中小企業向け助成金の種類と特徴!どの助成金が活用できる?

中小企業が受けられる助成金にはどんな種類があるのでしょうか?
人材の採用や定着、業務効率化などを支援するため、政府や自治体はさまざまな助成金・補助金制度を用意しています。
本記事では、中小企業経営者の方に向けて主要な助成金の種類と特徴を解説し、自社で活用できる制度を見極めるポイントをご紹介。
雇用関連の助成金を中心に、制度ごとの対象や支給内容、申請時のポイント、注意点にも触れます。
それぞれの制度は毎年改正が行われていますので、最新情報を確認しながら上手に活用しましょう。
人材採用に活用できる主な助成金
新たに従業員を雇い入れる際に利用できる代表的な雇用関係助成金を紹介します。
採用に踏み切りにくい求職者の雇用や、地域・業種特有の雇用促進に対して支給される助成金があり、条件を満たせば中小企業でも受給可能です。
トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、職業経験やスキル不足などにより安定的な就職が困難な求職者を一定期間試行的に雇用する企業に支給される助成金です。
ハローワーク等にトライアル雇用求人を提出し、その紹介を通じて採用することが支給の前提になります。
原則3か月間の試行雇用(有期雇用契約)を行い、職場適応の機会を提供します。
その間に企業と労働者がお互い適性を見極め、本採用(無期雇用)につなげることが目的です。
支給内容と特徴
雇用する対象者1人当たり月額最大4万円(母子家庭の母または父子家庭の父を雇用する場合は月額5万円)が最長3か月間支給されます。
助成金は試行雇用期間終了後にまとめて支給され、企業の人件費負担を一部補填します。
障害者を対象とする場合は「障害者トライアルコース」が適用され、支給額が最大8万円/月に増額され試行期間も最長6か月まで延長される特例があります。
例えば精神障害者の方を受け入れるケースでは、初めの3か月は月8万円、その後さらに3か月は月4万円の助成が可能です
申請のポイント
トライアル雇用を開始する前に必ずハローワーク等へ計画届を提出する必要があります(雇入れ後の申請は認められません)。
また、試行雇用開始日から2週間以内に所定の書類を提出することが求められるため、採用計画が決まった段階で速やかに準備しましょう。
試行期間終了後、対象者を正規雇用すれば、別途「常用雇用への移行に成功した場合の奨励金」が支給される自治体制度などがある場合も。
いずれにせよ、トライアル雇用助成金によってミスマッチ解消と人材確保を図りつつ、本採用につなげることが重要です。
特定求職者雇用開発助成金
特定求職者雇用開発助成金は、高年齢者、障害者、母子家庭の母など就職が特に困難な求職者をハローワーク等の紹介により雇用した企業に支給される助成金。
継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として採用することが条件で、主に正社員や無期雇用契約での雇入れが対象となります。
対象労働者の属性に応じて細かく5つのコース(特定就職困難者、発達障害者・難病患者、就職氷河期世代、生活保護受給者等、成長分野人材確保)に分かれており、それぞれ助成額や支給期間が異なります。
支給内容と特徴
支給額は対象者の区分(高年齢者か障害者か等)と労働時間区分(短時間労働者か否か)、企業規模に応じて定められています。
例えば中小企業が60歳以上の高齢者や母子家庭の母等をフルタイムで採用した場合、1人当たり60万円(大企業は50万円)が支給されます。
この助成金は原則として2期に分割して支給され、6か月経過後と1年経過後にそれぞれ30万円ずつ受給する形です。
重度障害者を雇い入れた場合は支給額・期間が大きく拡充され、中小企業では最大240万円を3年間(6期)にわたり受給できる仕組みになっています。
対象となる求職者
●高年齢者(一般的に65歳未満の定年が多い中で、特例的に65歳以上も対象に追加)や障害者、母子家庭の母など
●長期失業者や就職氷河期世代(いわゆる就職氷河期に正規就職の機会がなく現在も不安定就労の方)
●生活保護受給者等で就労支援が必要な方
●成長分野等(介護・福祉やITなど)で人材育成を図る場合に対象となる方
このような対象者を公共職業紹介(ハローワーク)経由で採用し、少なくとも1年以上継続雇用する計画であることが必要です。
申請と注意点
雇用後、所定の期間ごとに支給申請を行い助成金を受け取ります。
対象者ごとに支給対象期間が設定されており、途中で離職者が出た場合は以降の支給は受けられません。
また支給額は「実際に支払った賃金額を上限」となるため、対象者の給与が助成上限額より低い場合はその賃金額までしか支給されない点に注意が必要です。
本助成金はハローワーク等の紹介での採用が条件となるため、自社で直接採用した場合は適用されません。
応募段階から公共職業安定所の紹介を受けるようにしましょう。
中途採用拡大助成金(中途採用拡大コース)
中途採用拡大助成金は、在職中の人材の早期再就職支援策の一環として、中途採用者(既卒・社会人経験者)の採用を積極的に増やす企業に支給される助成金です。
正式名称は「早期再就職支援等助成金(中途採用拡大コース)」で、労働移動を促進し企業間で人材を有効活用する目的があります。
具体的には、自社の中途採用比率を大幅に引き上げるための雇用管理制度を整備し、一定以上の中途採用を実現した事業主が対象となります。
支給内容と条件
中途採用者の割合を事前に定めた計画より20ポイント以上増加させるなどの目標を達成した場合、企業1社あたり50万円の助成金が支給されます(中小企業の場合)。
この助成金は求人の公開や社内制度の整備・公表などを行い、中途採用の拡大に取り組んだ成果に対して一時金として支払われる点が特徴です。
助成を受けるためには、計画期間内に中途採用比率の目標達成および「中途採用計画」の提出・認定が必要になります。
支給内容と条件
中途採用者の割合を事前に定めた計画より20ポイント以上増加させるなどの目標を達成した場合、企業1社あたり50万円の助成金が支給されます(中小企業の場合)。
この助成金は求人の公開や社内制度の整備・公表などを行い、中途採用の拡大に取り組んだ成果に対して一時金として支払われる点が特徴。
助成を受けるためには、計画期間内に中途採用比率の目標達成および「中途採用計画」の提出・認定が必要になります。
申請のポイント
事前に中途採用計画を労働局に提出し認定を受けた上で、計画期間終了後に実績を報告し支給申請します。
計画策定にあたっては、中途採用者の受け入れ体制整備(評価制度や教育制度の整備、社内公表など)が求められます。
本助成金は労働移動支援の色彩が強く、以前は「労働移動支援助成金」の一部として実施されていたもので。
現在は名称に「中途採用拡大助成金」と明記され、中途採用を増やした企業へのインセンティブとなっています。
中途採用者は即戦力になり得る貴重な人材ですので、この制度を活用して積極的にキャリア人材を受け入れることは、企業の成長促進と労働市場の活性化につながります。
地域雇用開発助成金
地域雇用開発助成金は、雇用機会が特に不足している地域(過疎地域、雇用開発促進地域等)において事業所の設置・整備を行い、地元の求職者を新規雇用した企業に支給される助成金です。
地域ごとに「地域雇用開発促進法」に基づく対象地域が定められており、該当エリアで事業所を新設または設備投資を伴う拡充を行った場合に申請できます。
支給内容と特徴
助成金の額は、設備投資額および新規雇用人数に応じて算出され、最大で数百万円規模に及ぶこともあります。
例えば対象地域に工場や店舗を構え、雇用拡大のために300万円以上の設備投資を行い地域住民を採用した場合、合計で100万円以上の助成金を受給できるケースも。
中小企業の場合は初回支給分について支給額が1.5倍に優遇されるルールもあり、創業を伴う場合はさらに加算があります。
地域や投資規模によって細かな計算式がありますが、上限額は800万円程度に設定されています。
対象地域と留意点
本助成金を利用できる地域は限定されており、毎年度公表される指定地域リストで確認が必要です。
申請には事前に「地域雇用開発計画」の提出が求められ、計画期間(最長1年半)内に事業所の設置・雇入れを完了する必要があります。
対象経費の要件(設備に20万円以上のものが含まれること等)も定められているため、計画段階で支給要件を満たすかどうか支援機関に相談すると良いでしょう。
地域振興策としての性格上、国の他の補助金(例:ものづくり補助金等)と併用して設備投資を行う場合は助成対象外となることもありますので注意が必要です。
雇用環境の整備・人材育成を支援する助成金
続いて、現在雇用している従業員の処遇改善や働きやすい職場づくり、人材のスキルアップなどを目的とした助成金制度を紹介します。
非正規社員の正規化や待遇改善、社内制度の整備、研修の実施、仕事と家庭の両立支援といった取り組みに対して受給できる助成金です。
これらを活用することで、人材の定着や戦力化を図りましょう。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、パート・アルバイト・契約社員・派遣社員など非正規雇用労働者の待遇を改善し、企業内でキャリアアップを図った場合に支給される助成金です。
具体的には、有期契約労働者を正社員等に転換したり、賃金制度を見直して基本給を増額したり、賞与・退職金制度を新設したりといった取組内容に応じて、全部で6つのコースが用意されています。
●正社員化コース
有期雇用や無期雇用(非正規)から正規雇用労働者に転換した場合の奨励金
●障害者正社員化コース
障害のある有期/無期労働者を正社員に転換した場合
●賃金規定等改定コース
基本給の底上げや定期昇給制度の導入など賃金規程を増額改定した場合
●賃金規定等共通化コース
正社員と非正規社員の手当や福利厚生制度の差を解消し、共通の規定を適用した場合
●賞与・退職金制度導入コース
非正規社員も含めた賞与制度や退職金制度を新たに設け、実際に支給・積立を行った場合
●社会保険適用時処遇改善コース
短時間労働者への社会保険適用拡大に合わせて、所定労働時間の延長や手当支給など処遇改善を行った場合(※このコースは令和8年3月末までの時限措置)
支給内容とメリット
助成額はコースごとに異なりますが、中小企業の場合いずれも非常に手厚い支援となっています。
例えば「正社員化コース」では、有期契約社員等を正社員に転換した場合、1人につき80万円(40万円×2期)の助成金が支給されます。
このうち半額は転換後6か月経過時に、残り半額はさらに6か月経過後に支払われ、転換者を継続雇用するインセンティブになっています。
また障害者を正社員転換した場合は加算措置があり1人当たりの額がより高く設定されています。
賃金規程の改定や共通化、賞与制度導入など他のコースについても、1事業所あたり数十万円~数百万円規模の助成が受けられます。
例えば賞与・退職金制度導入コースでは38万円(中小企業の場合)の支給が受けられるといった具体例が公表されています。
申請と注意点
キャリアアップ助成金を受給するには、実施した取組内容を就業規則や労働協約に明文化し、一定期間適用した上で申請することが求められます。
「正社員化コース」の場合は転換後6か月間の賃金支払い実績が必要になるなど、申請までに時間を要する点に注意してください。
また、助成金申請前の6か月以内に会社都合の解雇や雇止めを行っていないこと、労働保険や社会保険に適切に加入していることなども共通要件となっています。
キャリアアップ助成金は複数コースの組み合わせ申請も可能ですが、同一の労働者・同一の取組で重複受給はできません。
制度改正にも留意が必要で、例えば令和6年度から「短時間労働者の労働時間延長支援コース(所定労働時間の延長による社会保険適用拡大を図るコース)」が廃止されるなどの変更が行われました。
最新の公表資料を確認し、自社の取組が該当する最適なコースを選択しましょう。
人材確保等支援助成金
人材確保等支援助成金は、魅力ある職場づくりのために労働環境の向上や人事評価制度の整備などに取り組み、人材の確保・定着を図る事業主に支給される助成金です。
従業員にとって働き続けやすい職場環境を整備することで、人手不足の解消や離職率低下を目指す制度であり、厚生労働省が管轄しています。
複数のコースがありますが、例えば人事評価制度の導入・見直し、テレワーク制度の導入、福利厚生施設の整備、中小企業の介護福祉分野での人材確保支援など、取り組み内容ごとに細かく区分されています
支給内容の例
コースにより支給額や達成目標は異なりますが、一例を挙げると「雇用管理制度助成コース」では、人事評価制度や教育訓練制度などを新たに導入し一定期間運用することで、目標達成助成57万円(中小企業の場合)を受け取ることができます。
またテレワークコースでは、在宅勤務制度の規定整備・試行運用後に一企業あたり100万円前後の助成が支給されるケースもあります。
人材確保等支援助成金は成果型(目標を達成した場合に支給)の助成金が多いため、事前に計画書を作成し労働局等の認定を受ける必要があります。
ポイントと注意
本助成金を活用することで、人事制度改革に伴う初期費用(コンサルティング費用やシステム導入費用等)の一部を補填できます。
ただし受給には一定期間(6か月~1年程度)の取組実施とその成果の証明が求められるため、計画段階からスケジュールに余裕をもって準備しましょう。
制度整備にあたって就業規則の改定が必要な場合、従業員への周知や労使協定の締結が伴う点にも留意が必要です。
また、人材確保等支援助成金は「人手不足分野での定着促進」を目的とした国の政策に沿っており、年度により重点分野やコース内容が変更されることがあります。
最新年度では介護・建設分野に特化したコースや、外国人労働者の定着支援コースなども設けられています。
自社の属する業種・分野に適したコースがあるか、公式情報で確認してみてください。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、従業員の職務に関連した知識・技能を習得させる職業訓練等を実施した企業に対して、研修費用や訓練中の賃金の一部を助成する制度です。
企業内で計画的な人材育成を行い、労働者のキャリア形成を支援することを目的としています。
例えばOFF-JT(外部研修)やOJTを体系的に実施し、その訓練計画が一定の要件を満たす場合に助成対象となります。
支給内容と特徴
支給額は、訓練中に支払った賃金の一部(賃金助成)と訓練に要した経費の一部(経費助成)について、それぞれ定められた助成率・上限額に基づき算出されます。
たとえば中小企業が従業員にOFF-JT研修を受講させた場合、研修中の賃金の最大2/3(一定の上限日額あり)と、研修費用の最大1/2(中小企業は上限額引き上げ措置あり)が助成されます。
コースは多岐にわたり、一般的な職業訓練を支援する「人材育成支援コース」、中長期的なキャリア形成を図る「特別育成訓練コース(教育訓練休暇付与等)」、中小建設事業主向けの「認定訓練コース」や、近年創設された「事業展開等リスキリング支援コース」などがあります。
いずれも企業内での計画的な教育訓練の実施が条件となり、訓練開始前に計画届を提出しておく必要があります。
活用メリット
本助成金を活用すれば、社員研修にかかるコスト負担を大幅に軽減できます。
例えばITスキル研修や管理職研修などを計画し実施すれば、その費用の一部が戻ってくるため、予算が限られる中小企業でも積極的に社員のスキルアップ投資がしやすくなります。
また訓練修了後に一定の成果(資格取得や業務成果)が認められた場合の加算措置があるコースもあり、単なる費用補填に留まらず意欲的な人材育成を促す仕組みとなっています。
申請のポイント
訓練計画は事前に所轄の労働局に届け出て認定を受ける必要があります。
計画外の研修を後から申請することはできませんので、年度初めに年間の研修計画を立てておくことが重要です。
また、助成対象となる研修は原則として労働関係法令を遵守して行われるものに限られます(適正な労働時間内での実施、研修受講の強制はNG等)。
研修修了後には支給申請書類として受講記録や出席簿、支払った経費の領収書類などを提出する必要があるため、書類管理も怠りなく行いましょう。
人材開発支援助成金は企業の成長に直結する“人への投資”を後押しする制度です。
社員教育を計画している場合は是非検討してみてください。
両立支援等助成金
両立支援等助成金は、仕事と家庭の両立支援に積極的に取り組む事業主に支給される助成金です。
育児や介護と仕事を両立できる職場環境づくりを促進し、労働者の離職防止を目的としています。
取り組み内容により複数のコースに分かれており、代表的なものに以下があります。
●出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
男性従業員の育児休業取得を推進し、一定人数の男性社員に育休を取得させた場合に支給。例えば育児休業取得率を高めた企業が対象で、1人目の取得で57万円、2人目以降は14.25万円(中小企業の場合)などの支給があります。
●育児休業等支援コース
育休取得者の職場復帰支援や代替要員の確保に取り組んだ場合に支給。
育休開始前後に「育休復帰支援プラン」を策定・実施し、円滑な復帰と定着を図ることが要件。
育休復帰後3か月定着で28.5万円、6か月定着で28.5万円(中小企業の場合)など。
●介護離職防止支援コース
要介護家族を抱える従業員に介護休業や介護のための勤務時間短縮制度等を利用させ、仕事と介護の両立を支援した場合に支給。
例えば介護休業取得・復帰で28.5万円、介護短時間勤務制度の利用で28.5万円(中小企業の場合)など。
●不妊治療両立支援コース
不妊治療と仕事の両立のための休暇制度等を導入・利用させた場合に支給(2022年度新設)。従業員が不妊治療休暇を取得し職場復帰することで支給される。
●柔軟な働き方選択制度導入コース
育児・介護期の社員がテレワークや時差出勤、短時間勤務等を柔軟に選択できる制度を新たに導入し、実際に適用した場合に支給(2024年度新設)。
支給内容と特徴
上記のとおりコースごとに支給額は細かく定められていますが、中小企業においては数十万円単位の奨励金を受け取れるものが多くなっています。
例えば「子育てパパ支援助成金」では、中小企業が初めて男性社員に5日以上の育児休業を取得させた場合に57万円、2人目以降の男性育休取得時には1人あたり14.25万円が支給されます。
また育児休業者の円滑な職場復帰に対しても支援金が用意されているため、代替要員確保など企業努力への補填となります。
これらの助成金は、企業文化として育児・介護と仕事の両立支援に取り組むきっかけ作りに寄与すると評価されています。
申請のポイント
両立支援等助成金も事前の計画提出が求められるものがあります。
例えば育休復帰支援プランは育休開始前に作成・届出が必要です。
また男性社員の育休取得促進策について社内周知や制度化を行っておくことも大切。
申請期限(育休取得から一定期間以内など)を逃さないように注意しましょう。
支給を受けるためには、育休・介護休の取得実績だけでなく、その後の定着状況まで確認されます。
取得者が復帰後に短期間で退職してしまった場合などは助成対象とならない場合があります。
制度を活用する際は、ただ助成金目当てで取得を促すのではなく、真に社員が両立できる職場環境を整備することが肝要です。
その結果として助成金を受給できる、という位置づけで活用しましょう。
助成金・補助金活用のポイントと最新動向
ここまで様々な制度をご紹介しましたが、実際に活用する際にはいくつか共通の注意点があります。
最新情報の確認
助成金・補助金制度は毎年のように見直しや改廃があります。年度途中で急遽終了するコースや、新設される枠も少なくありません。
実際、令和5年度にはコロナ特例の助成金が終了し、令和6年度から一部コースが廃止されています。
申請を決めたら必ず公式発表資料や管轄官庁のウェブサイトで最新情報をチェックしましょう。
「知らない間に締切が過ぎていた」「条件が変わっていた」ということのないよう注意が必要です。
共通要件の遵守
助成金を受給するには個別の要件に加え、企業側の基本的な要件を満たす必要があります。例えば雇用関係助成金の場合、雇用保険適用事業所であること、労働保険料を適切に納付していること、助成金審査に必要な書類を備え協力できること等が共通要件です。
社会保険や労働保険に未加入・滞納の場合は申請資格がありません。
また、助成金の趣旨に反する不正受給(虚偽申請や補助対象経費の不正流用など)が発覚した場合、返還だけでなく罰則や企業名公表のリスクもあります。
制度を正しく理解し、適切に活用するよう心がけましょう。
申請手続きとスケジュール管理
助成金や補助金の申請には多くの書類作成と手続きが伴います。
申請期限も厳格に定められており、遅れると一切受け付けてもらえません。
社内で担当者を決め、必要書類(申請書、計画書、実績報告書など)の準備を計画的に進めましょう。
厚生労働省系の助成金では近年電子申請が可能なものが増えており、令和6年時点で雇用関係助成金の大半(キャリアアップ助成金、トライアル雇用助成金、特定求職者雇用開発助成金、地域雇用開発助成金、人材開発支援助成金など)がオンライン申請対応しています。
電子申請を活用すれば書類提出の負担軽減になりますので、対応している場合はぜひ利用すると良いでしょう。
専門家や支援機関の活用
助成金・補助金の制度選びや申請書作成に不安がある場合、社労士(社会保険労務士)や中小企業診断士、商工会議所の経営指導員など専門家に相談するのも一手です。
それぞれの制度に精通したプロからアドバイスを受けることで、スムーズに申請手続きを進められます。
とくに補助金は事業計画のブラッシュアップが採択可否を左右するため、第三者の視点を取り入れる意義は大きいでしょう。
ただし、着手金や成功報酬を要求する悪質なコンサルタント業者も一部存在するため、信頼できる相手かどうか見極めが必要です。
公的機関の無料相談なども活用しながら、自社に最適な助成金・補助金を賢く選択してください。
まとめ:助成金は企業の経営者でも知らないものが意外と多い!?
助成金は、中小企業の経営課題を支援する強力な制度ですが、その数や内容は多岐にわたるため、経営者でもすべてを把握しているとは限りません。
特に雇用関連の助成金は制度改正も頻繁にあり、最新情報を把握することが重要です。活用できる制度を見逃さないためにも、定期的に情報収集を行い、必要に応じて専門家のサポートを受けながら、賢く制度を活用していきましょう。
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