戦略会議!小規模店舗の経営戦略を考える
「小規模店舗が存続していくために」
「他社と自社の違いを伸ばす経営戦略」
「『ほしい』と思わせる仕組みづくり」
社会情勢によって、ますます中小企業や個人経営店舗は逆風にさらされています。
このような状況下で小規模店舗が存続していくためには何が必要になるのでしょうか。
大手企業がかかえている顧客層を獲得することや、見込み顧客を増やしていくことも大切ですが、そのために何をやるかが最も重要です。
今回は、規模がそこまで大きくはない店舗が今後、どのような経営戦略を立て、競争力を高めていけるのかを考えていきます。
目次
小規模店舗が存続していくために
小規模店舗は大型店舗よりも不利なことが多いです。
市場へのアピールとして、「広告を出すこと」や「立地」、「資金」も大規模店の方が有利です。
しかし、小規模店舗の方が、有利な側面もあります。
他社との競争力で使えそうなメリットが何であるのかを分析すると、意外なメリットが見えてくるかもしれません。
自分たちの強みの分析
大手になればなるほど、自社のことを理解していない従業員も多くなります。
大手のブランドで規模をなんとなく拡大することもできてしまうからです。
もちろん、経営の方針を従業員レベルまで落とし込めている強い組織もありますから一概には言えませんが、自分のことと競争相手を知ることは商売の基本です。
まさしく、「彼を知り己を知れば百戦危うからず」なのです。
可もなく、不可もない商品・サービスを提供する場合には、大規模店舗が圧倒的に有利です。
平均点のようなサービスの提供ではなく、特定の分野に特化し、ターゲットが明確になっているサービスを提供するようなニッチな部分に注目することも競争に勝つための戦略だと言えます。
発信元が売上を変える
同じ商品でも売り方を変えるだけで商品の売れ行きが劇的に変わっていくことは有名です。その最たる例は誰が、その商品を紹介しているかというものです。
インフルエンサーが紹介しているから商品を買ってみたという経験がある方もいるのではないでしょうか。
それだけ、インフルエンサーが人に与える影響力は大きいということです。
これは、店舗ビジネスでも同じことが言えます。
店舗に足を運んできてくれたお客様が目についたよさそうな商品を購入するような仕組みをつくることも大切ですが、お客様との関係性をつくり、そこから購買を促すことも大切です。
つまり、この人が言っていることだから信頼できる、この人の提案なら乗ってみようと感じさせるということです。
同じことを言っていても、伝えている人によってその効果は異なります。
お客様に与える影響力を高めるために、店舗にいる従業員はお客様にとっての「インフルエンサー」になるように努めましょう。
人脈づくりが安定した売上
人脈作りはビジネスに安定的な売上をもたらします。
若いころに老舗のお店で修業を積んで、時期が来てから暖簾分けをしてもらい開業する方もいますが、彼らは老舗のお店で何を修業し、何を得るのでしょうか。
技術はもちろん大切な要素ですが、最も大事な観点はお客様との接点、人脈を得ているという考え方です。
極端な話、技術もあり、自分の固定客まであらかじめもっている若手にとっては、老舗での下積みの経験が必要ない場合もあります。
若手に注目をした投資家が、老舗にいる若手に出資をして、そのお店を辞めさせることもありますが、老舗店にとってみればお客様を取られただけで何のメリットもありません。
独立を考えた場合には、お客様との人脈や仕入れルートなど、表面上の技術以外で経営の本質を習得しているという観点は大切です。
これは、飲食業界だけでなく、多くの業種に当てはまることです。
商売をするうえで、人と人とのつながりは重要なのです。
他社と自社の違いを伸ばす経営戦略
他社と自社の違いが分析できたら、その違いが残すべき違いか、なくすべき違いなのかを考える必要があります。
競争力があるものは残しますが、不利になるような違いがある場合にはその違いを埋めていくことも必要になります。
接客態度が悪いことを売りにしている店舗はないでしょうから、他社と比較して接客力が劣ると感じるのであれば、改善の余地があります。
改善すべきところと、差を追求するべきところを分けることが欠かせません。
人とサービスは基本同じ
どの会社にも、どの店舗にも、いい人やいいサービスはあります。
「うちの会社で働いているスタッフはみんないい人」を売り出しても、引っかからなくなってきているということです。
突き抜けた接客力や資格などから他社を引き離すことはできるかもしれませんが、それではアピール材料としては弱く、コモディティとなりやすいのです。
どの会社にも人的リソースはあって、人とサービスの水準は一定のものをもっていることを前提としたうえでの差別化を考えていく必要がありそうです。
体験や共感を売る店舗ビジネス
インターネット上で、ボタン一つで買い物を済ませることができる上に、競合他社の出店など、ますます競争力が求められています。
お客様がお店に求めるものは何でしょうか。
商品そのものだけを目的としている場合には、店舗に足を運ぶ必要はありません。
買い物に出かける人の多くは、商品を自分で探す、選ぶ、買うという一連の流れを楽しんでいる場合もあります。
買い物という体験を買っているのです。
体験以外にも、自分と同じ悩みを抱えている人たち、あるいはその悩みに共感できる人との出会いを求めてお店に足を運んでくれる方もいます。
店舗ビジネスの一つの商品として、利用者が何かを体験できるかを振り返ってみる価値はありそうです。
どれだけ豊富な在庫を抱えているお店であっても、大規模ECサイトには匹敵しませんし、在庫数で競争しようと思っている店舗もありません。
店舗には店舗にしか提供できないサービスや商品があることにも目を向けたいところです。
変えるべきところ・変えるべきでないところ
時が流れても変えるべきでないことはたくさんありますが、時代の流れによって変えていかなくてはいけないこともあります。
流行を追い求めたり、奇をてらったりするような変化は、最初の引付はよくてもすぐに廃れます。
このような表面的な変化ではなく、抜本的に変える必要があるところは本腰を入れて変える必要があるかもしれません。
コンビニ業界の変遷をご存知でしょうか。
コンビニが流行したばかりの頃、コンビニ業界がターゲットとしていた客層は男性です。しかし、少子化の影響もあり、男性だけをターゲットにしていたところから、女性や子ども、高齢の方、ありとあらゆる人が来店するような品ぞろえとなっています。
今ではブランド店とコラボするようなコンビニも見られ、まだまだ進化を続けています。一方で、お客様の目線になっているということは変わっていないところでもあります。
どのような商品があったら来店する人の数が増えるのか、お客さんが便利であると感じてくれるのか、ここを考え抜いた結果としての成果であるとも言えます。
時代が変わっても、お客様目線になること、ニーズを考え抜き、不安や悩みを解消することにコミットしようとするところは変えてはいけないものなのでしょう。
「ほしい」と思わせる商品開発
「ほしい」と思わってもらえる商品開発というのは、優れた機能をもっていて他社を圧倒する商品という意味ではありません。
結局は売り方というところに帰着してしまうのですが、感情的に「ほしい」と思えるように心が動くような仕掛けづくりが大切という意味です。
お客様の心を動かすのは、ブランドのある商品や大企業が提供するサービス・商品だけではありません。
顧客アンケートの信憑性
会社でも顧客アンケートを行ったことがあるのではないでしょうか。
アンケートの活用の仕方ですが、アンケートには信憑性があるものと、そこまで信憑性が高くない性質のものがあります。
内閣の世論調査なども同じですが、新聞会社などによっても、結果が大きく異なるのが大半です。
無形サービスを提供する店舗のアンケートで、「なぜ、その店舗を選んだのか?」という質問に対して、多くの回答は「人柄がいいから」という回答でした。
しかし、人柄が悪いお店の人はあまりいません。
少なくとも、お客様の前では演じていることがほとんどでしょう。
つまり、このアンケート結果は、自社の強みを発見するためには信憑性がないことになります。
最低水準の技術もどこも同じで、そこにいる人柄にも大きな差が生まれていないようであれば、他の差別化を考えていく必要があります。
「待つ」ではなく、提案型ビジネスへ
黙っていてもお客様が購入してくれるということであれば、それに越したことはないのでしょうが、実際にはそのようにはいきません。
押し売りのような営業は、相手を不快にさせてしまいますが、黙っていても商品は売れません。
そこで、有効な手段の一つとして、提案があります。
相手のことを思って、「このようなこともできます。」「この商品であれば〇〇になります。」など、購入を促すというよりも、そのサービスや商品を購入した後のストーリーを見せてあげるのです。
じっと待っているだけでモノは売れません。
「売る」ということに自信を持てない方も、「提案する」営業なら自信を持てるかもしれません。
商品に誕生までの想いを馳せる
それぞれの商品、価格設定、今のサービスの提供の仕方になったのには、何かしらの理由があるはずです。
それがお客様のためのものであると自信があるものなら、そうなった経緯をしっかりと説明できるはずです。
一つ一つのサービス・商品に、それが誕生したストーリーを持たせることで、お客様に共感してもらうことができるかもしれません。
共感は安心感を生み出します。
まとめ:小規模ならではのフットワーク
小規模店舗、小規模経営は悪いことばかりではありません。
市場の動向を見て、確信が持てたらすぐに行動に移すことができるフットワークの軽さがあります。
大きくなればなるほど、会議や承認が必要になり、すぐに行動できないデメリットもありますが、小規模経営であるなら即決即行動ができます。
自分たちの強みを最大限に活かした商売の仕方を考えましょう。
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