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バランススコアカード(BSC)活用の経営戦略とは?VUCAを乗り切る経営戦略

現代のビジネス環境はVUCAに満ちています。
VUCAとは、
Volatility(変動性)
Uncertainty(不確実性)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(曖昧性)
の頭文字を取った言葉で、現代のビジネス環境の特徴を表す用語です。

このような不透明な時代を乗り越えるため、企業は効果的な経営戦略が必要です。
本記事では、バランススコアカード(BSC)の活用に焦点を当て、VUCA時代を切り抜けるための具体的な戦略となりうるヒントを紹介します。

BSCは、財務だけでなく顧客、内部プロセス、学習と成長の視点を統合したマネジメントツール。
このアプローチを通じて、組織は複雑な環境においても、持続可能な成長と競争力の向上を目指すことができます。
BSCの理解を深め、実践的な経営戦略の参考材料にしてください。

VUCAとVUCA時代に必要な思考法については、以下の記事でも取り上げています。
「VUCA時代を生き抜くOODAループ思考を解説。DXとOODAループの関連性」

バランススコアカード(BSC)とは?

バランススコアカード(BSC)は、経営戦略を総合的に評価し、成功へ導くための重要なツールの一つ。
通常、企業の経営状態を判断する指標はKPI(重要業績評価指標)を一つに定め、利益率に注目することが一般的。
しかし、BSCを活用する方法では、一般的な業績指標だけでなく、組織の多面的な側面を考慮に入れることが特徴です。

BSCは、経営の4つの重要な側面
「財務面の成果」、「顧客との関係」、「内部業務プロセス」、「学習と成長」
に焦点を当てており、これについては後で詳しく解説しています。
BSCを活用することで、企業はただの数字上の成功に留まらず、持続可能な成長を実現するための戦略的な視点を得ることができます。

バランススコアカード(BSC)の歴史・背景

バランススコアカード(BSC)は、1992年にハーバード・ビジネス・レビュー誌で、ロバート・S・キャプラン教授とデビット・P・ノートンによって初めて紹介されたもので、企業が直面する様々な課題に対処するために開発されました。
特に、経営環境の高度化やビジネスの複雑性が増大する中、従来の財務指標だけでは企業の真の業績を把握しにくいという問題がありました。
この問題に対処するため、BSCは財務だけでなく、顧客満足度、内部プロセス、従業員の成長といった多面的な指標を取り入れることで、より包括的な業績評価を可能にしたのです。

30年以上の時を経ても、BSCは世界中の多くの企業に採用され続けています。
特にVUCAと呼ばれる、不確実性が高く変動性のあるビジネス環境において、経営戦略の策定と実行のための重要な指針となっており、BSCの採用は、持続可能な成長と効率的な経営を目指す企業にとって、不可欠な戦略ツールとして注目されています。

VUCA時代を乗り切るためのバランススコアカード(BSC)

BSCは、従来の財務指標だけでなく、顧客満足度、内部プロセスの効率化、従業員の成長といった非財務的な指標も取り入れています。
企業は単一の視点に偏らない経営戦略を立てることができ、変化に迅速に対応する柔軟性を持つことが可能です。

特にVUCA時代において、市場の急激な変化や予測困難な状況に直面した際、BSCは多角的な分析を通じて、リスクの管理と機会を最大化できる点はメリットでしょう。
事業の多角化を進める企業にとって、BSCは経営の質を維持し、持続可能な成長を目指す上で重要な役割を果たします。

バランススコアカード(BSC)を構成する4つの視点

BSCには4つの観点があります。
ここでは、
●財務
●顧客
●業務プロセス
●学習と成長
についてそれぞれ解説しています。

財務

特に重要な要素である財務。
この観点では、企業が財務上の成功をどのように達成するか、株主や債権者を含むステークホルダーに対してどのような責任を果たすかに焦点を当てます。

企業の健全な経済状態と成長性を評価するための重要な指標(KPI)が設定されます。
これには、純売上高、営業利益、株主資本利益率(ROE)、キャッシュフロー、投資収益率(ROI)などが含まれます。これらの指標は、企業の財務健全性、利益性、資本効率などを測定し、長期的な財務目標の達成度を評価するために用いられます。

一般的には財務が最重要とされ、これが重視されがちですが、BSCではバランスが重要です。
単に短期的な利益を追求するのではなく、長期的な財務戦略の観点から企業価値を最大化することが大切であるため、他の視点である顧客、業務プロセス、学習と成長と連携し、組織全体のバランスの取れた成長を目指していくことが重要です。

顧客

顧客に対して企業がどのように価値を提供し、長期的な関係を築くかに焦点を当てます。顧客視点の目標設定において重要なのは、顧客のニーズと期待に応えることで、顧客満足度とロイヤリティを高めることです。

顧客観点から設定される主要な指標(KPI)は、
●顧客満足度やリピート率などの顧客志向指標
●顧客当たり売上高や顧客当たり費用などの顧客収益性指標
です。
顧客志向指標は、顧客の体験や満足度に重点を置き、企業が提供するサービスや製品の品質を反映します。
一方、顧客収益性指標は、企業の財務健全性と成長を支える顧客関係の効率性と効果性を評価します。

顧客視点の適切な管理と評価により、企業は顧客ニーズに応える製品やサービスの改善、顧客体験の向上、そして顧客との長期的な関係構築に成功します。

業務プロセス

この観点の目的は、業務活動の効率化や顧客対応力の向上を図ることにあります。
業務プロセスでは、
●製品開発のためのイノベーションプロセス
●製品の生産と販売のためのオペレーションプロセス
●製品やサービス提供のアフタープロセス
のそれぞれについてKPIを設定することが推奨されています。

それぞれのプロセスに対応するKPIとしては、
●生産リードタイム・納期遵守率
●訪問顧客数
●不良品発生率
などがあります。

学習と成長

「学習と成長」の観点では、組織や従業員の能力開発に焦点を当てます。
この観点で設定されるKPIには、
●社員定着率
●従業員満足度
●能力向上率
●資格取得率
などがあります。
これらの指標は、従業員が組織内でどのように成長し、貢献しているかを測定し、組織の長期的な成功に直結します。
従業員の満足度とエンゲージメントの向上は、生産性の向上と組織全体のパフォーマンス向上には欠かせません。

バランススコアカード(BSC)活用のメリット

BSCは柔軟な環境変化に対応できるような経営指標を策定するのに効果的ですが、それ以外にもメリットがあります。
BSC活用のメリットについて見ていきましょう。
メリット

ビジョンや戦略の明確化ができる

企業の成功には、明確で具体的なビジョンと戦略が不可欠。
BSCは、組織の長期的な目標と日々の業務を結びつける強力なツールとして機能します。

ビジョンを設定する際、BSCは組織の目指すべき将来像を具体的に描くのに役立ちます。

目標達成への具体的な戦略活動に落とし込める

戦略はそのビジョンを実現するためのロードマップとして重要です。
BSCのフレームワークを使用することで、経営陣はビジョンを明確にし、それを実現するための戦略を効果的に策定できるでしょう。

目標設定から進捗管理まで、BSCを通じてビジョンと戦略を可視化すれば、従業員は企業の目指す方向性をより深く理解し、その実現に向けて一丸となって取り組むことができます。

バランスのとれた経営改善に取り組める

バランススコアカード(BSC)を活用する最大のメリットは、バランスのとれた経営改善に取り組める点です。
財務だけではなく、顧客、内部プロセス、学習と成長といった複数の視点から組織を評価することにより、BSCは短期的な利益に偏らない持続可能な経営を促します。

従来の財務指標だけに焦点を当てた経営は、時に短期的な成果を追求するあまり、長期的な組織の健全性を損なうリスクがありました。
しかし、BSCを使用することで、経営者は短期的な成果と長期的な目標の両方を考慮した戦略を立てることができます。
これにより、組織全体のバランスを考慮した持続可能な改善に向けた取り組みが可能になるのです。

また、BSCは組織内の異なる部門やチーム間での調整や連携を促進し、全体としての組織運営の改善に期待がもてるでしょう。
これは、組織内のさまざまな機能や部門が互いに連携し、共通の目標に向かって仕事ができることを意味します。
組織全体がより効率的に運営されれば、ビジネスの成功につながる総合的な改善が実現します。
バランススコアカードは、単なる業績評価ツールではなく、経営改善のための戦略的な枠組みとしても重要です。

新しいビジネスにつながる

経営の各側面を多角的に分析することで、未開拓の市場や新しい顧客ニーズに気づくきっかけにもなり得るでしょう。
顧客視点での深い洞察は、新しい商品やサービスのアイデアに繋がることがあります。
また、内部プロセスの効率化から生まれるイノベーションは、新たなビジネスモデルを生み出す可能性を秘めています。
BSCは従業員の能力開発と学習にも重点を置いており、社内のクリエイティブな思考が促進され、新しいビジネスアイデアの発想が生まれることにも期待できます。
企業の持続的な成長と競争力の強化には、新しいビジネス機会の発掘と開拓が不可欠です。

バランススコアカードを活用することで、企業は既存のビジネスに安住することなく、常に新しい市場やビジネスチャンスを模索する文化を醸成できることもメリットです。

人材育成や組織強化が期待できる

BSCは財務成果だけでなく、従業員のスキル開発や組織文化の強化といった非財務的な要素にも注目するため、組織は人材の潜在能力を最大限に引き出し、より強固なチームを築くことが可能になります。
また、目標設定から業績評価に至るまで、BSCは透明性と連携を重視するため、組織文化はよりオープンで協調的なものに変わり、チームワークと組織の一体感が強まる効果にも期待できます。

顧客満足度・従業員満足度の向上につながる

BSCを活用することで、企業は顧客満足度と従業員満足度の両方を同時に向上させることが可能。
BSCの「顧客の視点」では、顧客のニーズや期待にどれだけ応えているかを定期的に評価します。
顧客中心のサービスを提供することで、顧客ロイヤリティを高めることができ、期待に応える商品やサービスの提供、リピート施策の実施は、顧客満足度の向上に直接貢献し、最終的には長期的な顧客価値(LTV)の最大化につながります。

同様に、BSCは従業員の満足度向上にも大きく貢献。
明確な経営戦略と目標の共有は、従業員が組織のビジョンに共感し、仕事に対してより高いモチベーションを持つことを可能にします。
従業員が自分の仕事が組織全体の目標にどのように貢献しているかを理解することで、仕事への満足度とエンゲージメントが向上し、結果として組織全体の生産性が高まります。

このように、BSCは顧客満足度と従業員満足度の両方を高めることにより、企業の成長と発展を促進します。

バランススコアカード(BSC)作成の5つの手順

BSC作成のための手順を5つの段階に分けて紹介していきます。

手順①:ビジョンと経営戦略の明確化

「ビジョンと経営戦略の明確化」は、バランススコアカード(BSC)作成の初歩的でありながら最も重要なステップです。
このプロセスでは、企業の理念(ミッション)を基に、企業が目指すべき明確なビジョンを設定し、それを実現するための経営戦略を策定します。
まず自社を取り巻く市場環境や競合他社の状況を徹底的に分析しましょう。
企業の現在位置と市場での立ち位置を正確に把握し、それを踏まえた上での戦略的な目標を設定することが重要です。
分析後に、企業理念を実現するための具体的なビジョンを明確にし、それを達成するための戦略を策定します。

また、すでにビジョンや戦略が設定されている場合でも、その妥当性を再検討し、必要に応じて修正を加えることが重要です。
組織全体が共通の目標に向かって動くためには、ビジョンと戦略が明確で、理解され、支持できるものでなければなりません。

手順②:戦略目標(KGI)と簡易的な戦略立案

経営ビジョンの実現に向けて、具体的な目標や戦略を設定するこの段階では、目標設定のためのSMARTの法則を活用することが推奨されます。
SMARTの法則とは、
●Specific(具体的)
●Measurable(測定可能)
●Achievable(達成可能)
●Relevant(関連性)
●Time-bound(時間的制約)
を意味し、これに基づいて目標を設定することで、実現可能性の高い目標を明確にすることができます。

このプロセスでは、バランススコアカードの4つの観点である「財務」「顧客」「内部プロセス」「学習と成長」を用いて、戦略マップの作成にも取り組みます。
簡易的な戦略マップを作成することで、設定した目標間の因果関係を捉え、戦略全体の方向性と連携を視覚化することが目的です。

手順③:各観点での重要成功要因の設定

各観点の戦略目標を達成するために必要な核心的な活動や要素を特定します。
重要成功要因は、目標達成のために絶対に必要な条件や活動を指し、組織の成功に直結するポイントです。
例えば、戦略目標が「収益の拡大」である場合、重要成功要因としては「新製品の売上増大」や「市場浸透率の向上」などがあげられるかもしれません。
重要成功要因は、目標達成に向けて重点的に取り組むべき領域を示し、具体的なアクションプランの基盤となります。

このプロセスで重要なのは、各観点からの戦略目標に関連し、実現可能かつ測定可能な成功要因を特定することです。
また、重要成功要因は組織全体の戦略と整合性が取れている必要があり、実行可能な戦略と行動に落とし込むことができるものでなければなりません。

手順④:重要業績評価指数(KPI)の設定

先に定めた重要成功要因を実現・評価するための具体的な指標、
つまりKPI(Key Performance Indicator)を決定します。
KPIの設定は、組織のビジョンと戦略の実現を測定し、評価するために重要です。
KPIの設定では、先に見てきたように財務的な業績指標だけでなく、非財務的な業績指標にも注目します。
顧客満足度、従業員のエンゲージメント、内部プロセスの効率化など、これらの指標は組織の総合的な成果と効果をより正確に反映します。

KPIを設定した後、それぞれの指標に対して具体的な数値目標を設定し、経営戦略の具体的な進捗を追跡できるようにしましょう。

手順⑤:アクションプランの設定と実行

ここでは、設定された各業績評価指標(KPI)における数値目標を達成するための具体的な行動計画を策定します。
このプロセスでは、企業全体のアクションプランだけでなく、部門ごと、さらには個人ごとに目標を具体化し、ブレイクダウンすることが求められます。
これにより、組織全体、部門、個々のメンバーが、自分たちの役割と責任を明確に認識し、目標達成に向けた行動を取ることができるようになります。
各レベルで設定されたアクションプランには、それぞれの数値目標を達成するための具体的な手段や方法を含めて実行に移しましょう。

まとめ:BSC(バランススコアカード)を活用して課題を「見える化」しよう

BSCは企業の財務以外の課題を見つけることにも役立ちます。
●財務
●顧客
●業務プロセス
●学習と成長
はBSCを本格的に作成するかどうかは別にしても、意識していない企業は少ないでしょう。

財務は可視化しやすい要素ですが、それ以外の顧客、業務プロセス、学習と成長の観点は可視化が難しいかもしれません。
「社内の課題が明確になっていない」、「目標設定が曖昧になっている」と感じる場合には、BSCの作成を考えてみるのはどうでしょうか。

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