評価を知らされ、それで終わりではなく、面談による内容総括があります。

そのときに、評価の反省会をするような面談はできるだけ避けた方がいいでしょう。
どうして、その評価が付いたのかに終始してしまうと、従業員に不満を蓄積させてしまう原因にもなります。

人事評価のフィードバックの面談で大事なことは「従業員を上司は認めている」というシグナルを送ることです。
職務上、指導が必要な場合は、指導しなくてはいけませんが、職務上の指導と人事評価のフィードバック面談は性格が違います。
そもそも、職務上の指導が必要であった内容を、年に数回の人事評価のタイミングまで待って何もしていないということであれば、それこそ問題です。

評価の確認と反省に時間を使うのではなく、今後の展望や将来に向けての意思疎通に時間を使うことが望ましいのです。

問題社員の育成

さきほど、人事評価には、従業員への承認のシグナルを出すことが目的と書きましたが、そうであるならば、企業の業績や個人の仕事への取組みを別にして、最低限の待遇は保障しなくてはならなくなります。

従業員の間で待遇に大きく差をつけてしまうと、社員を平等に認めているというシグナルを送っていることにはならないからです。

しかし、ハラスメントや企業の信頼を著しく損なうような行為をした従業員に対しては別になります。
人事評価に問題となる社員への対処方法なども明確にしておけば、その評価になった理由が当人も理解できるので、効果的です。

人事評価制度は問題社員の育成にもつながるのです。
ただ、このような場合であっても、フィードバックの面談等を実施するときには、その反省会に終わるのではなく、上司は承認シグナルを送ることを忘れないでいることが重要となります。

正しい人事評価のための3原則

「人事評価を制度化した」といっても、最終的な判断は人が行います。
公平に運用していくためには、評価する側の心構えも必要になります。
正しい人事評価をするための3つの原則を紹介していきます。

評価基準の遵守

人事評価の大原則が「評価基準の遵守」です。
社内で人事評価の基準を決めても、それを遵守せずに、個人の価値観に左右されすぎるような人事評価をしているようでは、何のための評価基準なのか疑われます。

評価する側は、評価基準を遵守した評価を徹底するように心がけましょう。
自己判断での評価を押し通すことは、従業員への説明責任を果たすことができなくなるため、特別な場合や、明確な目的がある場合に限った方がよいでしょう。

評価責任の自覚

人事評価の原則の一つに、「評価責任の自覚」が挙げられます。
「人事評価は評価制度に従って行っている」だけだから、評価している側の責任は何もないかと言えば、そうではありません。
評価者は、評価をされる側への説明の責任があります。

「この自覚がない」と部下に思われた場合、上司と部下が共闘態勢で仕事に臨むことは難しくなるかもしれません。
評価基準に則り、どうして今回のような評価になったのかが明確に説明できないようでは信頼に影響が出ることは念頭に置いておくべきなのです。

評価基準の透明化と浸透

企業によって運用の仕方は異なりますが、「評価基準の透明化と浸透」も原則の一つではあります。
何が求められている行動なのか、企業が従業員に期待していることは何であるのかを明確化することによって、説明力が大きく向上します。

ただ、人事評価は、どれだけ画期的だと思うものを作り上げたとしても、上手くいかない部分は必ず出てきます。
それが業績による問題かもしれませんし、場合によっては制度上の落とし穴かもしれません。

ですので、起業によって運用の仕方が異なると書きましたのは、起業によっては敢えて制度を明確にしない方がいい部分もあるからです。

極端なブラックボックスは従業員からの不満になる可能性もありますので、バランスが大事なところではあるのですが、すべてを透明化しようとすることが企業にとって不利になる可能性もあります。

評価基準の設定と公表については慎重に考えたいところです。

人事評価制度の注意点

人事評価制度の運用で失敗しないために必要なことを紹介していきます。
明確な基準通りに公平に評価することができればいいのですが、どれだけ評価を制度化しても、上手くいかない部分は出てくるものです。

その都度、評価基準を変える企業もありますが、「それでも完璧な評価制度にはたどり着かない。」このような経験はありませんか。
評価基準・評価制度に完璧なものは最初からないことを前提にした運用も大事かもしれません。

コンサルタントの見解を全面的に導入

よくある人事評価の失敗は、コンサルタントの意見を全面的にそのまま受け入れることによるものです。
意外かもしれませんが、コンサルタントの意見が、自社に相応しいものであるという保証はどこにもありません。

「コンサルタントの意見が違う」と言いたいのではなく、それを基にして、企業にフィットする形にアレンジしていくことが大切であるということです。
専門家の意見だけでなく、しっかりと自分たちの環境を見て判断することが重要になります。

教科書的人事評価

教科書的な人事評価制度も上手くいかない可能性が高いです。
教科書的な人事評価とは、機械的に、1対1に行動と評価を対応させるような評価のことを言います。

◆~ができたらA評価
◆~ができなかったら○点減点

などと明確にするような評価です。
当然のことながら、人事評価によって賞与や昇進・昇給を決めている企業が明確にしてしまうと、思いもよらない経営難に陥る可能性があります。
賞与ならまだしも、給与は一度上げると簡単に下げることはできません。

人事評価を公表しているにも関わらず、その通りに評価されていないとなれば、従業員からの不満の矛先が向けられる可能性もあります。
すべてを機械的にマニュアル化しているような教科書的な人事評価はできないということを知っておくべきなのです。

低評価社員のマインドケア

人事評価制度の運用で注意したいのは、低評価社員のマインドケアになります。
どれだけ頑張っても評価が上がらない社員は、「自分がダメ」と思い込んでしまいます。

その評価のすべてが、その社員の結果から来ているものかと言えば、そうでない場合もあるのではないでしょうか。
評価によって、昇給や賞与分配・コントロールしている事実はあります。
業績のことも考えておかなくはいけないのです。

すると、本当は評価が高い社員であっても、評価を上げると、人件費を維持しなくてはならなくなるから、仕方なく形式上は評価で調整するということになります。
好ましくないと思われる方もいるでしょうが、多少評価基準に曖昧な部分があった方が、人事評価制度が上手く機能する場合もあるのです。

ただ、これによって低評価が続いた社員のマインドケアを蔑ろにすることは危険です。

評価と昇給・賞与などを連動させないところを作るなどしながら、評価はしているということを本人に伝えるとよいでしょう。

まとめ:人事評価の基本

人事評価は公平なものが望ましいですが、すべてをマニュアル化することはできません。
仮にできたとしても、その方法ですべての企業が上手く人事評価制度を運用できるとは限りません。

公正な評価の方法を考えることは大切ですし、評価制度を公にすることも大切ですが、そうしない方がいいところもあります。

自社の状況をよく見た人事評価制度の運用を目指しましょう。

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