社員の精神ケア、できていますか?心の健康を管理しよう
「社員の心の健康管理」
「メンタル管理に注意が必要な職業・職種」
「心の健康管理で気を付ける3つのこと」
社員の精神ケアはとても大切。
いわゆる病名のある病の根本的な原因はストレスをはじめとする精神的なものが原因となっているケースがほとんどです。
ストレスを抱えれば、体の免疫機能も衰えます。
それによって諸々の病にかかりやすくなってしまう悪循環に陥ってしまうのです。
昔から「病は気から」と言われてきましたが、近年では科学的にこの原理も立証されています。
日々の食生活という基本も大切ですが、社員のメンタルをケアすることも企業の責任として問われる時代なのです。
目次
社員の心の健康管理
職場環境を整えるのも上司の仕事です。
心の健康状態がよくないと、仕事上の成果にも悪影響を及ぼすこともあります。
心の不健康が呼び起こす最悪の事態が命に関わることさえあるのです。
社内での健康管理はどのようなことに気を付ければよいでしょうか。
心の健康状態が社員の命に関わることも
心の健康状態が思わぬ惨劇を招くこともあります。
特に、輸送機械の運転をしている人たちの心身のケアには細心の注意を払うべきとの考えが大多数を占めています。
電車やバス、タクシーの運転手、物流に携わる方々が主に該当してきます。
これらの現場では過度な時間管理が行われている場合があります。
物・人を決められた時間通りに運ぶわけですから、「遅れ」は企業にとっても致命的になりかねません。
しかし、その過度な管理故に命を落としてしまうケースもあります。
それが、運転手だけでなく、乗客や周囲の人を巻き込む場合も考えらえるのです。
ある輸送会社では、時間の遅れを運転手の責任として、懲罰を設けていました。
結果的に、その懲罰を懸念した運転手が、遅れを取り戻そうとして大幅な速度超過をした挙句、周囲を巻き込んだ大惨事になったのです。
この事件のあと、会社の業務体制に問題があることを指摘され、世論からも大きなバッシングを受けました。
社員が会社の制度に対して思っていることも吸い上げながら心身の健康管理を行う必要がありそうです。
メンタル管理の専門家を社内に用意
社内に精神ケアをするメンタル管理の専門家を用意している企業もあります。
メンタル管理の専門家を外部から招くのはコストがかかりますから、管理職の方がメンタルケアの資格を取得している企業もあります。
一時的に管理職の仕事の負担になるものの、一度資格を取得してしまえば、長期的なコストカットにもつながります。
メンタルケア心理士の資格については、講座受講後に自宅でも受験ができるので、時間や場所の制約は低いでしょう。
この資格に特化して言えば、心理学部の4年制の大学を卒業した人は講座受講の必要ありません。
場合によっては、管理職だけでなく、その分野が得意な人にお願いすることも一つの手法です。
専門家の心の健康管理も忘れずに
外部からメンタルケアをお願いする人を招く場合には心配する必要はありせんが、社内の中での専門家を用意する場合には、注意すべきことがあります。
それは、その人のメンタルケアにも気を付けなくてはいけないということです。
社内の中での専門家は、社員のメンタルケアが主な仕事ではなく、通常の本業もあるはずです。
そこから生じるストレスや心的問題点を解決してくれる人を傍においてあげなくてはいけません。
上司がいれば、上司が部下の悩みに耳を傾けることは当然ですが、直属の上司がいない場合や、いたとしても、すぐに相談できる環境にない場合には注意が必要です。
特に、管理職の方は部下の管理はできていても、自分のことを考えないで仕事に邁進している方も多いですので、自分で一定のケアをすることが求められてきます。
管理職は「うつ」になりやすい傾向
先ほども少し触れましたが、管理職の健康状態を周囲が気にしてくれるとは限りません。
精神ケアも同様です。
それゆえ、管理職は他の社員よりも「うつ病」になりやすいと言われています。
中間管理職は上からの指示、部下の育成や管理に加え、自分の仕事もしなくてはいけずに、プレッシャーを感じている人も多いのです。
近年では、日本の市場は飽和しつつあり、海外に市場展開をしようと目を向けている企業も多い中、コストの削減、業務の効率化も課題になっています。
その問題の解決を指示されるのも中間管理職であることが多く、極めてクリエイティブな仕事の内容まで要求されます。
また、家庭を持たれている方の場合、家庭との板挟みになるケースもあるようです。
上司、家庭、部下というトリレンマの状態になっている可能性もあり、もっともメンタルケアを必要としているのは中間管理職かもしれません。
メンタル管理に注意が必要な職業・職種
中間管理職と呼ばれる方はどこの会社にもいると思われます。
ここでは、特に仕事でストレス耐性が要求されてくる職種、業種を紹介していきます。
ただし、ストレスの感じ方は、厳密にはその仕事へのやりがいなどの個人的な要素が強いですので、あくまで参考程度にしてください。
社会福祉事業・介護事業
社会福祉事業や・介護事業は、高齢社会となった日本においては必要不可欠な職種です。
しかし、その内容はきつく、人手不足も進んでいることから、スタッフ一人当たりにかかる負担も大きくなることで、ストレスもたまりやすいと言われています。
その大変な仕事量と報酬が釣り合っていないと感じる方も多く、転職する人も増えている業界なのです。
男性も女性も活躍している職場ですが、特に男性の場合には介護施設で仕事をしてしばらく経過すると、自分のキャリア、将来性のことを考えることが多くなり、その職場で長く働いても「キャリアアップを見込むことができない」など、自分との葛藤によるストレスもあるようです。
医療業界・医療従事者
当直などもあり、思うように休むことが難しい業界である、医療業界。
睡眠時間も十分に確保することができていない医師、看護師の方も多くいるのが現状であるようです。
一日の平均の睡眠で7時間を確保できているのは全体の30%程度となっており、同じく、30%程度は5時間未満の睡眠しか確保できていないというアンケート結果もあります。
医療業界も人手不足が深刻なエリアがあり、その業務が特定のスタッフに集中することもストレスの原因になっているようです。
輸送業界・自動車運転
輸送業界は時間厳守で人やモノを運ぶサービスです。
それゆえ、企業からも時間厳守の指示は徹底されています。
しかし、その指示が行き過ぎてしまうと、社員がそれを懸念して思わぬ事故を引き起こしてしまうことがあります。
社員のメンタル管理を行いながら、安全第一での会社運営が求められてきます。
心の健康管理で気を付ける3つのこと
最初にも社員の心の健康管理の具体的な方法として、社内専門家を用意するという方法を紹介しました。
ここでは、もう少し身近なところでスタートできる、あるいはスタートできてなければならない3つのことを紹介していきます。
ラインケアを充実させる
職場を管理する上司、管理職によるラインケアが充実されているかを振り返ることが必要です。
部下の仕事の悩みだけでなく、表情・仕事中の雰囲気などにも気になるところがあれば、積極的に介入することが望まれます。
ただ、実際に仕事中の異変に気付いたとして、どのように声をかけてあげればいいのでしょうか。
また、その時に本当に不調を訴えられたとしたら、どのように対応することが正解なのでしょうか。
上司といえども、その場ですぐに休みの手配をすることや、仕事を回す仕組みを作り変えることは困難でしょう。
ケーススタディを会社で用意しておくことが重要です。
万が一に備えて、ラインケアがしっかりと機能するような準備をしていきましょう。
コミュニケーションの充実
本来、仕事で必要とされるコミュニケーション能力とは、相手の意図を汲み取り、それに対する適切な回答を出すことであって、雑談はコミュニケーションに分類されないケースが多いです。
しかし、心の健康管理を考えた時には雑談も立派なコミュニケーションの一部になります。
仕事と離れた他愛もない話がストレスのはけ口になることもあります。
息の詰まった職場で仕事に関する話だけでは、単調な仕事しかできません。
刺激的なクリエイティブな仕事をする上でも雑談という調味料は欠かせないものです。
休職・休暇制度の充実
法律で定められている休暇制度は当然、遵守しなくてはいけません。
しかし、企業がそれを社員に周知していないケースもあります。
法律としては守られている権利であっても、それを知らない、あるいはどのように取得すればいいのかが分からないという人もいます。
外国との有給休暇の取得率を比較され、日本人の勤勉さが揶揄されることもありますが、休日にも関わらずに、メールや業務内容を確認してしまう人が20%いるということも分かっています。
つまり、仕事を休んでいても、休みと言いながら仕事をしている人が5人に1人いるということです。
これであれば、休んでも仕事をしていても変わらず、職場で仕事をした方が、効率がいいと考えてしまいます。
日本人が上手に休暇を使えていないのは、会社での仕事の方法なのかもしれません。
まとめ:ワークライフバランスを整えよう
ライフワークバランスを尊重されるようになってから時間も経過しました。
働き方改革など、行政も人手不足やコスト削減を後援するような仕組みを整えています。
しかし、行政が整えられるのは仕組みの外側、大枠だけです。
仕事の仕方や働き方は、企業によって異なります。
社員の心の健康状態を向上させるためには、企業体質の改変も必要かもしれません。
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