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話題のSX!DXとサステナビリティの関係とは?DXと両立させるべきSXの重要性

企業の市場での競争力を高めていくために必須とも言えるDX。
国内のDX推進状況は決して「十分」と呼べるまでには到達していません。

市場や顧客、ステークホルダーたちが求める企業の理想にはDX以外のものもあります。
SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の考え方を踏まえたDX推進が企業の競争力をより高め、支持され続ける企業となると考えられているのです。

短期的な視野ではなく、中長期的な少し長い視野をもって企業が存続していくためには、SXの理解は欠かせません。
労働力、時間、必要な資源にはすべて限りがあります。

その資源を最大限有効に活用することで、企業がより長く支持され続けるために必要です。

今回は、
・DXとSXの関連性
・DXだけでなくSXという観点が重要視されている理由
・SX的な考え方をもったビジネスモデルの事例

などをまとめています。

DXとSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の概要

まずはDX、SXという言葉の定義について簡単に紹介していきます。

DXとは?

DXとは、AIやIoTなどのデジタルツールを活用し、ビジネスにおける企業の競争力を高め、顧客に新しい付加価値を含んだサービスを提供し続ける変革のことを言います。
単なる業務のデジタル化にとどまらず、ビジネスモデルそのものの変革にまで至るのが特徴です。

経済産業省は2018年に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」をまとめ、これからの日本の企業においてはDXが必要であると指摘しています。

DXについての全体像をもう少し細かくご覧になりたい場合には、以下の記事も参考にしてください。

「DXとは何?デジタル化の先にあるDXを詳しく解説」

サステナビリティとは?

SXに理解をするためにはサステナビリティという言葉を知らなくてはいけません。
サステナビリティ(Sustainability)は、環境問題をクローズアップした際に使われる英語で、「持続可能性」を意味します。

今日では、環境問題だけに限らずに企業の社会的責任(CSR= Corporate Social Responsibility)を問う場面での使用も多くみられるようになりました。

企業が社会に対してどのような責任を負っているのか、このテーマにはそれぞれの企業が主体的に取り組まなくてはいけません。
利潤だけを追求していく営利活動には「持続性」の観点が欠けているため、一時的に勝ち残ることはできても、中長期的に生き残ることは難しいと考えられるからです。

サステナビリティの考えは、今の時代の幸福を未来の世代に繋いでいくために大切な考え方になります。

SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)とは?

SXとは「Sustainability Transformation(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」の略称です。

SXを要約すれば、企業が今後中長期的に存続していくことができるようなビジネスモデルに変化させていくことです。

経済産業省も以下のようにSXを定義しています。
グローバルサプライチェーンにおける企業経営を取り巻く環境の不確実性が一段と増す中では、「企業のサステナビリティ」と「社会のサステナビリティ」を同期化させた上で、企業と投資家の対話において双方が前提としている時間軸を長期に引き延ばすことの重要性(こうした経営の在り方や対話の在り方を「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」と呼ぶ。)

言うまでもなく、企業は営利活動を行うことで継続した事業を営むことができます。
利益が出なければ企業の存続はできません。

環境や資源のことを最優先に考えたとしても、利益が出ないのであれば、その企業にとっては事業を継続するだけの競争力がないということになります。

企業が生き残るためのSXは、
①「稼ぐ力」の持続的強化
②社会のサステナビリティの価値観を経営に取り込む
という2つの要素をそろえなくてはいけません。

(サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会中間取りまとめ~サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の実現に向けて~より引用)

どちらか一方が欠けてしまうことは、SXの失敗を招きます。
①と②の観点から、企業と投資家の間で対話を繰り返すことによって最もよい価値創造ができると期待されています。

社会の価値観と企業の価値観をそろえることで、

補足:サステナビリティとSDGs

SXという言葉よりも、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉の方が、馴染みがあるかもしれません。
SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称で、2030年までに持続可能なより良い世界を実現させるために設定された目標のことであり、17の目標と169のターゲットから構成されています。

17の目標は以下のものです。
①貧困をなくそう
②飢餓をゼロに
③すべての人に健康と福祉を
④質の高い教育をみんなに
⑤ジェンダー平等を実現しよう
⑥安全な水とトイレを世界中に
⑦エネルギーをみんなにそしてクリーンに
⑧働き買いも経済成長も
⑨産業と技術革新の基礎をつくろう
⑩人や国の不平等をなくそう
⑪住み続けられるまちづくりを
⑫つくる責任・つかう責任
⑬気候変動に具体的な対策を
⑭海の豊かさを守ろう
⑮陸の豊かさも守ろう
⑯平和と公正をすべての人に
⑰パートナーシップで目標を達成しよう

一つの企業がすべてをビジネスモデルに掲げるのは不可能に近いですが、業界として関連のあるところには、SXを視野に入れた企業活動を考える上でも参考になるところはあると思われます。

今、DXを通してSXに取り組むべき理由

すでにいくつかの項目は登場していますが、DXと連動させてSXにも取り組むべき理由に絞ってもう少し細かく解説していきます。

環境保全のため

現代の企業のビジネスモデルの中には、地球の資源が無尽蔵にあることを前提として計画されたものもあります。
資源の枯渇は企業にとっても地球環境にとってもマイナス因子でしかありません。

資源が枯渇した場合、企業は今と同じようなビジネスモデルで事業を継続していくことはできないでしょう。
資源を有効に活用することはもちろん、今の資源に代わる資源を見つけ出す必要性があるかもしれません。

ステークホルダーの理解を得るため

財務省が発表した「ESG投資について」というレポートの中で、ESG投資の市場規模の拡大が指摘されています。

企業がSXに取り組んでいるという事実は、ステークホルダーから投資対象の可能性が高まることを意味します。
ステークホルダーの中には、購入した株の「売り」を考えるのではなく、長く保有することを考えている人たちも多くいます。

株を長く保有し続けるためには企業が長く続いていかなくてはなりません。
中長期的な視点に立って、将来的に長く続いていきそうな企業は、ステークホルダーの投資の対象として候補に挙がることになります。

ESG投資は今後もますます注目を集めていく投資の在り方ですので、企業としてもステークホルダーに理解されるSXの取り組みには積極的でありたいところです。

※ESG投資とは
ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の単語の頭文字をつなげたものです。
環境や社会に配慮して事業を行っていて、適切なガバナンス(企業統治)がなされている会社に投資しようという考え方を言います。

世界情勢の先行きが不透明であるため

現代はVUCA(ブーカ)時代と言われているように、先行きが不透明な社会と言わざるを得ません。

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとった言葉で、未来予測が困難である時代を表現するときに使う言葉です。

テクノロジーの急速な進歩、未曽有のパンデミックの流行、突発的な内戦・戦争の勃発など、誰も予測することができないような国を越えたグローバルな出来事が次々と起こります。

このような環境の変化が社会のシステムを大きく変え、企業のビジネスモデルまでも変えていきます。
変化に対応しながら企業が競争力を維持し、存続し続けるためにもSXが必要になります。

DXを継続し続けるため

DX(デジタルトランスフォーメーション)は継続することが前提となります。
新しい価値を提供し続けるためには、その時代の環境に適した方法でなくてはいけません。

一度の変革で終わってしまうようではDXとは言えず、常に変革を続けていく姿勢こそが重要になります。

最新で画期的と呼ばれていたツールやシステムはすぐに古くなり、レガシーシステムとなっていきます。
社内での連絡の手段も、電話からメールへ、メールからチャットへというように、少しでも使いやすいもの、時間効率のいいものへと変わってきました。

詳しくは後述しますが、DXを続けていくことは、変化する環境で生き残るためのSXに通じるところがあります。

SXで重要になる2つの取り組み

SXは単なる環境保全とは違います。
企業の持続可能性をテーマにした取り組みであり、そこには大事な考えがあります。

ここでは、SXで重要になる2つの取り組みとして、
①企業の収益力を中長期的に高めていくこと
②中長期的にリスクを分散させること
について解説していきます。

企業の収益力を中長期で高めていくこと

何回か登場していますが、企業は存続していくために「稼ぐ」ではなく、「稼ぎ続け」なくてはいけません。

使えるリソース(ヒト・モノ・カネ・情報)を駆使して収益力を高くしていくことがSXを成功させるために必須の取り組みとなります。

中長期的にリスクを分散させること

グローバル化が進んでいる現代では、他国で起きた出来事が日本の企業に大きなダメージを与えるというリスクは十分に考えられます。

サプライチェーンに国外が組み込まれている企業にとっては、他国の政治的なリスク、パンデミックなどの目に見えない予測不可能なリスクと常に隣り合わせでいることを意味します。

そのため、事業継続のために何か一つに依存したモデルというのは「持続可能性」というテーマとはかけ離れてしまいます。

中長期的にリスクを分散させても収益性を落とさない取り組みが求められます。

DXとSXの関係性

ここまで見てきたSXについて、SXが注目を集めて必要とされている理由について解説してきましたが、DXとはどのような関係があるのでしょうか。
DXとSXの関係性についてまとめています。

人間関係

DX推進にはSXの視点が必要

DX推進は業務の効率化を求めて単純にツールを導入して完結するような取り組みではなく、中長期的に変革を続けることを前提としています。

DX推進のためには、目指すべきゴール・ビジョンを決め、それを実現させるための様々な施策を講じることになりますが、その施策が変化に対応することができない脆弱なモデルであるなど、「継続」の観点が抜け落ちていないことが重要です。

また、DXにすでに取り組まれている企業であれば、取り組んでからすぐに結果としてあらわれるものではなく、継続して取り組み続けなくてはいけないことであると感じているはずです。

このように、DX推進のためにはSXの視点が必要不可欠になります。

SX推進にはDXの視点が必要

SXを推進させていくためにもDXの視点が必要になります。
SXが順調に進んでいるのかどうか、これらは具体的に数値として可視化されなければなりません。

様々な角度から膨大なデータを寄せ集め、それを分析して今後の経営判断の材料にしていくためには間違いなくデジタルツールが必要になり、そのデータを活用していくための取り組みこそDXに他なりません。

蓄積したデータを基に社内で話し合うことはもちろん、ステークホルダーにもそのデータを開示し、広く意見を求めていく対話も重要です。

このように、SXとDXには密接なつながりがあるのです。

DXとSXを両立させるモデル事例

DXとSXには密接なつながりがあるということを述べました。
最後に、DXとSXを両立させたモデルとなる事例を以下の2つ紹介していきます。
・Nature Innovation Group :日本
・Coop Visby :スウェーデン

Nature Innovation Group :日本

突然の雨で活躍するビニール傘ですが、年間6000~8000万本が消費され、そのほとんどがリサイクルに回されることもなく埋め立てて処理されます。

同社は2030年までに使い捨て傘をゼロにすることを目標に掲げており、「アイカサ」を展開することで傘のシェアリングサービスを展開しています。

環境に優しく、企業の収益にもつながる持続性の高いビジネスモデルです。

Coop Visby :スウェーデン

Coop Visbyはスウェーデンにあるスーパーマーケットを展開する企業です。
同社では、食品ロス(フードロス)を削減するための積極的な取り組みをしています。

売れ残った食品を日持ちがいい食料品へと製造し直したり、園芸用の肥料にしたりするなど様々な工夫が見られます。

食品廃棄物量のデータを集めるために食品ロス削減アプリケーションの導入も行っています。

まとめ:まずは身近なところからSXを意識してみる

ビジネスモデルにSXの考え方を反映し続けることが難しい業界もあります。
DXの過程にある業務の効率化によるペーパーレスなども環境問題への貢献やコストの削減につながります。

どんな業態であっても何らかの「持続可能性」を考えることが、企業が生き残るうえで今後は必要不可欠なテーマとなり続けるでしょう。

DXを推進する際には、そのモデルが今後の変革に耐えうるものになっているのかを考える必要がありそうです。

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